第11話 ~忍び寄る者~


2つ目の許可状を手に入れた6人は早速サークボ村に向かうつもりだった。しかし、修道院のニホヒとニホフが言うにはフーリブ村とサークボ村の間の森は地元の人間でも迷ってしまうほど入り組んでいるらしく、6人だけでその森を抜けるのは難しいそうであった。そのため、6人はガイドの手配をするべく村の観光案内所に向かっていた。


ハッピー「よーし、これで許可状もあと1枚じゃーん☆」

メイ「だねー☆でもさー、ガンちゃんとケンイチ氏はさすがだったね!」

チョンペー「たしかに!でも、最後の問題だけはヒヤヒヤしたばい!」

チン「ほんまやでー。よう最後の問題おうたなぁ。なんで2人ともニホヒを選んだん?」

ロック「それはやなー。ニホヒちゅわんの方が恥ずかしがりやさんだったからや。」

チョンペー「そうだっけ?」

ケン「2問目の俺らの答えを聞いてちょっと照れたような表情だったけんね。そこを俺らは見逃さなかったわけよ。」

メイ「へぇ~。そんなときだけ集中してるんだね。」

ロック&ケン「失礼な!」
ハッピー「あ!案内所ここだ!すいませーん!」

職員「はいはーい。どうされました?」

ハッピー「あのですね。サークボ村に行くためにガイドをお願いしたいんですけど。」

職員「ガイドですね。それならこの村1番のガイドがいますよ!すぐにここに呼びますのでしばらくここでお待ちください。あ、そこらへんのイスに座られててください。」

ハッピー「はーい。お願いします。」

メイ「この村1番のガイドだって!」

チョンペー「ラッキーやね☆」



6人がフーリブ村の修道院を後にして間もなく、修道院にはもう一人の来客があった。全身黒づくめの格好で黒のキャップを目深にかぶったその人物は巫女に会いたいと申し出た。僧はその異様さに少々不安を感じながらも巫女達のもとへ案内した。


ニホヒ「どうされました?」

謎の男「…許可状。」

ニホフ「えっ?」

謎の男「…許可状が欲しい。」

ニホヒ「許可状ですか?」

ニホフ「許可状を得るためには」
ニホヒ「試練を受けなくてはいけません。」

謎の男「…試練なんていらない。」

ニホフ「いえ、それが古来からのしきたりですから…。」


そのときその男は右腕をそっと懐に忍ばせた。と思った瞬間、ニホヒとニホフに銃を突きつけた!


ニホヒ「!!!何をするつもりですか!?」

ニホフ「こんなことをしても許可状は…」


カチャリ。


男は銃の撃鉄を起こした。


謎の男「…許可状をだせ。」

ニホヒ「クッ…」

ニホフ「姉さん…」

謎の男「…どちらかが痛い目にあわないと分からないか。」

ニホヒ「ま、待って!」

ニホフ「分かりました。」

ニホヒ「許可状を用意します。」


ニホフが奥から許可状を1枚持ってきた。


ニホフ「許可状に貴方の名前を書かなければいけませんが…」

謎の男「…そんなものいらない。」

ニホヒ「それでは許可状の意味が…」

謎の男「…ベアベ」

ニホフ「ベアベですね。つづりは…」

ベアベと名乗った男「…俺の名前を繰り返すな。早く書け。」

ニホヒ「できました。」


ベアベはニホヒから乱暴に許可状を受け取った。


ベアベ「…これでここにはもう用はない。」


ベアベは銃口をニホフに向けた。


ベアベ「…双子って萌えるよな。」

ニホフ「?」

ベアベ「…でも、ゲームでは必ず一方が死ぬんだ。」

ニホヒ「…?」


パシュッ。


乾いた音がした。サイレンサーをつけたその銃から発射された弾丸はニホフの足首を打ち抜いた。ニホフの足首の靱帯が完全に切れた。


うめき声をあげるニホフ。ニホフを抱きしめ泣き叫ぶニホヒ。


その2人を見下ろしながらベアベは怪しげな薬を辺りに振りまいた。ニヤリと笑ったベアベは許可状を手にその場を立ち去った。


…20分後。


ガチャッ!!


警部補「け、警部!!!」

コドン「チッ、遅かったか…。」





…第12話に続く。



第10話 ~同調(シンクロ)~


試練~①質問に対し、2人が同じ答えを3回連続で出さなければならない。

    ②質問のジャンルは巫女がランダムで選ぶ。

    ③答える2人は自由に選んでよい。

    ④チャンスは1日に3回まで。


チョンペー「にゃるほど~。これ意外と難しそうやね。」

ハッピー「ちょっと待って!っていうことは、今日3回やってもダメだったら明日まで待たなきゃいけないの!」

チン「明日の夕方には帰らんとあかんから、絶対間に合わんやん!」

メイ「え、何が何でも今日成功させなきゃってことでしょ!」

ケン「ニホ…ヒ、…フさん。質問していいですか?」

ニホヒ「どうぞ。」

ケン「ジャンルはニホヒさん達が選ぶとして、こちらから答える2人はそのジャンルを見てから決めてもいいんですか?」

ニホフ「構いませんよ。」

ロック「よっしゃ!ほんなら、なんとかなるんやない!」

ニホヒ「それでは」

ニホフ「早速」

ニホヒ「始めます。」

一同「よろしくお願いします!」


ニホフはどこからか取り出した木の箱に手を入れ、一枚の紙を引き出した。


ニホフ「質問のジャンルは」

ニホヒ「グルメです!」


チョンペーはニホフが紙を引いたのに何故ニホヒが言うのか若干気になったが、そこをつっこむ余裕はなかった。6人で話し合った結果、チョンペーとメイが挑戦することとなった。2人は板でしきられた回答席に座った。


メイ「私チョンペーに合わせにいくけん!」

チョンペー「了解!やるばいメイちゃん!」

ニホフ「第1問!」

ニホヒ「1番好きな」

ニホフ「飲み物は?」


チョンペーとメイはすぐに答えを書き出した。2人の顔に迷いの色は無かった。


ニホヒ「では」

ニホフ「一斉にどうぞ!」


チョンペー「ビール!!」   メイ「ビール!!」


ニホヒ「いいでしょう。」

ニホフ「1番好きな」

ニホヒ「アイスクリームは?」

チョンペー「はぁ~?アイス~?」

メイ「分からんしぃ。」


ニホフ「では」

ニホヒ「一斉にどうぞ!」


チョンペー「スーパーカップ!」  メイ「雪見大福!」


ニホフ「残念!」

チョンペー「雪見大福かー。そういえばメイちゃん食いよった気がするわー。」

メイ「アレ美味しいよねー。あー食べたくなってきた。」

チョンペー「俺もー。」

メイ「ね、後でアイス食べん?」

チョンペー「いいねー☆」

チン「こらっ!!そこは悔しがるとこやろ!」

メイ「あ、ゴメン。(シュン)」

チョンペー「反省ダッツ。」

チン「それをいうならハーゲンダッツやろ!ハしかおうてへんわ!」


ニホヒ「それでは」

ニホフ「次の」

ニホヒ「質問のジャンルは」

ニホフ「サディズム!」

ロック「は?」

ケン「サディズム?あのサディズム?」

ニホヒ「そのサディズムです。」

チョンペー「誰が行くけー?」

ロック「そりゃーSといったら決まっとるたい。」

ハッピー「え、だれだれ?」

ケン「誰て。もちろん姐さんです。」

チョンペー「納得。」

ハッピー「えぇぇ!私~!?」

メイ「ハッピー頑張って!」

ハッピー「じゃあ、もう一人はどうすんの?」

ロック「Sいうたら、チンかな?」

ケン「チンだな。」

チン「あー。正直俺はSやで。」

チョンペー「そいじゃあ、2回戦はハッピーとチンで!!」


ニホフ「それでは」

ニホヒ「第1問!」

ニホフ「1番好きな」

ニホヒ「攻め方は?」

チョンペー「しょっぱなから直球キター!!」

メイ「なんか普通に気になるね。」


ハッピー「ぇぇぇ…。攻め方ぁ~?」


ニホフ「一斉にどうぞ!」


ハッピー「鞭?」  チン「言葉攻め!」


ニホヒ「残念です。」


ハッピー「攻め方とか分からんしぃ!!」

チン「言葉攻めがやっぱいいって!」

ハッピー「そんなの知らんよー!…ん?みんなどうしたの?」

ロック「む、鞭…。」

ケン「好きなのが鞭…。」

チョンペー「鞭かぁ…。」

メイ「ハッピー…。」

ハッピー「…?何々?」


ドゥワッハハハ!!!!!


一同は爆笑した!


チョンペー「鞭て!完全女王様たい!」

ロック「女王様ぁ~。」

ハッピー「ひどーい!!私が女王様ならロックは牛ね!」

ロック「牛!?」

ケン「牛はひどくない?」

ハッピー「ケンはそれじゃー奴隷ね♪」

メイ「ねえねえ、私は?」

ハッピー「侍女その1くらいかな。」


ニホヒ「あの~。」

ニホフ「次に」

ニホヒ「進んでも」

ニホフ「よろしいですか?」

ハッピー「あ!すいません!お願いします!」

チョンペー「てか、やばいて!次で成功させんと!」


ニホヒ「最後のジャンルは」

ニホフ「R指定問題です!」

メイ「なっ?」

チン「まじで??」

チョンペー「てか、サディズムとかR指定とかジャンルおかしくね?」

ハッピー「あの巫女さんたちって実は意外と…かもよw」

チン「でもこのジャンルはいけるんとちがう?」

チョンペー「だね!だってあの2人がいくけんね!」

メイ「あれ?でもその2人いないよ?」

チョンペー「まじで!どこいったん?」

ハッピー「あ!もう2人とも座ってる!」


ロックとケンはすでに席に着いていた。


ロック「ケンイチ氏と俺のシンクロ率をなめたらいかんぜよ。」

ケン「ガンちゃん、ここはいっちょ見せてやりますか!」


ニホフ「では第1問!」

ニホヒ「1番好きな」

ニホフ「番組は?」


チョンペー「別にこれR指定でも何でもないたい。」

チン「でも、2人ともめっちゃ自信ありそうやな。」


ニホヒ「一斉にどうぞ!」


ロック「○ル○メッシュナイト!!」  ケン「○ル○メッシュナイト!!」


ニホフ「いいでしょう。」


ロック「基本やね。」

ケン「サービス問題たい。」


ニホヒ「第2問!」

ニホフ「おもちゃといえば?」


メイ「えー!こんなの分かると!?」

チョンペー「あの2人なら大丈夫。」

チン「でも、答えが2つに割れるとこやね。」

チョンペー「確かにね。でも、あの2人ならきっと…」


ニホヒ「いいですか?」

ニホフ「一斉にどうぞ!」


ロック「○○○○!!」  ケン「○○○○!!」


ニホヒ「い、いいでしょう。(照)」

ハッピー「よし!!」

チョンペー「さすが!!」

メイ「答えてる内容はひどいけどね。」


ニホヒ「それでは」

ニホフ「最後の」

ニホヒ「質問です。」

ニホヒ&ニホフ「付き合うならどっち??」

ロック「どっちの巫女さんか選べっちゅうことかいな。」

チン「これは賭けやな…。」

チョンペー「う~ん。厳しいなー。最後にこれか~。」

ケン「みんな心配するなて!」

ロック「そうやで☆もう答えは決まっとる!なーケンイチ氏?」

ケン「もちろんよガンちゃん☆」

メイ「ほんと?頼んだよ!!」


ニホフ「それでは」

ニホヒ「一斉に」

ニホヒ&ニホフ「どうぞ!!」


ロック「ニホヒ!!」  ケン「ニホヒ!!」


ニホヒ「素晴らしい!」


ロックとケンは立ち上がりがっちりと握手した。すぐに他の4人も2人に駆け寄り、6人は手をとりあって喜んだ。こうして彼らは2枚目の許可状を手に入れた。



…第11話に続く。


第9話 ~試練~



彼らの宴は日付が変わっても終わることはなかった。午前2時を過ぎた頃からひとり、またひとりと夢の世界に旅立っていった。最後まで生き残ったロックとメイはひとつしかないトイレの順番を競いあっていた。完全に酔っ払いである。トイレにいった後、その2人も崩れるように眠りについた。



2日目の朝。ケンが最初に目を覚ました。部屋に充満するアルコールの匂いに少しテンションを落としたが、すぐに活動を開始した。まずはティッシュでこよりを作り、ロックの鼻にそっと差し込んだ。むせ返るようなうめき声をもらしロックが目を覚ました。その音でチンとメイが起き出した。次にチョンペーの布団を足の方からそっとめくり、足の裏にマジックで『ウ○コ』と書いた。そのときメイが『ティヒンッ!』とくしゃみをした。4人は必死に笑いをこらえたが、声を抑えることができずハッピーを起こしてしまった。その後、メイがチョンペーの足の指に顔を描いたところでチョンペーが目を覚ました。



チョンペー「ん…。今何時?みんな早いねー。てか、何クスクス笑っとっと?」

ケン「何でもないないて。気にするなて。」

チョンペー「気にするなて言われてもねー。」

ロック「ほんまにチョンペーは小さいことを気にするけんなー。小さいなー。」

チョンペー「小さいて…。あっ!また落書きしたっだろ!?」



チョンペーは自分の足の裏を確認した。



チョンペー「ウ○コとか書いてあるし。てか、これ油性じゃね?まじかー。」

メイ「でも、顔はかわいいど?」

チョンペー「いや、ちょっとかわいいけどたい。はぁ~。」

チン「まーまー。それより今日は朝一で礼拝堂で許可状をもらって次の村に出発せなあかんから、はよ出る準備をしよか。」

ハッピー「そうそう!みんな急ぐよ!」



一同はテキパキと荷物をまとめ、宿を出た。朝ごはんを適当に済ませ、礼拝堂に向かった。フーリブ村の礼拝堂はスクンラト村のに比べてやや地味な概観であったが、倍ほどの大きさがありより力強い印象を与えた。礼拝堂に入り、そこにいた僧のひとりに許可状が欲しいということを伝えると奥の部屋に案内された。



僧「しばらくお待ちください。すぐに巫女様達をお呼びしてまいりますので。」

ハッピー「はい。ありがとうございます。」

ロック「達ぃ~?ここの巫女はひとりやないんか。」

チョンペー「そうみたいやね。今度はどんな人が来るんやろうね?」



ガチャッ。扉が開き、2人の巫女が入ってきた。6人は一目見て彼女達が双子であることに気づいた。顔は鏡に映したようにそっくりで見分けがつかなかった。



巫女A、B「ようこそフーリブ礼拝堂へ。」

巫女A「私は大森ニホヒです。」

巫女B「私は大森ニホフです。」

ニホヒ「許可状が」

ニホフ「欲しい」

ニホヒ「そうですね。」

メイ「は、はい。」

ニホフ「それでは」

ニホヒ「許可状を」

ニホフ「得るに」

ニホヒ「ふさわしいか」

ニホフ「どうか」

ニホヒ「試練を」

ニホフ「受けて」

ニホヒ「もらいます。」

チン「試練?!ほんまかいな?!」

ニホヒ、ニホフ「はい。」

ハッピー「ど、どんな試練なんですか?」

ニホヒ「簡単に」

ニホフ「言えば」

チョンペー「あ、あの!」

ニホヒ「どう」

ニホフ「しましたか?」

チョンペー「あ、その2人で交互にしゃべっていくのなんとかならんですか?なんか変な感じがしてですね。」

ニホヒ「すいません。」

ニホフ「生まれてからの癖で。」

ニホヒ「それでは私が」

ニホフ「話します。あっ…。すいません。」

ニホヒ「ここフーリブでの教えは一体感です。試練ではその一体感を見ます。実際には2人に同じ質問をして答えがそろえばいいのです。3回連続でそろわなければいけません。それから…。うっ…。」

ハッピー「え?どうかしましたか?」

ニホヒ「ひとりでこんなに話すのが生まれて初めてで。蕁麻疹が…。」

ニホフ「わ、私も蕁麻疹が…。」

チョンペー「ど、どんだけ~(汗)」



許可状をもらうために試練を受けなくてはならなくなった6人。無事に試練を乗り越えることができるのだろうか?




…第10話に続く。