黄昏

 

渋つたほの暗い池のおもてで、
寄り合つた蓮の葉が揺れる。
蓮の葉は、図太いので
こそこそとしか音をたてない。

音をたてると私の心が揺れる、
目が薄明るい地平線をふ……
黒々と山がのぞきかかるばつかりだ
――失はれたものはかへつて来ない。

なにが悲しいつたつてこれほど悲しいことはない
草の根の匂ひが静かに鼻にくる、
畑の土が石といつしよに私を見てゐる。

――つひに私は耕やさうとは思はない!
ぢいつと茫然ぼんやり黄昏たそがれの中に立つて、
なんだか父親の映像が気になりだすと一歩二歩歩みだすばかりです

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深夜の思ひ

 

これは泡立つカルシウムの
乾きゆく
急速な――頑ぜない女の児の泣声だ、
鞄屋の女房のゆふべの鼻汁だ。

林の黄昏たそがれ
かすれた母親。
虫の飛交ふ梢のあたり、
舐子おしやぶりのお道化どけた踊り。
波うつ毛の猟犬見えなく、
猟師は猫背を向ふに運ぶ。
森を控へた草地が
  坂になる!

黒き浜辺にマルガレエテが歩み寄する
ヴェールを風に千々にされながら。
彼女のししは跳び込まねばならぬ、
いかしき神の父なる海に!

崖の上の彼女の上に
精霊が怪しげなるすぢを描く。
彼女の思ひ出は悲しい書斎の取片附け
彼女は直きに死なねばならぬ。

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冬の雨の夜

 

 冬の黒い夜をこめて
どしやぶりの雨が降つてゐた。
――夕明下ゆふあかりかに投げいだされた、しを大根だいこの陰惨さ、
あれはまだしも結構だつた――
今や黒い冬の夜をこめ
どしやぶりの雨が降つてゐる。
亡き乙女達の声さへがして
a※(アキュートアクセント付きE小文字) ao, a※(アキュートアクセント付きE小文字) ao, ※(アキュートアクセント付きE小文字)o, a※(アキュートアクセント付きE小文字)※(アキュートアクセント付きE小文字)o!
 その雨の中を漂ひながら
いつだか消えてなくなつた、あの乳白の※(「月+孚」、第4水準2-85-37)へうなうたち……
今や黒い冬の夜をこめ
どしやぶりの雨が降つてゐて、
わが母上の帯締めも
雨水うすいに流れ、潰れてしまひ、
人の情けのかずかずも
つひ蜜柑みかんの色のみだつた? ……

 

 

 

帰郷

 

柱も庭も乾いてゐる
今日は好い天気だ
    縁の下では蜘蛛くもの巣が
    心細さうに揺れてゐる

山では枯木も息を吐く
あゝ今日は好い天気だ
    路ばたの草影が
    あどけないかなしみをする

これが私の故里ふるさと
さやかに風も吹いてゐる
    心置なく泣かれよと
    年増婦としまの低い声もする

あゝ おまへはなにをして来たのだと……
吹き来る風が私に云ふ

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凄じき黄昏

捲き起る、風も物憂き頃ながら、
草はなびきぬ、我はみぬ、
とほき昔の隼人はやと等を。

銀紙ぎんがみ色の竹槍の、
みぎはに沿ひて、つづきけり。
――雑魚ざこの心をたのみつつ。

吹く風誘はず、地の上の
敷きあるかばね――
空、演壇に立ちあがる。

家々は、賢き陪臣ばいしん
ニコチンに、汚れたる歯を押匿す

 

               青空文庫

 

 

この当たり 自分にとって

まったく記憶のないところ

というか・・・

ひょっとしたら中也の詩集を読んでいないのかなあ

 

ということで感想が湧きません

 

 

腰痛を悩みながら

もっともっと小さいころから悩ませていたもの

それが

腹痛

便秘に下痢

そのせいか大腸は穴ぽこだらけ

大腸憩室が無限にあるそうな

以前ここから動脈出血して2回入院したことがある

痛みはないけど

治療は特になく

絶食と安静を約一週間

「もっと入院させてくれと」言ったら

追い出された

・・・

「治療も予防も特にありません 

取り立てて言うならば便秘をしない事でしょうね」

というアドバイス

 

退院後 見事便秘になりました(約一週間)

 

この名先生 内視鏡は県でもトップだけど

他は今一かな

でも未だに尊敬しています。

 

 

 

海月