みなさん、こんにちは。
山口謙介です。
前回から『運動』をテーマに話し、
運動を楽しく感じさせるのが
大切だとお伝えしました。
つまり、
運動することへの動機付け。
運動へのイメージや
モチベーションなど、
気持ちの面でのお話でした。
本日は、運動能力向上に繋がる
技術的な側面から
お話していこうと思います。
本日の記事を最後まで
読んでいただければ、
間違いなく、お子さまの
運動能力は向上します。
それは、保護者の方々が
お子さまへのアドバイスの仕方が
お子さまに合ったアドバイスの仕方に
変化したことを意味します。
つまり、教え方が上手になったと
いうことです。
ですから、お子さまも
保護者の方々が意図することを
きちんと理解でき、
自分で納得しながら運動できます。
自分で納得するということは
自信を持って運動することになり
それは、お子さまのパフォーマンスを
より良いものへと変化させます。
自信があるから、
よいパフォーマンスができ、
自信があるから、
次を、先を目指そうとする。
結果的に、次のレベルに
挑戦しようとする
動機付けにもなるのです。
今まで苦手だった運動が
楽しいで終わるのではなく、
実際に自分で技術的な
レベルアップを感じるようになる
この能力的な達成感は、
他の面でも良い方向に働きます。
交友関係では、技術的に
お友達と切磋琢磨でき
運動が良いコミュニケーションの
手段となります。
勉強では、「ぼくは他にも
何かできるんじゃないかな?」
と視野を広げ、別の分野でも
何か挑戦するようになります。
家庭生活では、
できるようになったことを
保護者の方々に話し、
会話のバリエーションが増えます。
つまり、能力的な達成感は、
自己肯定に繋がり、
自分に自信が持てるように
なるのです。
しかし、反対に最後まで
読んでいただけない場合、
お子さまの自己否定は
急激に加速します。
それは、何故か……。
できないことが
できないままだからです。
何故できないのかは
もうお分かりかと思います。
保護者の方々の教え方が
お子さまには合っていない
からです。
お子さまに合わない教え方を
続ける保護者
合わない教え方で教わるが
当然できない子ども
できない子どもに
イライラし始める保護者
イライラし始める保護者に
怯えだす子ども
自己否定をし始める子ども
楽しかった運動が
楽しいものではなくなり
進んで体を動かそうとしなくなる。
そうすれば、また子ども同士での
重要なコミュニケーションの手段を
失うことになります。
また振り出しに逆戻りです。
コミュニケーションの手段を失う
ということは、
それは孤独やひとりぼっちを
意味します。
運動へのアドバイスの仕方を
理解していないだけで
できないどころか、孤独にまで
発展するのです。
孤独感からお子さまは、
次は、「学校が楽しくない」
とまで言い出す可能性もあります。
そのようなマイナスな感情から
起こりうる問題は、
不登校、非行、
犯罪………
少し大袈裟かもしれませんが
可能性としては、ゼロでは
ありません。
この記事を最後まで読むことで
お子さまへの適切な
アドバイスの方法を理解し
自己肯定を高めてあげるのか。
それとも、最後まで読まないことで
間違ったアドバイスを続け、
子どもの運動能力を高める機会と意欲を
なくさせるのか。
お子さまのこれからを考えるなら
是非とも最後まで
読んでいただきたいです。
本日も最後までお付き合いください。
さて、技術的な運動能力向上を考えた
アドバイスについてお話する前に
少し知っておいてもらいたいことが
あります。
粗大運動と微細運動
この2つの言葉をご存知でしょうか?
粗大運動とは、大雑把な動き。
言い換えれば、腕や足など
体全身の動きのことです。
ここでは、分かりやすく
『全身運動』と言うことにします。
微細運動とは、指先などを使った
細かい動きのことです。
これは、『細かい運動』と
言うことにします。
本日お伝えする内容には
この『全身運動』と『細かい運動』の
2つが大きな鍵を握ることに
なります。
それでは、本格的に
本日の内容に移っていこうと思います。
まず、保護者の方々が
アドバイスで意識していただくことは
『全身運動→細かい運動』
ということです。
意識していただくというよりは
確認といった方が
正しいかもしれません。
何事もそうですが、
何かを教えるときには、
『まずは大雑把に』『次に細かく』
が鉄則かと思います。
最初は、概要を掴ませて
慣れてきたら、細かい部分まで
教える、というものです。
確認というのは、この全身運動と
細かい運動の順番ではなく
それぞれの運動にかける
時間配分です。
ここから少し具体的な話をします。
順番は、全身運動→細かい運動
のままでいいのですが、
時間配分を通常のものとは
変える必要があります。
全身運動は、大雑把というくらいなので
あまり時間をかけず、
細かい運動にしっかり時間をかける。
通常の時間配分はこのようなもので
割合的には、
全身運動が3割
細かい運動が7割といったところです
しかし、発達障害の子どもに
この割合で教えていくと、
確実にできるようにはなりません。
発達障害の子どもには
全身運動が8割
細かい運動が16割
くらいで考えておくとよいでしょう。
おそらく、ここで
「いやいや、100%超えてるし…」
と考える方もいらっしゃるかと
思います。
確かに、超えてますが、
定型発達の子どもと比べると
このくらいで考えた方が
保護者の方々も心に余裕ができます。
この心に余裕ができることが
重要なのです。
なぜなら、人間は余裕がなくなってくると
焦ってイライラしたり
厳しい口調に変わったりします。
今回のケースでは、
定型発達の子どもは
全身運動が3割、
細かい運動が7割でしたね。
全身運動の3割に手間取る
発達障害のお子さまを見ていると
大人は無意識的に細かい運動の
7割を考えるようになります。
「全身運動でこれだけ大変なんだから
細かい運動になれば、
一体どれだけの苦労を
重ねないといけないんだ」
先の苦労を考えて、イライラし
子どもに八つ当たりしてしまう。
子どもは、できないなりにも
一生懸命やっているのにも
関わらずです。
大人の物差しで、
発達障害の子どもを計った結果、
大人はイライラし、子どもは怯える。
怯えた子どもは、
好きになりかけていた運動が
嫌いになり、できないことが
できないままとなるのです。
しかし、ここで時間配分の
割合を変えましょう。
大人も、発達障害の子どもの
物差しを持つのです。
全身運動に8割
細かい運動に16割
はじめから時間がかかることが
わかっていれば
はじめから苦労することが
わかっていれば
心に余裕を持って、お子さまと
接することができます。
発達障害の子どもには、
定型発達の子どもと同じ、
ましてや、大人と同じ時間配分で
考えないことが大切なのです。
発達障害の子どもには
全身運動でも難しく、時間がかかる。
細かい運動運動は、
さらに時間がかかる。
あらかじめ、その心づもりをしておき
心に余裕を持って、お子さまと
接していただければと思います。
それでは、最後に
今からやっていただきたいことが
あります。
次に、お子さまに身につけさせたい
運動を1つ目をつぶって
想像してください。
縄跳びや、鉄棒、かけっこ、
ボール投げ
どれでも結構です。
お子さまが苦手としているものです。
目をつぶって1つ
思い浮かべたら、
次は練習に苦労している
お子さまを想像してください。
想像することで、自分の中に、
「こんなところでつまずきそうだな」
「こんなところで苦労しそうだな」
と予測ができます。
この予測が心に余裕を生むのです。
そして、自分の想像したものとは
異なる苦労をお子さまがしていれば
それは、新たな発見です。
お子さまの新たな一面を知る
良い機会となるでしょう。
このようにして、あらかじめ
予測をし、心に余裕を持ち、
お子さまと接する。
とにかく時間と苦労がかかること
しかし、たくさん苦労した分だけ、
お子さまの得たものは大きくなります。
少しずつのステップアップを
お子さまと共に喜びながら
お子さまと接していただければと
思います。
最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。