残像⑥市川りぶるから成田へ | 回顧録ーMemoirs of the 1980sー

回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

「りぶる」でじゃれあった帰りの市川真間駅。

エーイチがごく当たり前のようにホームから線路に向かって小便する。

アッキョも並んで連れション。

すると思った通りだぜ。

 

「おら、おら、おらぁーーー」

 

アッキョがエーイチに小便ひっかけようとしてるの。

エーイチも、

 

「やめろアッキョ」

 

とか言いながら反撃、

ホーム上で小便垂れ流しながら追いかけっこだよ。

酔っ払いの小便はなかなか止まらない…。

 

画像はイメージです(別の日の写真)

 

さて、各駅停車成田行きに乗り込む。

エーイチはシートに座った瞬間、意識不明、いびきかいて爆睡。

京成津田沼で乗り換えなきゃならんので、

頭はたいたり、ビンタしたりするのだが、

まったく起きる気配なしでいびきかいてやんの。

 

こうなるとどこまで本気で殴ったら起きるかなと思ってたら、

アッキョがニヤニヤしてさ、

 

「こいつでやっちゃうか」

 

って傘の柄でボカンって殴ったの。

それでもエーイチは一瞬

 

「いてーな、この野郎」

 

と言っただけで再び、いびきかいて爆睡。

すると調子に乗ったアッキョ、今度は傘の先の尖った金属部分で頭を突っついた。

そりゃやり過ぎだろと思ったが手遅れ。

当たり所が悪かったのか、いや、良かったのか。

 

頭から血がピューって噴き出した。

 

それでもエーイチはいびきかいて爆睡したまま。

 

「起きないもんはしょうがないよな、んじゃ後は頼みますよ」

 

って、アッキョの野郎、1人で京成津田沼で降りていきやがった。

 

津田沼から乗ってきた乗客が、

血を流して酩酊してるエーイチに「大丈夫ですか」って声かけて心配そうにしてた。

でも、俺も面倒だから知らん顔してほっといて実籾駅で下車、家に帰った。

 

画像はイメージです(別の日の写真)

 

翌日、エーイチから電話。

 

「昨日は参ったぜ、気がついたら成田だぜ、頭から血が出てるし、顔腫れてるし」

「何が何だかわからねぇけど警察に保護されて事情聴取されたんだぜ」

 

だってさ。

 

「そりゃぁお前が泥酔して覚えてないだけで、チンピラと喧嘩でもしたんじゃねぇの」

 

って誤魔化しておいた。

にゃはは。