回顧録ーMemoirs of the 1980sー -7ページ目

回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

本編では書かなかったことが、
まだどこかに散らばったまま残っている。

若い頃の話もあれば、
中年になってからの出来事もある。
笑える日もあれば、
胸の奥が少し痛む夜もある。
時系列も関係なく、
ジャンルも統一されていない。
ただ、そのどれもが
“俺の人生のどこかに確かにあった時間”だ。
ここには、
こぼれ落ちた断片たちを
気ままに拾い集めた記録を残していく。

 

俺たち3人の無茶な酒の飲み方 〜パンクと焼酎と青春と〜

 

若いころの俺たち3人——
エーイチ、アッキョ、そして俺。
今思えば、あの頃の飲み方は完全に無茶苦茶だった。
でも当時はそれが普通で、

むしろ パンクファッションを維持するための生活スタイル だったんだよ。

 

パンクは痩せてる方が似合う
黒のスキニー、細身のTシャツ、ラバーソール。
あのシルエットをキープするには、とにかく痩せてる必要があった。
だから俺たちは、飲み屋に行っても 酒は飲むけど、肴は極端に少ない。
これが“パンク体型維持のための飲み方”だった。

エーイチ:アジフライ1枚 → あとは酒だけ


エーイチは最初にアジフライを一枚だけ食べる。
それで「今日はこれでいい」みたいな顔をして、あとは延々と酒だけ。
妙にこだわりがあって、妙にストイックで、妙にカッコつけてる。
でもそれがエーイチらしかった。

アッキョ:梅干し1個で焼酎を飲む男


アッキョはさらに極端だった。
梅干しをひとつ。
それを舐めながら焼酎を飲む。
完全に修行僧の飲み方。
パンクファッションのためにここまでやるのか、ってレベル。
正直、アッキョはやりすぎだった。

 

俺:枝豆+しらすおろし+酒


俺は一応バランスを取ろうとしてた。
•     枝豆
•     しらすおろし
•     そして酒
今思えば全然バランスなんて取れてないんだけど、
当時の俺は「これなら太らないだろ」って本気で思ってた。
若さって恐ろしい。

そして3人で焼酎ボトル3本が消える
肴はほとんど食べないのに、酒だけはガンガン飲む。
気づけば 3人で焼酎ボトル3本が空いてる。
しかも翌日は普通に仕事に行く。
めちゃ酒に強かった、ってか無茶苦茶だった。

 

ただしウイスキーだけは別格だった
焼酎なら翌日ケロッとしてたのに、
ウイスキー1本行った日は地獄だった。
•     目が開かない
•     頭が割れる
•     水が身体に入らない
•     1日死んでる
焼酎には勝てても、ウイスキーは完全に完敗だった。

そして翌朝、腹が減りすぎて“あれ”を食う
夜はパンクの美学で食わない。
でも翌朝は腹が減りすぎて死にそう。
で、結局——
立ち食い蕎麦屋の朝カレーをかき込んでた。
パンクも腹には勝てなかった(笑)

 

今思えば、全部が青春だった
食わないで飲む。
痩せるために無茶をする。
でも楽しい。
そして笑いながら朝を迎える。
あの頃の俺たちは、
パンクファッションのために身体を削りながら、
青春を全力で生きてた。
無茶苦茶だったけど、
あれはあれで最高の時間だった。