気づいたら底の方に静かに沈んでいた

ずっとこの場所に横たわって

世界のことなど気にせずに

目を開けてはいるけれど何も見えず

目を瞑ればどこかの景色が浮かんできて

外で響く雨音が

あ〜雨音がとても久しぶりだなぁ


ぐっと口をつぐんでなにも主張したくないような気分でいた

私の奥底からはどんな気持ちも主張も生まれない

雨音と目の前の活字だけを感じる一日を過ごしたけれどさっきから

意識を向けると私の表面にふわりと浮かぶ言葉を掴むことが出来そうだ。と今、それを掬い取ってる

とはいえ、これは単に表面のふわりと軽いものだからなぁ。熱いものは奥の奥にまだ静かに眠ってる。眠っているものを起こす趣味もないから少しの間はこんな感じかしら。いやいや、きっとこんな世界に飽きたらまた心の奥は活発に動き出す

予定を全て壊した。全てキャンセルして新しく立てたけど。果たしてこれはどうなのかな。底にいる時に決めたことは有効だろうか。惜しいことをした気がするけれど。私はもう少し堅実に行きたいらしい。どこかの底みたいなこの部屋で目を瞑って腐海の底を想う。あの場所に横たわり、音を聴く、世界を想う。そんな気分を楽しむ。私、少しはこの世界の栄養になれてるかな。この世界の一部になれてるかな。手を繋ぎたくないわけじゃない。でも、抱きしめ合うとかは苦手だ。慰め合うとかも苦手だ。この場所は静かで心地よいけど。私は太陽が好きだからなぁ。外に出ればあの温かさを思い出してホッとする。ホッとしたいのに。太陽を見れない。そういう時もある。左足をグッとこの世界に沈めてる。さて、右足よ、君はどうする