あるファーストフード店で、遅い昼食を取っていると、隣のテーブルのオバサンがいきなり話しかけてきた。しかも怒り口調で。

「煙たいわね!あなた・・・・、ではないわね・・・。」(いきなり犯人扱い??)

「禁煙席なのになんで、こっちに煙が来るの!?」

そういえば、煙がこちらに流れてきている。

「あ~、入口の自動ドアが長く開いてると、空気の流れが変わって、煙がこっちにくるんですよ」と優しく教えてあげた。

オバサンは、こいつは人の話を聞いてくれるいいカモ(?)だと判断したのか、それから30分以上にわたってオバサンの不平・不満を聞かされるハメになった。

暴走族に卵を投げつけられて高いコートがダメになっただの、パート先の中華料理店の厨房で、排水溝に落ちてケガして、ズボンもいくら洗っても臭いが落ちないだの、この年ではどこも採用してくれないだの、次から次へと不平不満をまくし立てる。その間ずっとニコニコしながら、あいづちを打ったり、驚いたりしていたが、オバサン、ますます調子に乗ってまくし立てる。

 最初は、元気づけるために、

「そんなことないですよ。きっといいことがありますよ。」

と言ったが、間髪を入れず、

「そんなことないわよ!」とオバサンは叫んだ。

 

そのネガティブな考え方が、全ての不幸を招いているようにも見えた。

オバサンのマシンガントークの間隙をつき、もう一度「そんなことないですよ。きっといいことがありますよ。」と繰り返した。

少し間があって、「そんなに都合いいもんですか。」と返ってきた。

こうなったら意地だ。

さらに、「そんなことないですよ。きっといいことがありますよ。」と言ったら、オバサンも話し疲れたのか、ひと呼吸おいてから

「そうかも知れないわね」

と、初めて笑顔を見せた。

あまりにしつこく言われるから、そう言ったのか、本当にそう思ったのかはわからないけれど・・・。

とにかく、オバサンは笑顔で帰って行った。

バイバイ!やっと静かに考え事ができる・・・。