Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2011年 .../著者不明
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Number 1013日号「エースの確執、その時マクラーレンは・・・・。チーム・マネージャー、ジョー・ラミレスの追想」



~最速のドライバーを二人抱えたが故、チームには新たな苦悩が生まれることとなった。反目しあう天才たちに等しく接した男が、最強タッグ崩壊の過程を振り返る。



というF1チームの記事が面白かった。

1988年と89年のF1は、マクラーレン・ホンダというチームが圧倒的に強かった。



ホンダが提供していた強大なエンジン・パワーとマクラーレンの傑出したシャーシー(車体)で、アイルトン・セナとアラン・プロストという二人の天才ドライバーを擁したチームは、88年に開幕11連勝を含む16戦中15勝(チャンピオンのセナ8勝・プロスト7勝)というF1史に残る金字塔を打ち立てた。


89年には、10勝(チャンピオンのプロスト4勝・セナ6勝)で連続優勝をした。


しかしながら、チーム状態はというと最悪の状態だったようだ。


セナとプロストは、チームメイトであるにもかかわらず、コース上で何度も接触している。89年の鈴鹿サーキットでの接触では、接触後、プロストはマシンを降りてリタイア、セナは完走して優勝したが、その後の裁定でセナはシケイン不通過で失格し、結局プロストが年間チャンピオンになってしまった。


「二人の天才の衝突はチームの分裂を招いた。」


「まったく同じマシンを使うチームメイトがチャンピオンシップのライバル。言い訳はできない状態で、二人とも集中してピリピリしていました。」(元ホンダ監督の後藤治氏)


「アラン・プロストとアイルトン・セナという稀代のレーシングドライバーを同時期に擁したマクラーレンの2年間は、はたしてF1チームとして成功と評価すべきものだったのか。


「確かに数字の上ではライバルたちを圧倒し、連続してタイトル独占を果たしている。


「しかし、ロン・デニス代表は二人の確執の前になすすべもなく、マネジメントは完全に破綻していた。」(記事からの引用)



なぜ最悪のチームで史上最高の成果を出せたのか?


最高のエンジンと最高のシャーシー、天才ドライバーがそろっていれば、チーム状態が最悪でも成果を出せるものなのだろうか。


ひとつには、セナとプロスト、どちらのドライバーもチームの状態が悪いから、チームメイトと仲が悪いからといって、自分の仕事のモチベーションが上がらないとか、チャンピオンを目指すという自分の目標がブレるとか、そいういうことは全くなかっただろう。


また、チーム内の他のスタッフたちもチーム状態が悪いから、自分の仕事の成果の質を下げるということもなかったのだと思う。


もしかすると、天才は、最高のモノを要求するが、チームワークは必要としていないのかもしれないし、例えチームワークがあってもそれを破壊していくのも天才なのかもしれない。


この記事が示唆するのは、最高の品質や最高の人材がいれば、チームワークに頼らなくてもいいという1つのアンチテーゼだ。


普段、チームワーク向上やチームビルディングをやっている人間が、そうでない事例を知っていることは有益なことでもある。