
家呑み(食い)主義
ほうとう鍋
キャンロクパーク三つ峠のオープニングイベントに行ったとき、
お土産で“ほうとう二人前”を二つもらった。
ちょうどYouTubeのキャン録メンバーが、
そのほうとうを使って“ラーホー”を作っていて、
つけ麺みたいにして食べていたのを見た。
それを見たら、もう試さずにはいられない。
まずは真似して、ほうとうでラーホーつけ麺を作ってみた。
結果は、まあ美味い。
ただ── ほうとう二人前は、あくまで“具沢山で煮込む前提の量”
だということを、俺は完全に忘れていた。
つけ麺にすると、麺量がどうにも心許ない。
食べても食べても腹が満たされず、
冷凍うどんを一玉追加。
それでも足りず、袋麺を一個追加。
ようやく“満腹”のラインに届いた。
この経験で悟った。
ほうとうは、ほうとうだ。 鉄鍋で具を山ほど入れて、ぐつぐつ煮込んで食べるのが正解。
そう確信した俺は、
旨いほうとうを食べるために、
Amazonで鉄鍋と木製のひしゃくを注文した。
届いた鍋を眺めながら、
「いつ食べよう、いつ食べよう」
と数日ワクワクしていた。
そして当日。
朝スイム、朝ジョグを終え、
乾ききった身体に水分補給すべく、昼の“ちょい呑み”を始めた。
……が、そこは俺。
ちょい呑みで終わるはずもなく、
そのまま夕刻まで呑み続ける結果となった。
16時ごろ、急に腹が減ってきて、
「ぼちぼち、ほうとう作ってくれ」
と家人に言い放った。
家人は
「えっ、私が作るの?なんで?なんで私なの?」
と、まあまあのオカンムリ。
しかし、泥酔にほど近い俺が、
ほうとう鍋を作るなんて現実的に不可能だということを悟った家人は、
しぶしぶ調理に取り掛かった。
俺はというと、
家人の怒りをこれ以上買わないように、
ほうとうを調理する家人の横から、
合間合間に写真を撮るだけ。
ところが最後の最後で地雷を踏んだ。
「せっかく木の蓋があるんだから、蓋をして煮込んでくれ」
と注文したのだ。
家人は即座に、
「ここはお店じゃないんだから。蓋なんかしたら吹きこぼれて大変でしょ」
と正論を履きやがる。
俺は渋々納得し、
出来上がったほうとうがテーブルに運ばれてくるのをじっと待った。
そして──
テーブルに置かれた刹那、
煮えたぎる鍋の上に木の蓋を“そっと”かぶせ、
雰囲気だけの“見せかけ撮影”を行ったのである。
蓋オープン。
わお、旨そうだ。
やっぱ、ほうとうはこうでなきゃな。
二人して興奮──
いや、興奮していたのは俺だけなんだけど(笑)
買ったばかりの木製のひしゃくも使い、
あっちち、はふ、はふ、ふー。
「旨い、旨い」と上機嫌で食べる俺。
その横で家人は、
「気楽なもんだ、ちっ」
と言ってそうな視線を投げてくるが、
酔っ払いパワーで華麗にスルー。
そして完食。
腹が一杯になり、酔いも限界に達し、
「寝る」
と言い放って立ち上がる俺に向かって、
「なんでだよ、片付けも私かよ」
と家人のお怒りモードが飛んできたが、
その声が耳の奥に届くことはもうなかった。
夢の中へ──
ああ、いい一日であった。






