伝統的なシングルカットセットネックモデルを、g7なりの解釈、センス、技術で仕上げてきたg7-LPシリーズ。
リリース以降幾度となくアップデートを加えながら今日の人気を築いてきたモデルですが、この度新たに生まれ変わる事となりました。
その先駆けとしてg7-LPS Series9のニューモデルを先日の「サウンドメッセ大阪 2023」にて初お披露目をしたわけですが、会場での注目度も大変高く、多くの試奏希望を頂戴したのも記憶に新しいところです。
こちらの2本が、まず大阪にて初お披露目となりました。新品とは思えない香ばしい雰囲気に溢れていますね。
今回の仕様変更点は主に3箇所となります。
①指板材の変更
②サイドドットポジションの変更
③コンデンサの変更
一つずつ見ていきましょう。
◉g7-LPSの新しい仕様箇所◉
①指板材の変更
これまではハカランダを標準採用してきましたが、これをマダガスカルローズへと変更しました。
マダガスカルローズは一般的なインディアンローズと比較して、大変詰まった杢と硬めの性質、そして美しい木目の特徴が挙げられます。
それではハカランダと比較するとどうか。
ハカランダも硬めのローズである為、インディアンローズよりもタイトな音像感が得られますが
、これに加えて高域寄りのピークを感じる音響特性を持ち、僅かなコンプ感も実感出来ます。
故に少し明るめなトーンという印象を持つ場合が多いです。
別の言い方をすると多少派手な印象もあるかもしれませんね。
②サイドドットポジションの変更
これまでは黒ドットであったところを鼈甲柄のサイドドットポジションとしました。
非常に濃い柄の鼈甲である為、よく見るとところどころが赤く透けて見える、、リアルかつさり気ない演出を施しました。
気が付く方も多くないかもしれませんが、楽器の色気を増してくれる重要なポイントですね。
③コンデンサの変更
今回のアップデートの目玉と呼べるポイントです。
これまでもデッドストックのオレンジドロップを使用するなど拘ってはきましたが、50sバンブルビーのような超高域の「パリッ」とした雑味、抜け感。そして広いレンジ感は得られず、どちらかというと纏まりの良い良質なトーンであったと感じていました。(それはそれで素晴らしいんですけどね)
しかし昨年、新作のバンブルビーレプリカのリリース情報を頂戴し、そこから水面下で話を進めてきた中でなんとかこのタイミングで完成品の確保に漕ぎ着けました。
今回採用に至ったコンデンサはメーカーさん曰く「新品時のバンブルビーをイメージ」というコンセプトだそうです。
勿論、実際の新品バンブルビーなどは存在しない為あくまでイメージではありますが、サンプルモデルのサウンドを聞いた瞬間に「なるほど!」と頷ける説得力がありました。
g7-LPSとの相性も素晴らしく、これまで以上に高音域の抜け感が確認出来つつ、同時に泥臭さや雑味を失わない(モダンな方向ではない)、そんな理想のトーンへと進化出来たように感じました。
これら、特に①と③の変化によってg7-LPSのサウンドも大きく進化させる事が出来たと自負しております。
ただ先立ってお披露目しておりますSeries9は相変わらず生産本数が少なく、g7お取り扱い店舗の店頭に常時並べて頂けるかと言うと、、どうでしょう、1本でも並んでたらラッキーぐらいの温度感かもしれません。
◉Series9の販売価格◉
新Series9の価格はトップ材のグレード(杢の派手さによって1A~4A程度までに分かれます)によって、税別¥800,000〜のご案内となります。
この内多く流通するのは2A〜3A程度ではないかと予測しております。
イメージとしまして、、、
上記画像のモデルで2A Top 税別¥870,000となります。派手さこそ控えめですが、フェイドしたバーストと相まってアダルトで哀愁漂う雰囲気が素晴らしいですね。
このぐらいの杢を敢えて選ぶ方も多いのですがそれも頷けますね。
◉Series6、Seriers7発足◉
ただ朗報としまして、Series9と同時にSeries6、Series7のレギュラーリリースも決まっています。
モデル名から連想出来るかもしれませんが、Series6はGold Top+P-90といった特徴を持つ1956スタイル。
Series7はGold Top+Humbuckerといった1957スタイル。
トップのメイプルにカーリー杢を使用せずプレーン杢のハードメイプルを採用する以外は、Series9と全く同等のスペッククオリティーとなります。
勿論、今回ご紹介した①〜③のアップデートも施してあります。
Series6、7は最短で年末頃までに数本程度からリリース開始出来ると思いますが、以降も継続してリリースしていく予定です。
アダルトかつ絢爛な表情を楽しんで頂けるGOLD Topを標準とした両シリーズにも是非ご期待ください。
これまでも多くのファンの方に支えられてきたg7-LPSのラインナップですが、更に高い満足度と感動を味わっていただけるよう研鑽と工夫を凝らしました。
是非お手に取って実際に鳴らしていただき、厳しい目と耳でお確かめください。
投稿:宇佐川