昔、あるコーチングを受けている際にコーチからこんなことを言われた。


「それを達成したら何か自分にご褒美をあげたらどうですか?」


私は、ご褒美は人から功績を認められ頂戴するもので、自分で自分にご褒美をあげるほど、思い上がった人間ではないと感じた。その当時は“ご褒美”という語感からそういうニュアンスで受け止めていた。


で、その質問をしばし考えてから、こう答えた。


「自分にご褒美をあげる習慣はありません。」


そのコーチがどう反応したかはもう覚えていないが、何ともつれないクライアントだったものだ。



「それを達成したら自分にどんなご褒美をあげますか?」という質問は、コーチングのテキストに載っている典型的な質問かもしれないが、クライアントによってはそのまま使うと誤解を生んだり、通じなかったりする。


誤解を生まないためには、なぜそれが必要なのか、どんなものなのかを説明し、理解してもらわなければならない。


私がコーチだったら、「自分で自分にご褒美をあげるなんて、少し変な感じがしますが、最近の行動分析学の研究によると“ご褒美をあげる”ということで、行動を促したり、継続することに効果があるのです。目の前にニンジンを自分でぶら下げるんですよ。」といった説明を加えるだろう。


会議のファシリテーションやチームビルディングの場面でも、質問やアクティビティだけでは乗り切れない。


なぜこれを今やる必要があるのか、どういう位置づけなのか、どのように進めるのかということを説明できないといけない。


ファシリテーションにおいても、質問集をすべて覚えようとするよりも、いくつかの質問を使いこなせるようになってからレパートリーを増やすほうがいいと思う。


自分が発した質問で、クライアントがキョトンとしていないか、振り返ってみよう。