猛暑日が続きますが、お元気でいらっしゃいますか?

私は、8月1日から六本木トリコロール・シアターで上演しておりました、ミュージカル「フリーダ・カーロ -折れた支柱-」の千秋楽を迎え、フリーダロス状態です(^^;
ご観劇頂いた方々、そしてカンパニーをご声援頂いた方々、本当にありがとうございました!

約1ヶ月前、フリーダ・カーロの誕生日でもある7月6日から歌稽古が始まり、7月8日に本稽古開始。
3週間のお稽古と1週間の本番。
とても濃密な時間でした。
改めて振り返ると、戦いの毎日でしたが、苦しみ以上の幸せを感じる日々でした…。
その幸せを感じられたのは、色んな幸せのかけらが集結したからだと思います。

上田一豪さんの台本と演出。
フリーダの事、ディエゴの事、国や時代の事を細部にわたり勉強し掘り下げて紡いだ言葉たち。
台本を読んだ時、一豪さんの魂と情熱を感じた私は、迷わずメキシコ行きを決めました。
一豪さんが命を削って生み出したこの作品を成功させるには、私がフリーダにならないと意味がない、始まらないと感じたからです。
メキシコに行ったからといってフリーダになれるわけではないとわかっていましたが、そうする以外に道は無かった…。
実際メキシコに行って本当に良かったですし、フリーダへの愛が一層深まり、彼女として生きる自信にも繋がりました。
一豪さんは、ご自身がメキシコに行けなかった事を悔やんでいらっしゃいましたが、それほどご自身が生んだこの作品への想いが深く、責任を感じていらっしゃったのだと思います。
でも、ここまでの世界観をオリジナルで作り上げられたその才能に敬意を表します。
一豪さんが、私にフリーダを演じてほしいと思って下さったこと、本を書き演出して下さったこと、幕が開いても妥協しないで導いて下さったこと、毎日お客様を客席に誘導して下さったこと(^^;
その全てに感謝致します。

その一豪さんを支えられた奥さまでありプロデューサーの柴田麻衣子さん。
苦しみもがきながらも、お互いに尊敬し尊重しあう夫婦の絆を側で感じていました。
お二人、そしてディエゴとフリーダの絆の美しさ、尊さを、この2組の夫婦から学ぶことができました。

フリーダにとって全てであるディエゴ・リベラを演じた今井清隆さん。
お稽古場でディエゴのセリフを発したその瞬間、ディエゴが側にいる!っと思いました。
フリーダにとってのディエゴは苦しみも喜びも全てを含んだ存在でしたが、私にとってきよさんの懐の深さは、癒しと安らぎ、木陰で休ませて下さる大きな樹のような存在でした…。



トロツキーの石川禅さん。
「モンテ・クリスト伯」と「スパークリング・ボイス Ⅱ」でご一緒していましたが、お会いする度に一緒に芝居したいね~と合言葉のように言っていたので、今回たっぷりご一緒できて、そして禅さんの胸をお借りすることができて本当に嬉しかったです!
白髪の山羊髭ちゃんとのデュエットは、痺れました(>_<)

イサム・ノグチの遠山裕介くん。
彼の男らしさに身を委ね、フリーダの情熱を引き出してくれました…。

アレハンドロ・ゴメスの田村良太くん。
誠実な彼の純粋な心と涙によって、若い2人の関係を浮き彫りにしてくれました…。

エラーサー博士の上野聖太くん。
ディエゴにも言えない悩みや本音を博士への手紙に託し、誰よりも信頼ていた存在。
聖太自身の優しさにも支えられました!

妹クリスティナの麻尋えりかちゃん。
宝塚の下級生でもあるまひろは、いつも気づかってくれて、末っ子の私にとって可愛い妹ができたみたいで本当に嬉しかったです!
しかも、本物のクリスティナに激似…。

フディトの田宮華苗ちゃん。
献身的なフディトのように、楽屋でもたみは献身的に私を支えてくれて、お芝居中の優しい眼差しに何度も助けられました。

マイエットの八尋由貴ちゃん。
この舞台に立てる喜びに満ち溢れたゆきの表情を見ているだけで、私も幸せになり、いつも元気をもらってました(*^^*)

そして、もう一人の私、歌手のコリ伽路。
私を見つめ、私を感じ、フリーダの魂を叫び歌った私の分身…。
コリのパワフルボイスと精神が、私の揺るぎない支柱となり、舞台に立つことができました。

素晴らしい方々と共演し、作品の中でフリーダを語って下さったことで、私はフリーダとして存在することができました。
皆さんに出会えて、私は幸せ者です…。
本当にありがとうございました!




音楽監督の小澤時史さんの音楽も、この作品にはなくてはならない彩り…。
忘れもしない、私がメキシコに旅立つ前日に一豪さんを訪ねたら、小澤さんが作曲中でした。
一豪さん、麻衣子さんと色々意見し合いながら紡がれていくメロディは既に「フリーダ・カーロ」の世界を醸し出していました。
劇団Tip Tapの作品の制作過程を垣間見れた貴重な経験であり、制作スタッフ陣の情熱に負けないように挑むぞ!と決意した瞬間でもありました。

携わったスタッフは他にも沢山いらっしゃいます!
皆さんと共に過ごした戦いの日々は、これから先、舞台のお仕事をしていく上での活力源となりました。
また巡りあえることを心から願っております!

そして何より、この作品をご観劇頂き、フリーダや登場人物に、カンパニーに愛情を注いで下さった皆様、本当にありがとうございました!
短い公演期間ではありましたが、皆様と共に過ごした約2時間は、紛れもなくメキシコの空気を共有し、フリーダや彼女を取り巻く人々の人生に寄り添って頂けた…。
そして、生と死を目をそらすことなく感じて下さった事に、心から感謝申し上げます。

フリーダ・カーロは、47才という短い人生でしたが、その時間を力強く生ききりました。
彼女を演じ、生きたからには、私に残されたこれからの人生、彼女に恥じることなく、力強く生きていきたいと思います。
そして、彼女が自らの人生をキャンバスに描き残した様に、私も舞台という神聖なキャンバスを彩り続けたいと思います!



本当にありがとうございました\(^^)/