建設経済研究所ならびに経済調査会経済調査研究所は1月27日、「建設経済モデルによる建設投資見通し(2009年1月)」を発表した。それによると、2008年度の建設投資額(名目)は前年度比2.1%減の47兆6,300億円となるが、09年度には投資額がさらに減少し3.4%減の46兆円にまで落ち込むと予測した。今回の見通し額は、前回調査時(08年10月)と比べて
▽08年度が3,200億円
▽09年度が1兆6,200億円

下振れすることになったが、これは世界的な景気後退に伴い住宅・設備投資が減少していることを受けたもの。 「建設投資見通し」によると、08年度の建設投資は、改正建築基準法の影響がほぼ収束したものの、景気悪化による民間建設需要の減退と公共投資の漸減施策により、2年連続で前年実績を割り込む。


内訳をみると、政府投資(名目)は公共事業関係費のマイナスなどが響き、総額で5.9%減の16兆8,400億円と10年連続で減少する。また、民間建設投資総額(名目)は0.1%増の30兆7,900億円と微増を予測。このうち、民間住宅投資(名目)は、景気低迷に伴う住宅着工件数の減少によって1.2%減の17兆円とマイナスに転じる見込みだが、民間非住宅投資(名目)は土木投資・非住宅建築投資ともに増加し1.7%増の13兆7,900億円と5年連続で前年を上回ると見通した。

10年度の新設住宅着工戸数は82・4万戸(09年度見込み比7・3%増)と推計しているが、これは09年度が76・9万戸(前年度比26・0%減)と大幅に落ち込むとみているための反動増で、同研究所は「大幅な回復は見込めない」と悲観的な見方を示している。10年度の名目建設投資予測額の内訳は、政府建設投資が14兆8800億円(09年度見込み比20・9%減)、民間住宅投資が12兆6900億円(0・2%増)、民間非住宅建設投資が10兆1200億円(4・6%減)。

 

10年度の住宅着工の内訳は、持ち家が30・5万戸(5・4%増)、貸家が33・3万戸(6・9%増)、分譲が17・5万戸(13・3%増)と予測している。住宅取得促進税制や贈与税の非課税枠の特例拡大、住宅版エコポイント導入といった政府の対策については、「所得や雇用といった根本が回復しないと大きな効果は見込めない」(同研究所)と分析している。

 

10年度の民間非住宅建設投資のうち、建築投資は6兆3200億円(6・9%減)、土木投資は3兆8000億円(0・5%減)と予測。民間企業では設備投資意欲の冷え込みが続いており、建設投資の回復につながるのは11年度になると推測している。10年度の政府建設投資については、建築投資が1兆9300億円(28・8%減)、土木投資が12兆9500億円(19・5%減)とどちらも大幅減を見込む。

建設経済研究所と(財)経済調査会は1月25日、「建設経済モデルによる建設投資の見通し」を共同で発表した。2010年度の名目建設投資は前年度比10.4%減の37兆6900億円。実質建設投資は前年度比10.0%減の36兆8800億円で、1969年度の37兆8968億円を1兆円以上、下回る水準に落ち込むとみている。


名目民間非住宅建設投資も2007年度以来、4年連続で前年度を割り込む見通しだ。2010年度は前年度比4.6%減の10兆1200億円と、同23.7%減の2009年度からさらに減少する。民間企業の設備投資の先行指標となる機械受注は、2009年7~9月期の実績値が前期に比べて0.9%減と、下げ止まりつつあった。ところがその後、下げ幅が拡大。


設備投資が上向くのは、2010年度の半ば以降になる見込みだ。投資意欲が建設投資に及ぶタイムラグを勘案して、民間非住宅建設投資の回復は2011年度以降になると推測している。名目民間非住宅建設投資のうち、2010年度の建築投資は、前年度比6.9%減の6兆3200億円。土木投資も前年度を0.5%下回り、3兆8000億円になると予測している。