グロパー所長の税理士日記
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コロナ対策の実践事例

5月25日に政府が緊急事態宣言の解除をしました。

ただ、コロナが完全になくなったわけではなく、通常活動への入り口段階というところで、全国の移動の解禁は6月19日の予定とのことです。

大阪府・京都府・兵庫県で21日に緊急事態宣言が解除となり、23日0時から営業自粛の緩和がされ、通勤時間帯の電車の人も増えてきましたが、皆様の事業はいかがでしょうか。

さて、今日は弊所のお客様でオープンモール型(通路が建物の中ではなく、露天になっているタイプの商業施設)の商業施設に入居して飲食店を経営されている方の事例を共有したいと思います。

このお客様は、「この事例を共有したい」との申し出に快く「いいですよ」と許可してくださいました。

長くなりますが、ご容赦ください。

そのお客様はご多分に漏れず、コロナの影響で一時売り上げが激減されるのですが、いち早く様々な施策を積極果敢に取り組んだ結果、緊急事態宣言が解除される前に売り上げが回復し、前年比の売上がプラスに転じる日が出てくるまでにされ、コロナ禍が収束したのちにも売り上げが成長できる仕組みにできうる体制を作り上げられました。
この事例は他の業態の方にも共有することで参考にできる要素が多々ありますので、ぜひご参考くださいませ。

この事業者さんは3月に入って売り上げが落ち込み始めました。その時点で商業施設の施設長に働きかけ、施設に入居する飲食店がそれぞれテイクアウトのチラシを作り、施設全体として3千枚近隣住居等にポスティングされました。
そして、容器等の試行錯誤を繰り返し、お客様に喜んでもらえる容器と盛り付けを考案し、順調にテイクアウトを伸ばしていかれました。しかしながら、テイクアウトだけでは売り上げの落ち込みはまかなえず、アルバイトのシフトを減らすことでしのいでおられました。

4月に入り、施設内で弁当の販売を開始され、一日に100食を販売される日も出てきますが、まだまだ店内飲食の落ち込みをまかなうところまではいきません。
しかし、施設の賃料を減額してもらったり、人件費を抑える等徹底的に経費削減に取り組まれ、損益の落ち込みを最小限に抑え込むことに成功されます。

花見用のメニューを考案してチラシをポスティングし、デリバリー用のチラシをポスティングしたりとさらに2,500枚近隣住宅にポスティング。期間限定の酒販免許も取得し、テイクアウトのメニューに合うお酒の販売も開始。

このころから、デリバリーがしたいと検討を開始します。最近注目されているウーバーイーツや出前館の利用を検討しましたが、利用料が高く、売り上げが伸びても利益率が下がるため、利用せずに自前でデリバリーができないか考えることとされます。
そして、施設側に施設入居者共同で使えるデリバリー用のバイクを購入してもらい、地元商工会の補助金を活用しながらデリバリーの仕組みを整えていかれます。
施設を巻き込む形で、入居する他の飲食店と一緒に、自前でデリバリーする体制を整えられました。
最終的には、総数6,000枚のチラシをポスティングされたとのことです。
そうして5月1日よりデリバリー開始。この時にアルバイトが激減して困っている大学生を雇用し、配達要員として活躍してもらう場を提供できました。
施設側も何とか入居テナントを応援しようとバイクを購入し、ガソリン代も施設負担と、入居テナントと施設一体となって取り組んだ結果、コロナの影響を最小限に抑えることができたのではないかと思います。

テイクアウトが順調に売り上げを伸ばし、デリバリーの上乗せも貢献し、店内飲食と3本柱で前年比プラスの日が出てくるようになりました。

ここで、もう一つ重要なことがあるとみています。それは、このお客様は、以前から月々の会計の試算表だけでなく、自身でエクセルで日々の売上から食材費、人件費や固定費を日割りして、日々の損益を入力し、毎日作成しておられます。
つまり、日々の採算がリアルタイムに把握できるようにされているのです。そのことによって売り上げの減少がリアルタイムに把握でき、いち早く危機意識を持つことができ、素早く対策の行動ができたと思います。
また、自社だけでなく、施設に入居する他の同業者や施設も巻き込み、共に乗り切る方策を考え、実践することで、自社だけではできない仕組みをいち早く構築することができ、自社だけでなく施設の活気や売り上げの維持に貢献できた。
その結果自社もいち早く売り上げを回復することができたとお見受けしました。

いかがでしょうか。
この事業者さんは、売上が激減する状況下で必死に行動されたことで、コロナの影響がなくなり正常化した後も、店内飲食が正常に戻った後に、厨房を回せるかというオペレーションの問題はありますが、テイクアウトとデリバリーという販売手段を手に入れられたことで、店舗の席数×回転という売り上げの制限を取っ払うことができ、成長の仕組みを作られました。
この事例は飲食店だからできたんだという業種に限ったお話ではなく、どんな業態であってもピンチをチャンスに変えることができるという、希望をもらえる事例だと思います。

そして、数字をしっかり見る習慣を持つことが身を守ることに直結する事例でもあると思います。
コロナの影響は飲食店やサービス業で真っ先にきましたが、遅れて影響が出てくる業種もあり、一部業種を除いて広範囲の事業者さんが何らかの影響を受け、長期化することが予想されます。

しかし、必ず良くなる時が来ますので、その時に一気に飛躍できるよう一日一日できることを全力で取り組んでいきましょう!
この事例を共有することが皆様のお役に立てることを祈念いたします。

 

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