2014年 7 月 965 号 |
かけだし情報 |
ガバレ農場 鴻巣市前砂359 ℡548-1173 |
畑情報
台風8号が日本列島を縦断しました。沖縄や九州、そして台風から遠く離れた長野や山形では大きな被害が出てしまいました。普通の生活をしていた人が、突然の災害で命の危険にさらされるという状況は、最近ではどこでも、いつでも起こるものだという認識が必要になっている気がします。
今年の梅雨は雨が多いため雑草の伸び方が例年よりも早いようです。刈り払い機を使って雑草を刈っても、1週間もすればまた雑草が畑を覆い始めてしまいます。刈り払い機は2台あり、1台は金属の刃をつけています。大きい雑草や、大量の草刈りが必要な時などは、こちらの刈り払い機を使います。もう1台は、それに比べるとエンジンも小さく、機械自体も軽めです。こちらは金属ではなく、プラスチックでできた三日月形の爪を3枚取り付けるタイプのものを装着しています。
こちらを使うのは、野菜を植えてある畝の間にある雑草だったり、合鴨ネットの周りにある草だったりします。金属製の刃を高速で回転させると、ネットに少し触れただけでネットをきってしまうからです。2つの機械をうまく使い分けながら草を刈りますが、刈っても刈っても追い付かない状況が続きます。
合鴨を入れた田んぼも雑草がまだ残っています。稲は、田植えをして一か月が過ぎたころから青々としてきました。まだ一部で生育が遅れているところも見られますが、これから生育が進んでくると思います。
合鴨たちも田んぼを動き回り、餌となる草や虫などを食べているため、体が大きくなりました。稲も成長しているために、泳いでいる姿は見えなくなってきました。時々、首を持ち上げて周りを見ている姿や、畦で休んでいる時に数を確認することができるくらいです。生長するにしたがって、今度はネットから外に出てしまう鴨が増えてきます。ネットの外には猫たちがいますから、逃げ出した合鴨をすぐに田んぼに戻さないといけません。
小学校の田んぼに放した20羽の合鴨は、1週間後に3羽になっていました。農家の方の話では、道路に面したネットが持ち上げられていたとのことでした。
ところが、翌日になり、田んぼの合鴨を見に来ていた小学生たちが、隣の田んぼにいる合鴨を見つけ、十数羽の合鴨を田んぼに戻すことができたと連絡をうけました。まだ隣の田んぼには捕まらない合鴨がいるようだとのことで、誰かに盗られたり、野生動物にやられたということではなかったようです。ただ、土に埋めていたネットを持ち上げていた形跡があるため、だれかが故意に合鴨を逃がしたことは間違いなさそうです。
合鴨はマガモとアヒルのかけ合わせですから、自然界にはもともと存在していないものです。それが生態系の中に放されてしまうと、生態系に影響を与えてしまいます。ですから、田んぼに放した合鴨は、農家が責任をもって最後まで管理、処理する必要があるのです。どんな気持ちで合鴨を逃がして?いるのかはわかりませんが、私たちにすれば困った行為です。
しかし、困った行為は農業を取り巻く政策では少なくありません。農業従事者の高齢化は進む一方で、耕作放棄された田んぼや畑も増え続けています。意欲ある生産者にそういった農地を集積し、生産効率を上げて競争力のある農家を作るための政策が打ち出されてきました。今までの減反政策や戸別補償をやめて、別の制度を創設するなどとしています。小さな規模の農家から大規模農家、生産法人のような会社組織の生産者まで幅広い農業従事者がいるなか、皆に良い政策は難しいのかもしれませんが、政策が誰に向いているものかを見極める必要はあると思います。
競争力のある農家を育てるのは良いかもしれませんが、それによって得をするのは生産者でしょうか、それとも消費者? 実はどちらでもなく、別の企業だったりするかもしれません。
林業を描いた映画「wood job」では、100年後の人たちが使えるように木を育てているという話がでてきます。今植えている苗木は、自分のためではなく、100年後のためだなんて、今の農業政策を考えつ人の頭の中にあるでしょうか?
自然の驚異が増す中、食べるものを遠い所から持ってくることはリスクが大きくなっていると思います。競争力を持った大きな農家が居ても良いのですが、自然や地域とつながりながら農業を営む人も必要だと思います。