2015 年 1 月 988 号 |
かけだし情報 |
ガバレ農場 鴻巣市前砂359 ℡548-1173 |
畑情報
年が明けて10日が過ぎました。まだこれから寒さのピークを迎えますし、埼玉ではインフルエンザが猛威を振るっているようですから、くれぐれもお体には気を付けてください。
今回は畑の情報とは離れますが、地域の活動について少し触れておきたいと思います。
週末の土曜日は恒例となっている鴻巣市消防団の出初式がありました。昔の消防団は地域の農家や自営の人が主なメンバーで、その人が退団するときは跡継ぎの長男が入る、というのが一般的でした。なぜ長男かと言うと、農家でも自営でお店をやっている商店などでも長男が家を継ぐというのが当たり前だったからです。地元に長く住んでいる人が入ることで、その地域のどこに誰が、誰と住んでいるのかを把握でき、なにかあった時にはすぐに安否の確認ができるのが大きなメリットでした。
しかし、農家を含めて地元で仕事をしている若い人は減少し、ほとんどが会社などに勤めているのが現状となった今、消防団に入る人を探すのは一苦労です。もちろん、その地域の実情によって違いはありますが、住宅地と農村地帯が主なところでは農家数の減少もあって若い人が地元で仕事をしていません。災害はいつ起こるのかはわかりませんから、できるだけ何かあった時はすぐに出動できる人を確保しておきたいところです。
東日本大震災や阪神大震災など、地域の消防団の活動がクローズアップされ、その重要性が報道されました。また、津波などの犠牲となった消防団員もいて、最後まで地域の人を守ろうとしていた様子も伝えられました。消防団員はプロではありませんが、何かあった時には危険にさらされる状況にあう可能性も少なくありません。火災などがおこれば夜中であろうと出動していくことになりますし、場合によっては夜中から明け方まで現場で状況を見守ることもあります。
会社に勤めている人などは、そのまま出社することもあるのですから大変な活動だと思います。
消防以外にも地域には様々な役がありますが、土日以外でも会議があったりするので、その役を引き受けることができる人は限られてきます。時間をある程度やりくりすることができるとなると、必然的に同じような人へと役をお願いすることになるのです。
有機農業をしたくて田舎へ移り住む若い人も増えましたが、地域の中に溶け込むには、村の行事や消防、青年団などの活動に積極的に関わるのが近道だと言えます。まだ有機農業は特別な存在という雰囲気があるのが一般的なので、有機以外を認めないと思ってしまうと、他の人たちとの間に軋轢が生じます。地域で暮らすには、例えば田んぼの水を確保する場合でも、他の農家との調整や協力が不可欠です。
伊豆の山奥に移り住み、自然農法を実践している友人がいますが、彼はその地域に入ってすぐに消防団のメンバーとなり、その地域に溶け込もうと頑張りました。他の農家はミカンや花などを育てているため、経済的にも余裕がある農家が多かったそうですが、自然農法と言うそれまで誰も実践していない農業を、奥さんと二人で始めた彼のことを、他の農家は最初、怪訝に思ったはずです。しかし、地域の行事にも積極的に参加し、徐々に周りの信頼を得たことで、山の上の方にある彼の家までの水道の設置や道路の補修などに地域の人が協力してくれた、という話をしていました。
今は行政としての地域は大きくなりましたが、自分たちが生活するなかで関わる範囲としては町内会、あるいはもう少し範囲を広げて、小学校や中学校区が適度な広さでしょうか。災害発生時や空き家の問題、高齢化や子育てなどで地域の持つ力によって、そこでの暮らしが楽しくなるかどうかが違ってくる気がします。人との係りは得てして面倒くさいものですし、昔のように「おせっかい」な人も煙たがれる時代となりました。しかし、これからは「おせっかい」な人が地域の中に求められるようになると思っています。
有機農業をしている人たちは結構、おせっかいな人が多いと思うのですが、それは農業を単なる仕事と捉えるだけでなく、農業を通して地域や都市と関わり、自然や環境を含めた地域作りに関心のある人が有機農業に関わっていくからだと感じています。
地域の抱える問題はたくさんありますが、元気の出るような取り組みをしていくことがその問題解決につながると思います。有機農業の現場から少しでも元気を届けられるような1年にしたいと思います。