エーイチとアッキョの関係は、
一言で言えば“危なっかしい幼馴染み”だった。
エーイチが暴走し、アッキョが巻き込まれ、
それでも喧嘩にならない。
そんな二人の関係は、
俺たちの青春の中でもひときわ強烈だった。
いつものように南行徳でバンドごっこをした帰り道。
ギターやベースが重たいってことで、
Dマートの前に置いてあったショッピングカートを拝借。
楽器を乗せてゴロゴロ押しながら、俺んちへ向かう。
しばらくするとエーイチが言うんだよ。
「アッキョ疲れたろ、俺が押すから乗れよ」
ギターとベースはクボタに持たせて、
アッキョをカートに乗せる。
この時点で何か企んでるのは重々承知。
でもアッキョは素直に乗るんだよな。
言ってみれば、エーイチはSでアッキョはMなんだよ。
最初は普通にゴロゴロ押してたんだけど、
家の近くにドブ川があるんだよ。
そこでエーイチ、いきなりスピードを上げて一直線。
「アッキョ死ねっ!」
アッキョは間一髪で飛び降りた。
カートはそのままドブ川へ転がり落ちていく。
ほんと手加減がない。恐ろしい。
飛び降りたアッキョは地面に転がって、
「痛てぇな、馬鹿野郎」
って立ち上がると、
手足が擦り傷だらけで血が出てる。
そこまでやられても喧嘩にならないんだよな。
まさしくSとM。
実はこの二人、幼馴染みでさ。
ガキの頃からお互いの家を行ったり来たりしてたらしい。
中学生の頃の話。
アッキョの家に遊びに行ったエーイチ、
アッキョが不在なのに勝手に部屋に上がり込み、
壁一面にマジックで絵を描いたらしい。
アッキョのことだから、
そんな程度じゃ喧嘩になるほど怒らない。
でも、ちょっとした仕返しはするわけだ。
エーイチの家にそっと侵入したアッキョ。
爆竹ひと箱丸ごと導火線を繋げて、
蚊取り線香の根元にセット。
これを3セット作ったんだって。
縁の下に仕掛けて点火すれば、
時限爆弾の出来上がり。
そして深夜——
目論見通り、大爆発に成功。
ところが当然のこと、
近所の家まで巻き込んで大騒ぎ。
「悪質ないたずらだ」ってことで警察まで来たらしい。
そりゃそうだよな。
こいつらと家、近所じゃなくてよかった。
画像はイメージです(似ても似つかぬイメージだけどwww)
