学校生活にもだいぶ慣れてきた、ある日の放課後。
同じクラスのアホ連中4人と、何気なく千葉の街へ繰り出した。
目的なんて特にない。セントラルプラザあたりを、ふらふら、ふらふら。
さあ帰ろうと駅に向かったところ、イシイ君が言った。
「チャリで帰ろうぜ」
そう言うや否や、自転車置き場にあったチャリンコを引っ張り出し、
鍵を蹴飛ばして、あっさり壊してしまった。
おい、おい、おい──なにしちゃってんだよ。
「俺は電車で帰るから、じゃあな」
そう言って連中と別れようとした瞬間、警官に捕まった。
派出所に連れて行かれると、ポケットやカバンの中身を調べられる。
するとイシイ君のカバンからは、万引きした品物が出るわ出るわ。
「お前はいつそんなことしてたんだ」
まったく気が付かなかった。
警官曰く──「お前らも共犯だろ」
そりゃねーよ。
「俺は知らねえよ、そいつが勝手にやってただけだろ」
でも、そんな言い訳は通用しない世界なんですね。
当然のこと、学校に連絡され、担任や学年主任にこてんぱんに叱られる。
翌日には学長室に呼び出され、坊主にさせられたうえ、停学処分。
納得いかねぇな。踏んだり蹴ったりだ。
はぁ~。
ちなみに──
主犯のイシイ君は停学10日。俺は情状酌量で3日だけ。
……とはいえ、停学ったって毎日学校には来させられるんだよな。
指導室だったか、そんな名前の部屋に隔離されて、反省文を書かされたり、
なんだか忘れたけど、校正プログラム的な指導を受けさせられた気がする。
まあ、踏んだり蹴ったりの続きってやつだ。
