河井継之助にみるリーダーのあるべき姿
峠(上・下) 司馬遼太郎
を読みました。
私は司馬遼太郎が大好きなのですが、ここのところ忙しさにかまけて、読書がおろそかになっていたのですが、久々に読みました。
幕末に小藩である長岡藩のいち中級役人の長男として生まれた河井継之助は、30過ぎても江戸や諸国を遊学し、将来自分の力を長岡藩が必要とする時が来る。と確信し、自分が長岡藩に必要とされるときに備えて、見識を高め続けます。
やがて、継之助は長岡藩の筆頭家老になるのですが、結論的には長岡藩を戦禍に巻き込みます。
継之助の思想の根底に流れるのは、陽明学。自らがこの世に生まれた固有の用。それを全うするために己の人生を使い切る。
素晴らしい考え方だと思います。
己の使命を考え抜き、探し続け、その固有の用を知ると、その使命のために死をも厭わずに突き進む。
しかし、そのために自分の藩の人々を戦禍にさらしてもよいのだろうか?
経営に置き換えると、自分の信じるもののために、自社の社員を路頭に迷わせてもよいのだろうか?
と考えさせられました。
やはり、経営者は自社の社員を路頭に迷わせてはならない。社員を守ることが経営者に課せられた使命なのではないだろうか?
そんなことを考えさせられました。
しかし、男としては、正しいと己が信じる道を突き進む継之助の姿に強く惹かれました。