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回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

深夜の街は、若さを増幅させる。
何をしても許される気がして、俺たちはよく笑い、よく走り、よくふざけた。
あの夜のデニーズでの出来事は、今思えばただの悪戯だけど、
確かに“青春の匂い”がした。

 

夜中にドライブしてたら腹が減ったんで、みんなでデニーズに入った。
運転手の俺は飲めないんだけど、エーイチとアッキョがビールを注文。
すると店員が、

「深夜のアルコール販売はできません」


と言う。(今もそんな決まりあるのかな?)
その時は「まあいいか」と飯だけ食って帰ったんだけど、
俺の頭の中にはすでに悪巧みが芽生えていた。

 

数日後、今度はフクちゃんの軽ワゴンに
フクちゃん・ヤスオ君・タカヤマ君を加えた6人でドライブ。
もちろん定員オーバー。
船橋港の工場街で自販機を見つけて停車。
エーイチがアッキョに向かって、


「お前は運転もできない役立たずなんだから、フクちゃんにジュース買ってこい」
 

と金を渡して外に下ろす。
アッキョが自販機に向かった瞬間、


「よし、フクちゃん発車だ」


と言って車を出す。
アッキョが


「おいっ待てよ〜!」


と必死で走ってくるのが、もう笑えて笑えて。
……と、話がそれた。
本題はデニーズだ。

 

14号沿いのデニーズに入り、まずは席について水をもらう。
10分ほど注文もせず騒いでいると、さすがに店員が注文を取りに来る。
そこで俺たちは一人4〜5品ずつ注文。
店員が丁寧に、


「ご注文を繰り返します。○○と○○と……」


と確認してくる。
最後の最後まで言わせておいて、
満を持してエーイチが言う。


「あとビール5本」


当然、店員はこう言う。


「深夜のアルコール販売はできません」
 

待ってました。


「え〜ダメなの? 店長呼んできてよ、俺が交渉するから」
 

と、わざと困らせる。
店員はオロオロ。
俺たちはニヤニヤ。
最終的には、


「ビール飲めないんじゃしょうがないよな」
「悪いね、帰るわ」


と言って、本当に帰っちゃう。


この遊びは面倒くさいので一度きり。
うひひ。

 

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