第14話 ~3合目~


ケンは静かにパンツ道を語りだした…。


ケン「パンツが古い…、その目の付け所は決して悪くはない。でも、ただ古ければいいってものでもないわけよ。古いなら古いなりの歴史をもってなければね。パンツっていうのは自分を包む最後の砦なわけで、パンツと人にはそれだけの”絆”が生まれるんよ。その絆こそがパンツの魅力であり、愛すべき点なんだよね。まー確かに古い方が絆が深まってるだろうけど、ね。でも、誤解してほしくないのはこれは勝負パンツに限ったことではないということ。この絆は全てのパンツに存在するんだ。」


一同はケンの話に聞き入った。こんなにも胡散臭い話がそのときはちっともそう感じなかった。それどころか自己啓発の講演でも聞いているかのように心に響いた。


ケンは真剣だった。そして自信に満ち溢れていた。


チョンペー「…あんね。まーなんとなく分かったとけどさ。つまりはメイちゃんよりもその…パンツ道で先を行ってるってことよね?」

ケン「そうゆうことやね。まーメイちゃんは3合目ってとこかな。」

メイ「3合目…ね。」

ロック「メイちゃんが3合目ならケンイチ氏は何合目なん?」

チン「7,8合目くらいなんやない?」

ケン「いやいや、そんなには行ってないと思うよ。」

ハッピー「じゃあ、どれくらい?」

ケン「いや、正直分からん。先がなかなか見えんくてね。山の中で深い霧に包まれたような、そうまさに”五里霧中”だね。」

チョンペー「五里霧中~?」

ロック「言うなれば『パンツの山で五里霧中』ってことやな!」

チン「ひゃっひゃっひゃ*その響き最高やな☆」

メイ「パンツの山で五里霧中♪」

ハッピー「ちょっとー、明日は山に登るんだけんさー、縁起わるいじゃーん。…おもしろいけど。」


その後も各々の思い出を語り、6人は大いに盛り上がった。


そうこうするうちに目的地、サークボ村に到着した。


彼らに遅れること30分後、ベアベがサークボ村に入った。


時刻は午後2時半、太陽はまだまだ高く、気温は35度を超えようとしていた。



…第15話に続く


第13話 ~パンツ道~


ガスルのガイドに従い、一行は順調にサークボ村に近づいていた。するとジャングルが終わり、開けた場所に出た。


ガスル「みなさんお疲れ様でした!ここまででジャングルは終わりです。ここから先は一本道なので大丈夫ですよ。」

チョンペー「ありがとうございました!」

ガスル「では、私はこれで。」

メイ「えっ。ガスルさん、もう帰っちゃうんですか?」

ガスル「ええ。次の仕事もありますから。」

チン「そうなんや。ほんま助かりました。」

ガスル「いえいえ☆それではみなさんよい旅を!」


ガスルは再びジャングルの中へと入っていった。一同はその背中を見送り、サークボ村への道を歩き出した。


ケン「メイちゃ~ん、なーん浮かん顔しとっとね?」

ロック「さっきのガイドの兄ちゃんのことやろ~?」

メイ「はぁ…。結構好みだったのになぁ。」

ハッピー「そうだったの!?それじゃあ、顔が好みだったと?」

メイ「顔は別に好みってわけじゃ…。」

チン「何が決め手だったんよ?」

ロック「腰ミノの中身が好みだったりしてな(笑)」

チョンペー「まっさかぁ♪」

メイ「…。」

ケン「否定せんてことは…、まじでそうなん?」

ハッピー「メイちゃん…。」

ロック「そないいいもの持ってたんやな~。」

メイ「ちょ、ちょっと待ってよ!何か誤解しとらん?確かに腰ミノの中見てちょっとドキッとしたけど、ちゃんとパンツははいとらしたよ!!」

チン「パンツはいとって何でドキッとするねん?」

メイ「…。あの、その…。」

ケン「ここまできたら言うしかないばい。ほら、もっと堂々と!」

メイ「パ、パンツが古かったの!!!」


そのとき時間が止まった。このときチョンペーはスタンドが実在することを初めて知った。これが『ザ・ワールド』の時を止める能力か、と。


チョンペー「ぷぁ、パンツが古かった!?!?」

チン「ひゃっひゃっ*ほんまかいなw」

ハッピー「どーして古かったらいいの?」

メイ「だってさ。古いパンツをはいてるってことはさ、ものを大切にする人ってことでしょ。ということはきっと女性も大切にしてくれると思うんよね。」

チョンペー「う~ん。まー、分からんでもないような。」

チン「要は年季の入ったパンツに萌えるってことやな☆」

メイ「まーそういうことになるのかな?はぁー、でもほんとにタイプのパンツだったのにな~。」

ロック「パンツ萌えぇ~。ってことはパンツフェチやん!!」


そのときチョンペーは何か違和感を感じた。何かがおかしいと感じたのだ。その原因はすぐに判明した。


…それはケンであった。


こんな会話になれば決まっていじくりたおすケンイチ氏が沈黙を保っていた。


チョンペーはそれに気づき、ゆっくりとケンの方を見た。


ケンは腕をしっかりと組み、眉間にしわを寄せながら、ある1点を見つめていた。


チョンペーはケンのただならぬ気配に声をかけることができなかった。


しばらくして、ケンが重い口を開いた…。


ケン「メイちゃんもとうとうこの道に踏み出したか…。」

メイ「…ん?」

ケン「目の付け所はいい。でも、まだまだ甘いね。この道はそんなに甘くない。」

ハッピー「さっきから何言ってんの?この道って何?」

ケン「この道…。パンツの神秘に触れ、パンツの真の魅力を理解し、パンツと共に歩む道。この道を尊敬と羨望の意を込めて人はこう呼ぶ…。パンツ道!!」

一同「(ポカーン…)」

皆が呆気にとられているところで、チョンペーがたまりにたまった思いを全力でぶちまけた。


チョンペー「そんままやん!!!」


次回、ケンの口からパンツ道の真の深さが語られる。



…第14話に続く。




第12話 ~アレで判断する女~


コドン「ちくしょー!コイ、けが人はいるか?」

コイ警部補「巫女がひとり重症です!今回も同じように足首を打たれています!その他は眠らされているだけのようです!」

コドン「やはり、奴の仕業か。」

コイ警部補「コドン警部!巫女の一人が意識を取り戻したみたいです!」

コドン「フーリブの巫女様ですな?私はスクンラト村警察のコドン警部です。」

ニホヒ「…ニホヒです。」

コドン「早速ですがお話を聞かせていただいてよろしいですかな?」

ニホヒ「はい。」

コドン「それではニオイさん。まずはじょ…」

ニホヒ「あの『ニホヒ』なんですけど…」

コドン「何がぁ!?」

ニホヒ「いや、名前が…」

コドン「お、それは失礼しました。まずは状況を説明していただけますかな?」

ニホヒ「はい。黒尽くめの男が来て許可状を出せと言ってきました。その男が銃を出して脅したので仕方なく許可状を渡しました。渡した途端にニホフを…。うぅ…。」

コドン「どうされましたか?」

ニホヒ「蕁麻疹が…。ひとりでしゃべるといつもこうなんです…。ぐっ…。」

コドン「…?はぁ、お気の毒に。その男の特徴は?」

ニホヒ「背は中くらいで、がっしりしていたような…。あっ、ベアベと名乗っていました!その他は…。すいません。…もう限界みたいです。」

コドン「何が?」


ニホヒはその場で気を失った。ひとりでしゃべったためだと思われる。倒れたニホヒを抱きかかえながらコドンは心の中でその名を繰り返していた。


「ベアベ…」


その頃6人は観光案内所でガイドが来るのを待っていた。


メイ「村1番のガイドか~。どんな人かな~。」

ハッピー「ね~。いい人だといいね~♪」

職員「あーお待たせしました!こちらがガイドの土井ガスルです。」

ガスル「初めまして!ガスルです!私がいればサークボ村まであっという間ですよ!」

一同「よろしくお願いします!」


6人はガスルを先頭に早速サークボ村へと向かった。ガスルはよく日に焼けた茶色の肌を惜しげもなく見せ付けるように腰ミノしかつけていなかった。チョンペーはジャングルに入るのに腰ミノだけでいいのかと若干気になったが、聞くタイミングがなかったためそっとしておいた。


30分ほど進むとそこはもう完全にジャングルの中だった。そこからフーリブ村まで帰れと言われても無理だったであろう。それほど道は険しく、入り組んでいた。ガスルは器用に枝や草を払いながら、スイスイと進んでいく。6人は必死でガスルについて行った。


一行は足場の狭いところにさしかかっていた。ガスルから崖に落ちないようにと注意があったそのときメイが足を滑らせ、1mほど下に落ちてしまった。


メイ「キャッ!」

ガスル「大丈夫かい?」

メイ「は、はい。痛た…。」

ガスル「さー手につかまって。」


ガスルは崖の途中にあるでっぱりに足を伸ばし、そこからメイに手を差し出した。メイは痛む腰をさすりながらガスルを見上げた。メイは一瞬顔を赤らめた。それもそのはず、メイの角度からは腰ミノの中が丸見えだったのである。メイは恥ずかしがりながらもガスルの手をつかみ、上に引き上げてもらった。


ガスル「それでは行きましょう!」

ハッピー「大丈夫?」

メイ「う、うん!ちょっと腰うっただけだよ!」

チン「ん?ちょっとメイちゃん顔赤くない?」

メイ「えっ?そ、そんなことないよ!」

ケン「はは~ん、分かった。メイちゃんさっき腰ミノの中をのぞいたんだろ?」

メイ「バ、バカじゃない!そんなわけないじゃん!」

ロック「メイちゃんいやらしか~(笑)」

メイ「違うって!…ただ。…見えただけだもん。」

チン「ひゃっひゃっひゃっ☆それで赤かったんや!」

メイ「だ、だってあんなもの見せられたら!」

チョンペー「あんなもの?(笑)」

ハッピー「メイちゃん…。」

メイ「いや、ちがっ。あー、もういいけん!後で話すけん!」


その後6人はジャングルの道にも慣れ、順調に進んでいた。最初の頃に比べて顔にも大分余裕が見られた。しかし、メイひとりがなんだかソワソワと落ち着きがなかった。


メイ「(何?この気持ち…。まさか私ガスルさんに惚れちゃったの?…ガスルさんのアレ、凄く私好みだったなぁ。あーやばい。なんだかドキドキする…。)」


この旅行でメイに一足早い春が訪れた。それよりも『アレ』って何ですか?もしかして、アレのことですか?そこが惚れる理由なんですか?


次回、メイの言う『アレ』が明らかになる!



…第13話に続く。