(前回からの続き)
タクシーを降りた瞬間、ドアマンはこう言った。
「いらっしゃいませ、三宅様」

「・・・・?」(聞き間違いかな?このホテルに泊まるのは2回目だし、覚えているわけないもんな。)
荷物をフロントまで運んでもらって、フロントの人にまたこう言った。
「三宅様がお着きです。」(ドアマン)
「いらっしゃいませ。三宅様、お待ちしておりました。」(フロント係)
「・・・・・」(えっ、やっぱり聞き間違いちゃうやんか。何で名前知ってねん?しかも割引クーポンかネット経由の格安プランでしか泊まらへん「せこい」客やし・・。)

怪訝に思いながら、チェックインを済ませ、エレベータの中で荷物を運んでくれているベル・ガールに聞いてみた。
「さっき、ドアマンが名前を呼んでくれたけど、顔を覚えてるのかな?」
「お客様、当ホテルはよくご利用されていらっしゃるのですか?」
「いいや。2回目です。」
「お荷物に名札とかが付いていませんか?」
「付いてないよ。不思議やね。」

その後、ずーっとタクシーで着いてから降りるまでを思い出していて、ふと気がついた!

わかった!

お釣りを待っている間、ずーっと財布を開けた状態で持っていたので、おそらく財布に入れていたフィットネスクラブの会員証かクレジットカードに書いてあった名前を目ざとく読み取ったのだろう。

うーん、恐るべし。そこまでさせる教育とそれを実行するドアマンのプロフェッショナルなマインドに感動した。そのさりげない声かけが、割引クーポンか格安プランしか使わない「せこい」客の興味を呼び覚まし、「もう一度泊まってもいいかも」などと思わせているのだからたいしたものだ。


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プロフェッショナル(前編)