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回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

学校生活にもだいぶ慣れてきた、ある日の放課後。

同じクラスのアホ連中4人と、何気なく千葉の街へ繰り出した。

目的なんて特にない。セントラルプラザあたりを、ふらふら、ふらふら。

さあ帰ろうと駅に向かったところ、イシイ君が言った。

 

「チャリで帰ろうぜ」

 

そう言うや否や、自転車置き場にあったチャリンコを引っ張り出し、

鍵を蹴飛ばして、あっさり壊してしまった。

おい、おい、おい──なにしちゃってんだよ。

 

「俺は電車で帰るから、じゃあな」

 

そう言って連中と別れようとした瞬間、警官に捕まった。

派出所に連れて行かれると、ポケットやカバンの中身を調べられる。

するとイシイ君のカバンからは、万引きした品物が出るわ出るわ。

「お前はいつそんなことしてたんだ」

まったく気が付かなかった。

 

警官曰く──「お前らも共犯だろ」

そりゃねーよ。

「俺は知らねえよ、そいつが勝手にやってただけだろ」

でも、そんな言い訳は通用しない世界なんですね。

 

当然のこと、学校に連絡され、担任や学年主任にこてんぱんに叱られる。

翌日には学長室に呼び出され、坊主にさせられたうえ、停学処分。

納得いかねぇな。踏んだり蹴ったりだ。

はぁ~。

 

 

ちなみに──
主犯のイシイ君は停学10日。俺は情状酌量で3日だけ。
……とはいえ、停学ったって毎日学校には来させられるんだよな。
指導室だったか、そんな名前の部屋に隔離されて、反省文を書かされたり、
なんだか忘れたけど、校正プログラム的な指導を受けさせられた気がする。
まあ、踏んだり蹴ったりの続きってやつだ。