不思議なほどに
見ていて飽きない
人がいた

あまり話すこともなく
二人きりで会ったことさえない人だった

なぜこの人が気になるのか
毎日のように考えた

それでも
わからないけど
気になるから
気になるのだな
と思っていた。

ある晴れた日
その人の笑顔を見た
空にある太陽よりも眩しくて
それが
きっと
恋に落ちた瞬間なのかもしれない

とは言っても
距離は縮まらず

いつのまにか
物理的にも
遠く離れることになった

それを知ったとき
悲しくて悲しくて
一生で一番悲しかった
どんなことよりも悲しかった


あまり
話したこともない人の
あの笑顔と
少しの日々に
こんなに泣くのはなぜなのか
自分でもわからなかった

それでも
距離さえ離れれば
忘れていく
そういうものだろう
今まで何度か経験した失恋を思い返して
納得していた
少しホッとした
もうこんなに悲しまなくていいんだ
きっとそのうち楽になる

悲しさも冷めやらぬ中
ひとり
高千穂を訪れた

友人を訪ねるついでだった

一度
天安河原に行ってみたかった

昔、テレビで見た
パワースポット

でもその時のわたしは
別になーんにも願いなんてなかった
もう好きな人は遠くにいる

その人の側にいる
それ以上の望みはなかったから

だから
高千穂神社にも挨拶だけ
お願い事なんてしてない

天安河原に向かう道

わたしは本当に霊感なんてないけど
あの橋を渡って
ふと川を見つめた時
そこにある光と空気に
なにかを感じた
それは単純に
あー神様っているのかもしれないなぁ

そんなもので

なにかを明確に感じたわけではないけど

きっとその時
そこには何かいたんだ

河原でお参りをして
たくさんの積まれた石をみる
わたしに積みたい願いはないけれど
ここに
彼への想いも置いていけばいいなぁ

そんな風に思った。

そして
よし帰ろう
と来た道の方へ振り向いた瞬間に
その人の顔が浮かんだ

びっくりした。
そんなことは初めてで
なんじゃこりゃ
と思った。

でも
それは間違いなく彼で
わたしは人の波を避けながら進み
これは
ここに残していくなよ
ってことかな
なんて
思いながら帰った。

それから
たくさん神社に行く

1つは体調が悪くてそれをどうにかしたかったこと
1つは神社に行くといつも何かあって、それを見たかったという興味
そして
1つはやはり彼との縁が繋がれば
と思ったこと

いろんなところを巡った
いろんな人に会った
いろんな経験をした

そんな日々の中
格段に体調が悪くなって
なにもかも嫌になった

どこかに行ってしまいたかった

家族も友人も好きな人さえも
ここに置いて
どこかに行きたくなった
携帯の番号リセットしてやろうと思った。
やっても良かったけど
しなかった

日本中を旅したいなぁ
なんてことを言ってた。
死ぬとかそんなことは一切思ったことがない。
一生で一度もない
絶望的な事実が目の前に現れた時でさえそれはない

どうやって生きていこうか
苦しみながら
わたしはいつも考える
そこに絶望はあるが

そこには同じく希望がある


引き寄せに出会って
考え方を変えることを知った
それはとても画期的で面白く魅力的であった

しかし
それは自分と真に向き合うことを避けて通れるものではなかった

願えば叶う

では
本当に自分が心から願ってるものはなんだ?
そう問いかけた時
必ず
何かが心の棘となり
何かが心の毒となり
気づかぬうちに
自分の本音を隠していた

何が正しくて
どうしたらいいのか
どれが正解で
どちらに進んだら幸せになるのか

まだそんなことを考えていた

悩んだ時
いつも神社に行った

どんな時も行った
わたしにとって
面白くてワクワクでそして癒しの場所であった

スピリチュアル好きな女はモテない
そんなコラムを読んで
一瞬倦厭したりもした

アホみたいだけど

周りの人によく思われたかった
好きな人に好きになってもらいたかった

好きな人に否定されるのは怖かった
本当に
本当に
本当に思ってることが言えなかった

そんな自分が嫌だった
だから
ずっと一人でいようと思っていた。

傷つくのは怖いし
悲しいし
わたし、泣くし

泣くのは家族の前だけ
しかもとても弱って弱って
どうしようもなくなった時だけ

とても迷惑な娘
だけど
そんなわたしを大切にしてくれる家族を
わたしは大切に出来ていない
ずっとそう思ってた

なかなか近づけなかった実家

体調を崩して
初めて
長いこと実家に帰った
最初は苦しかった。
一人になりたかった
でも途中で変わった
あれ?
わたし、ここが好きかも
と居心地がよくなった

ここが安心するかも
そんなことも思えた
だってわたしが育った家だもの
そうか
ここはわたしの家だった
私の家族がいるんだもの
バラバラでちぐはぐだけど大切な家族

帰った時には少しホームシックになった

病気になってよかったなと思った


わたしの本当の気持ちって

本当は?
本当は?
どんななの?

自分に問いかけた
30年以上持ち続けた思い込みたちを
少しずつ少しずつ溶かして
緩めて
自分の答えに耳を傾けた

夢は
その中でも
自分の言葉を聞く場所になった

お母さんに
愛して欲しいと
泣いて迫る夢を見た

時には
なんでおにいちゃんたちばかり
と怒って
怒鳴って
壁を叩いてた

好きな人も
よく夢に出てきた

わたしが想ってるから出てくるのかはわからないけど

夢の中では
彼の気持ちがよく伝わってきた

そんな日々を過ごして
いつのまにか
新しい土地に来た

それは
わたしの一歩だった
一歩一歩を
いつのまにかちゃんと自分で選んで決めるようになった

自分のために怒って喧嘩もした
反省もたくさん
冒険もたくさんした


逃げたいわけではなかった
そう言い訳させて欲しい


逃げるように跡にした場所での日々は
本当はわたしにとって
大切な日々で
そこには大切な人たちがたくさんいた

それを思い出すのに
自分を思い出すのに
一年ほどの時間を使った

記憶喪失みたいな自分は
とても
めんどくさがりで
役立たずで
わがままであった
バカだった


それもわたしであった

ダメな自分をとことん堪能した

でもそれの何が悪いのか
そんな風な吟味すらした

とにかく
自分に夢中で必死だった

友人達、かつて好きだった人も
どんどんと
家庭を築いていく中で
わたしはいつまでも一人だった

それでも
そこに
悔しさとか焦りはなかった
まあ、たまに
寂しいな
と思うことはあったけど


それでも
わたしには
わたしのペースがある
そう思ってた

わたしは
とことん自己肯定感が低くて
好きな人に否定されることが悲しかった
それは
友人も恋人も家族も全て
好きな人たち

だからね
そんなわたしのままならば
何度も同じことになるな
と思っていたんだよ。

だからね
わたしは自分と向き合うと決めたんだよ

大切な人を
大切にできる力が自分にもあると信じてみようと思ったのだな

誰かに大切にして欲しい
願うことばかりをやめたのだよ

大切な人たちは
私とともに喜んで悲しんでくれる
私が間違ってる時も伝えてくれるし
その後も
側にいてくれる
そんな人たちがいてくれたことに気づけたことも
これからもきっとその絆を大切にしていけることも
私は確信してる

私の人生の何も間違ってない
あの時
あーしてればよかった

そんな過去はない

そんな風に思った。

怖いことも悲しいことも嬉しいことも楽しいことも等しく私の人生自体が宝物だった。

かつていた
大切な人は
その人だけの大切な人をみつけたんです

それを知った時
悲しかったけれど

よかったね
って
何度も口から出たんですよ

よかったね
よかったね

あーそうか私は
誰よりもこの人の幸せを願ってたんだ
そんなことを改めて思って
私はなんて幸せな時間をもらったのか
改めて
その人のことが大好きになりました

蠍座は情が深いっていうでしょう?

蠍座はねきっと
たくさんの人たちからの愛情をたくさんたくさん蓄えて生きてるんだと思います。
もらったものを忘れないんですよ
だから
それをまた惜しみなく出せるんです
毒だけじゃないのよ

運命の人って
よく言うけれど

私に一歩をくれた彼はもちろん運命の人でした。
それは世界が
本当に
たくさんたくさんの合図で教えてくれました

私が私に近づくために
私が
私を愛するために
彼とは出会ったと思っています

いつも願ってたのは
彼が毎日、笑顔で過ごせるように

だったので
その願いも叶ったのではないかと思ってます。

そのお陰で
私も毎日を笑顔で暮らせています

この数年でたくさん運命の人に出会いました。
その全てが大切で
私はとても幸せです。

今ならば
どこにいても私は幸せだったのだとわかるんです
でも
一歩踏み出そう!と
ジタバタしたから
可笑しくて笑える可愛い私を
この世界にお見せ出来たようにも思います。

なぜ今更こんなことを書いてるかって?
それは
今夜
私の周りには優しい人がたくさんいて
私はとても幸せな人間なのだと
自慢せずにはいられなかったからです。

ありがとう

そして
やはり
みんなが
笑顔でありますように

いつも笑顔でありますように
私に出会ってくれてありがとう😊
愛してるよ