2014年 8 月 968 号 |
かけだし情報 |
ガバレ農場 鴻巣市前砂359 ℡548-1173 |
畑情報
続けざまにやって来た台風が各地で大雨を降らせています。1年で降る雨が平均して1700㎜くらいなのに、この10日ほどで2000㎜を超えたところがあるなど、信じられないような雨の降り方です。テレビの映像では稲刈り直前の稲が水に浸かっている様子がでていました。各地で農作物の被害がまたでてしまいそうです。
今回の台風は関東への直撃はなかったものの、雨による被害が心配です。降り続いた雨で畑が冠水してしまうと、そのあとの強烈な太陽と猛暑のために根がやられてしまいます。適度な湿り気は必要ですが、多すぎると良いことはありません。お天気に翻弄されるのが農業の常とはいえ、頻繁に発生する気象災害にはお手上げです。備えあれば…とは言いますが、備えの基準を大幅に上げてもダメなケースが多すぎます。大切に育てた農作物が一瞬でダメになってしまう時のむなしさは、有機であれ慣行であれ、農家共通の想いです。
さて、数日前からウーファーとしてフランス人のカップルが滞在しています。約1週間、うちで農作業を手伝ってもらう予定です。ウーファーというのは、
WWOOFをする人のことで、WWOOFとは、World
Wide Opportunities On Organic Farmsの略です。
有機農場で暮らす機会を提供するということです。
日本だけでなく、ニュージーランドやオーストラリア、ヨーロッパなどで多くの人がこのシステムを利用しています。
ウーファーになるには年間の登録料が必要です。また、ウーファーを受け入れるホストも登録料が必要ですし、どんなホストなのかという簡単な審査もあります。日本では有機農家や自然食レストラン、環境教育をしている団体など300を超えるホストが登録しています。ウーファーに登録するとホストのリストを見ることができ、自分が行きたいと思うホストに連絡をし、お互いに条件が合えばウーファーとして滞在することになります。
ホストとウーファーの間には金銭のやり取りはありません。ホストは食事と寝る場所を提供し、ウーファーは労働を提供するという関係です。ウーファーでやってくる人の目的は様々です。外国人の場合、有機農業自体を体験するというよりも、日本語の勉強や日本の文化を学びたいという人が多いようです。
今、うちに滞在しているフランス人のカップルは、ドイツに近いアルザス地方でオーガニックワインを作っています。女性の方が先に日本へウーファーとしてやってきて、2週間遅れで男性が来日しました。ワイナリーを経営している男性は、ワイナリーの14代目で、ワインを作る建物は1700年代に建てられたものだそうです。彼の育てるブドウ畑は自然農法です。
2000人ほどが暮らす村に30ほどのワイナリーがあり、そのうちの6つほどがオーガニックのワインを作っていると言っていました。オーガニックの方法もそれぞれで、彼の行っている自然農法は、ブドウの樹の間に草を生やし、草が大きくなったら押し倒してマルチにすることを基本にして、肥料もほとんど施さないという方法です。草を押し倒すことで土に湿気が保たれ、草の下に様々な生き物が存在することで土が豊かになっていくという考え方です。日本の自然農法で有名な福岡雅信さんの本や、小川町の金子さんのことを知って参考にしているそうです。
彼らと話をしていると、国の枠を超えた農家同士のつながりを感じることができました。食料自給率では日本の39%に対してフランスは129%《カロリーベース》と圧倒的に違いがありますが、農家・農業が抱える問題はそれほど違いがない感じがしました。有機農業の置かれている立場、慣行栽培との関係や農業政策についても、有機農業については同じ悩み、問題意識を持っていると思います。特に、大量生産を前提にしたような管理で栽培されたものではなく、品質をしっかりしたものを作ることで食べる人、飲む人とつながろうという姿勢は共通したところでした。
大規模な農家もいれば、小規模で経営しえいる農家もいます。経営理念は違いますが、農家の根っこの部分ではつながっているはずです。同じように、日本と海外の農家同士も、同じ生産者として根っこでつながっている気がします。政治家や企業主導の交渉とは別に、農家同士のつながりを持っていくことが大事だと、フランス人の二人と話をしていて感じました。彼からプレゼントされたワインは今夜飲む予定です。