今日、研修の中でディスカッションをしているときに、こんな意見が出た。
「いかに部下を効率的に育てていくか」
残念ながら、教育は効率では計れない。
教育を商品として捉えてしまうと、いかに「安く・早く・うまく」やるかというワナに陥ってしまう。
つまりいかに最小限の努力(INPUT)で、最高の成果(OUTPUT)を得られるかというワナにハマるのだ。
だいたい、1つの分野に精通し、専門家といわれるレベルに到達するには、3000時間の経験が必要と言われている。
さらにその分野について書籍を著したり、権威と言われるようになるには、1万5千時間。
そして、達人と言われる域に達するには3万時間が必要である。
しかしである。
「すぐに○○できる」とか、「たった1日で○○できる」、「たった3時間で成功できる」などという一見簡単そうなノウハウが、最近流行っている。
書店をのぞいても、そんなタイトルの本が山積みなっている。
教育の専門家から言わせると実にバカバカしい話だ。ナンセンスの極致である。
経済を語りたいなら、キャッチーなノウハウ本でななく、サミュエルソンを読め。マルクスを読め。シュンペーターを読め。
システム思考の法則にもあるとおり、「安易な出口は、通常もとの入口に戻る」のだ。
安易なノウハウでうまくいった人間は、次にさらに安易なノウハウを求める。麻薬と同じようなものであり、依存性があるのだ。
安易なノウハウ・解決策とは、つまり努力を必要としない、時間のかからないことであり、人間的な成長とは真逆の方向に向かうということだ。
人間は、時間をかけてまわり道をし、理不尽な仕打ちや痛い思いを消化し、苦痛を乗り越え、成長する。努力が必要なのだ。
私としては、安易なノウハウを求めず、真に成長するために悪戦苦闘、四苦八苦している人間を微笑みをもって、見守りたい。