
記憶の交差点
―初めてのファミレスで受けた洗礼、ラザニアの衝撃―
昭和55年頃だったか
成田街道沿、陸上自衛隊の前辺りにデニーズがオープンした
その頃、我が家の外食といえば中華料理屋の「五十番」
五十番のチャーシュー麺
それが一番のごちそうだったし、それで十分だった
そもそもファミレスがなんなのか、よく分かってなかった
デニーズ?ファミレス?なにそれ?って、そんな時代だった
ところが、中学1年のある日、クラスの奴が言ったんだよな
「デニーズ行ったことあるか、俺、昨日、行ってきたぜ」って
それまで、なんの興味もなかったんだけど
得意気に言われて、ちょっと悔しかったのを覚えてる
時は流れ、ついにデニーズに行く日がやってきた
中学卒業の記念に、クラスの仲間とデニーズでパーティーをやった
それが、俺にとって初めてのデニーズだった
当時のデニーズには、店舗の一部を貸し切れるパーティールームがあって
通常メニューにはない特別なパーティーメニューがあった
その中にあったんだよ
白い四角い大皿に盛られた
「ラザニア」
初めて見た、初めて食べた
ほんと旨かった、衝撃的な旨さだった
層になったパスタ、チーズ、ミートソース
熱々で、洋風で、なんだか映画の中の食べ物みたいだった
笑っちゃうけど、本当にそう思ったんだよ
あの一皿が、俺にとってのファミレスの原風景になったのは確かだ
今でも「初めてのデニーズ」と言えば
白い大皿のラザニアしか思い出せない
でもそれでいい
あの一皿が、俺の中の外食の地図を塗り替えたんだから
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