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回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

本編では書かなかったことが、
まだどこかに散らばったまま残っている。

若い頃の話もあれば、
中年になってからの出来事もある。
笑える日もあれば、
胸の奥が少し痛む夜もある。
時系列も関係なく、
ジャンルも統一されていない。
ただ、そのどれもが
“俺の人生のどこかに確かにあった時間”だ。
ここには、
こぼれ落ちた断片たちを
気ままに拾い集めた記録を残していく。

 

45歳、離婚と再出発と第二の人生

 

45歳で離婚し、西船橋で再出発した俺は、
要領よく、あっさり再就職も果たし、生活の基盤もすぐに固まった。
思った以上に順風満帆な滑り出しだった。


そこから俺は猛烈に生き始めた。
エーイチ、アッキョ、タケシと夜の千葉で暴れ、
ライブハウスで汗だくになって叫び、
朝はマラソン大会に出場し、
終われば打ち上げで酒を飲み、
夜はまたライブで大暴れ。


マラソン、トレイルランニング、トライアスロン。
全国を走り回り、走った先々で友人ができ、
呑み歩く仲間も増えていった。


飲み会では俺の経験値が生きた。
話せば人が寄ってきた。
自分で言うのもなんだが、妙に女にもモテた。


ある日は女とランニングしているところをエーイチに見られ、
「おお、おお、楽しそうにやってるな」と笑われた。


またある日は女と家で呑んでいたら、
エーイチが突然訪ねてきて、
「お楽しみのところ悪いね」と言いながらずけずけ上がってきた。

 

さらに別の日、別の女を連れてライブハウスに行くと、
エーイチが耳打ちしてきた。


「お前さ、ちょっとやり過ぎじゃないか。
走ってた女も、家で飲んでた女も、今日の女も全部別人じゃん。
ほどほどにしときなさいよ。いつか痛い目にあうぞ。」


そしてある日、
エーイチの言った通り、俺は痛い目にあった。


男女関係のもつれ。
裁判所からの呼び出し。
弁護士対応。
訴訟。
莫大な費用と時間。


笑いどころではないが、
またひとつ大きな経験値を積んでしまった。
わはは、って笑っておこう。