- 3つの原理―セックス・年齢・社会階層が未来を突き動かす/ローレンス・トーブ
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未来予測本でもあり、これまでの人類の歴史を3つの原理によって解釈しなおす歴史書でもある。
なぜ、草食系男子が増え、なぜスピリチュアル・ブームがとどまることを知らず、なぜ教育ビジネスやカウンセリングが伸び、同性愛や不倫が増えているのか、なぜ中国が台頭してきているのか、アメリカの衰退の原因は何か、これから繁栄する地域はどこかなどを見事に説明している。
3つの原理とは「性別」、「年齢」、「社会階層」とし、これらの原理が人類がこれまで経験した歴史に密接に関わっていると説明している。
例えば、太古の昔、人類が狩猟採集生活をしていた先史時代は、自然との調和や協働や愛、融和、慈しみなどの「女性原理」が社会を支配していた。
ところが、徐々に「男性原理」にシフトした社会は、争い、卓越、白黒をつけるということを尊び、隣の部族との戦闘に勝つこと、隣の国と戦争し征服することが大きな価値になっていた。
現代は、「男性原理」から「男性原理」と「女性原理」を統合した「両性」の時代へと向かっているという。だから、ユニセックスや草食男子、同性愛などが増えてきているのだという。
また、「社会階層」は大きく、「宗教・精神の時代Ⅰ」⇒「戦士の時代」⇒「商人の時代」⇒「労働者の時代」⇒「宗教・精神の時代Ⅱ」へと変遷しているという。
日本で言うと先史時代から弥生時代くらいまでは、「宗教・精神の時代Ⅰ」、それから「戦士の時代」になり戦国時代を経て、江戸時代に「商人の時代」を迎える。明治維新を経て、大正時代くらいから「労働者の時代」に入り、今はちょうど「宗教・精神の時代Ⅱ」の入り口であるという。
世界的に見ると、大航海時代で「戦士の時代」のピークを迎え、「商人の時代」に入り、イギリスの清教徒革命やフランス革命、アメリカの独立戦争・南北戦争など、いわゆる「ブルジョワ革命」を経て、戦後はアメリカが最も「商人の時代」にフィットした国として最も繁栄した。
また、1917年のロシアの社会主義革命を期に「労働者の時代」が発展し、2030年ころまでは中国・日本・韓国・台湾・香港などの東アジアでピークを迎えると予想している。
そして、1979年にイランで起こったイスラム革命から発展段階に入った「宗教・精神の時代Ⅱ」は2050年ころにアフリカでピークを迎えるとも予想している。
考えてみると高度成長時代からバブル崩壊までの日本の繁栄は、「労働者の時代」の先頭を行く事象だったのかもしれない。現在は、中国にシフトしてしまった感があるが・・・。
我々が考えなければならないことは、現在は「労働者の時代」から「宗教・精神の時代Ⅱ」への過渡期であり、価値観やライフスタイルがどんどん「宗教・精神の時代Ⅱ」へと流れていっていることだ。
それをヒントに新たなビジネスのあり方やビジネス・モデル、新たな組織のあり方や働き方を考えていかなければならない。
「宗教・精神の時代Ⅱ」だからこそ、スピリチュアルが流行るし、カウンセリングや教育に関心が高まってきている。
カウンセリングや教育というのは、新たな時代のシャーマン、すなわち霊感や呪術、予言や知恵によって指導する者にふさわしい仕事なのだろう。
ただ、霊感や呪術といっても今までとは違うもっと新しいスマートな形になるだろう。
そういうトレンドから見ると、コーチやカウンセラー、セミナー講師になりたい人が急激に増えてきたことも納得できる。
逆に言うと、自分の村や宗教(コミュニティ・手法)を上手に作って、そこでシャーマンになりきるということが、新たなマーケティングの手法になりつつあるのかもしれない。