ある年の年末のお話。



街はクリスマス一色。
(妖精さんは、そんな人内を横目にしております(- -))

某コンビニの店員さんたち。
皆さん、コスプレしていらっしゃいました。

トナカイの着ぐるみはどうであれ。
天使の格好をしたお姉さま。
・・・
胸元がセクシーすぎます(>_<)(爆)

(妖精さん、ドキドキだそうです(- -))

レジ打ってもらいながら、目のやり場に困りました。
・・・見てました(*>_<*)(照)

では♪
 



「サンタクロースのひみつ」

あまぁいイブを過ごしているはずのスナ。
なぜだか、皿洗いをしております(- -)

ムオリ「スナちゃん、こっちもお願いね」

スナ「はぁい!ただいま!!」

ムオリ「こっちもいいけれど、プレゼントの中継、忘れないでね」

スナ「もちろん、忘れはしません!!お任せあれですよ!」

ムオリ「スナちゃん、ホントに用事なかったの?私たちは助かるけど」

スナ「クリスマスに乳繰り合ってる妖精なんざ、いませんよ!!(涙)」

ムオリ「荒れてるのね」

去年、一昨年と足りないトナカイの代わりにソリをひいていたスナ。
今年はクリスマスの裏方です。

時折プレゼントの中継をしながら、差し入れや、パーティ準備をされている、サンタさんの奥様ムオリさんのお手伝いをしております。

えぇ、妖精さんにあまぁいクリスマスなんざないんです(泣)

妖精界で一二を争う皿洗いの名手スナ。
今日は活躍です・・・(涙)

(料理の出来ない妖精さんは肉体労働です(- -))

人間の皆様はご存知ないかとは思いますが、サンタさんやトナカイさんの他に数多くのスタッフ(妖精)がこの日を支えております。

大きなソリとはいえ、プレゼントの乗る量は限られており。
お手伝いの妖精さんたちが、あちらこちらの中継地点で、やってきたソリにプレゼントの積み込みをするわけです。

それが24時間ぶっ通しで続くわけです。

ソリに乗ったサンタさんや、トナカイたちの優雅さとは別に。
裏側では、罵声怒声奇声悲鳴が飛び交っております。

なんて話は夢がないので、いったんポイッとして(笑)

スナ「ムオリさん、前から思ってたんですけど」

ムオリ「なにかしら?」

スナ「サンタさんってけっこう報われませんよね」

ムオリ「どうしてかしら?(^ ^)」

スナ「だって、子供たちにプレゼントをあげるのは寝ているとき。
朝、プレゼントに気づいた子供たちの笑顔を見ることは出来ないわけでしょう?

さびしくないのかなぁって」

ムオリ「(^ ^)」

ムオリさんはこんなお話を聞かせてくれました。

スナちゃんはサンタクロースから、全ての子供たちにプレゼントを配ることは出来ないこと、聞いたでしょう?

過去記事:夜話「サンタクロースからの伝言」

 


だからそれぞれの親にサンタクロースのお仕事をお任せしている。

あれにはね、もう一つ、理由があるの。

毎年、毎日、サンタクロースには沢山のお手紙がくるわ。

すべてのお手紙に答えられるわけではないし、お手紙に書かれているプレゼントを用意できるわけではないの。

サンタクロースは、

お手紙からその子を知り。

お手紙からその子を想う。

その子の幸せを願い、

その子の笑顔を想い、

プレゼントを決めるのよ。

サンタクロースが配るプレゼントは、一つ一つ、それを受け取る子供たちを想って選ばれるの。

サンタクロースだって子供たちの笑顔はみたいはずよ。

でも、一人でも多くの子供たちに配るためには留まれないの。

確認することは出来ない。

だからこそ、必ず笑顔になってもらえる、そんなプレゼントを時間をかけて選ぶの。

それにはとっても時間がかかるの。

それこそ、一年でたった一度きり。

一年がかりで、一日で配れる量しか、選べないのよ(^ ^)

今まで。

一年に一度きりの仕事で楽だなぁなんて、思っていたスナ。

大いに反省であります。

今日の一日のため。
この一年がある。

とても重い言葉でした。

ムオリさんは最後にこう付け加えられました。

毎年、クリスマスを待ち望む声があり。

毎年、クリスマスに色めく世界がある。

それが、直に確認は出来なくとも。
子供たちが笑顔であったこその証明なのだと。

子供たちの親や親代わりの人でも。
恋人や友人であっても。

サンタクロースの代わりにプレゼントをする。

それはプレゼントを受け取る方の幸せを願い。
その方の笑顔を想うこと。

"サンタクロース"や"クリスマス"を通して。

>幸せになって欲しい。
>愛している。

そんな想いを伝える日なのかもしれません。

一年に一度。

子供であれ、恋人であれ、友人であれ。
笑顔を想い、選ばれるプレゼント。

笑顔を想われ、頂いたプレゼント。

ステキです♪

余談です。

人間のサンタクロースさんには本物にはない喜びがあります。

プレゼントを受け取った方の笑顔が見られる。

それはサンタクロースが望んでも得られない。

あなたたちの特権やもしれません。

今朝。

世界が数え切れないほどの笑顔で満たされていることを願い。
世界が数え切れないほどの笑顔を見つめる方がいること願い。

妖精さんからも、メリークリスマス♪
 



・・・さて

残りの皿を洗います(>_<)

(それ終わったら、お酒の買出しだそうです(- -))

ムオリさん、わりと人(妖精さん)使い荒いです(>_<)

 


毎年、妖精さんたちはこの時期はいわゆる大イベントのために忙しく動き回ります。

一年で一日の日のため。

アレの手配、コレの手配、ソレの手配、ドレの手配?

とりあえずは後は当日だ!と準備も整ったころ。

いまだ忙しいサ○タさんたちに許しをえて、妖精さんたちで前夜祭へと繰り出しました。

その時のお話を。

 


 

 

「マスター!いいか!サンタなんてものはいないんだよ!」

「お客さん、呑みすぎですよ」

「子供の役目は勉強なんだよ、非現実的なものにうつつを抜かしている場合じゃないんだ!」



カウンターに座る客がいつまでもうるさい。



「ま、あれね。私ら妖精さんらのテーブルの近くでいい度胸よね」
一緒に呑んでる"その人"は言う。

声に怒気が混じってる。

いわゆる来る日の大一番に備えて。

妖精さんたちの前夜祭。

揉め事は起こしたくない。


「まぁまぁほっときましょうよ」

いちおう止めてみる。

こんなもので止まるわけもないと知りながら。

まわりの妖精さんもなかば諦め顔に。

案の定、"その人"はカウンター客のもとへ。


「あんた、サンタさんがいないって言った?」

「なんだい君は」

「"いない"って言ったのか聞いてんの」

「なんだその話か、いないに決まってるだろ」

「アタシらの目の前でいないなんてよく言えるね!」

マスターは迷惑客が増えて困っている。

妖精さんたちは下を向いて困っている。


「君はなんなんだ」

「妖精だよ」

「ヨウセイ?」

「アタシのことはどうだっていいんだ。なんでいないって言いきれるのさ」

「いるわけないじゃないか」

「だからその根拠はなんだか聞いてんだよ!」




「・・・僕はプレゼントをもらったことがない」




・・・

マスターは苦笑い。

妖精さんも苦笑い。

"その人"も苦笑い。


「それが理由?」


「そ、そうだ、あんなものはみんな親が用意しているんだ」


「あんた、常識が足りないねぇ」


ヨウセイさんが常識を問う。


「世界にどれだけの子供がいるとおもってんだい。

この日本だけだって約1300万だよ?

あんたが子供の頃だってサンタさんだけで回りきれる数じゃない

そんなこともわかんないのかい?」


ヨウセイさんが数字をあげて理屈を説明する。


「クリスマスにプレゼントを贈る。

それはサンタさんだけの役目じゃあない。

子供を想う"人"の役目でもあるのさ

サンタさんが回りきれない分、適した"人"がその役目を負うこともあるのさ」


「で、でも・・・」


「あんたホントになにももらったことがないのかい?」


「・・・参考書がおかれていたことがあった

でも、あんなものはプレゼントじゃない

サンタが参考書なんて用意するわけないだろ」


"その人"がニヤリとする。


「親子そろってバカだねぇ」


「失敬な!バカとはなんだ!」


抗議に力が入っていない。


「馬と鹿の区別がつかないやつを馬鹿っていうのさ。

馬鹿おやじはわかんなかったのさ。

なにを贈っていいんだかね。

子供が何を欲しがっているのかわからない。

子供に何を贈っていいんだかもわからない。

無い知恵絞って、あんたのために用意したのが参考書さ」


「・・・」


「目をつぶってごらん」


「な、なんで」


「いいから、言うとおりにおし」


憮然とした表情のまま目を閉じる。


「あんたの子供の顔を思い浮かべてごらん」


「・・・」



「その子は笑っているかい?」



「・・・・・・」



「誰でもがサンタの役目を負えるわけじゃない

子供の笑顔を求める者だけが任せられるのさ。

あんたの瞼にうつるその子を笑顔にする。

そのための"プレゼント"を用意出来るなら。

なにより、その気持ちがあんたにあるのなら。

サンタさんは喜んであんたに任せるはずさ」


彼は目を閉じたまま動かない。

瞼にうつった子供の顔が笑っていなかったことにショックを受けているのやもしれない。





「馬鹿な客のせいで酔いがさめた、明日も早い、帰るよ」


短気な妖精さんのせいで、みんなも酔いがさめた。

なんてことは間違っても口に出さず、他の妖精さんも席を立つ。



「もう一言だけ」


"その人"を見る彼はもはや従順な犬のように大人しい。

彼を睨んだ"その人"が言う。


「あんたのオヤジのように気持ちだけで終わるんじゃないよ。

参考書なんてわかりづらいもんもなしだ。

あんたの子供が誤解したまま大人になって、あんたと同じことぬかしてたら今度はビンタがとんでくよ」


「・・・わ、わかりました」


「親子三代で相手するのは勘弁しておくれよ、ケン坊」


「・・・え」





余話です。


「いやぁ姐さんのタンカはいつ聞いても痺れますねぇ」


機嫌が悪くなっては困る妖精さんが一生懸命もちあげる。


「彼のことご存知だったんですか?」


「クリスマスのプレゼントに参考書贈る"サンタさん"は珍しいからね。

どこかで見た顔だと思っていたけど、途中で確信したのさ」


「…親子そろって酒場で愚痴ってたわけですね(- -;)」


「参考書が悪いわけじゃない。

子供のためを想って贈ったものならね。

ただね、子供に誤解されてちゃもったいないのさ」





今年。

サンタクロースの代わりをされるあなたへ。

代わりと言ってもちゃんとルールを守っていただかねばなりません♪



1 こっそり忍び込む
 
2 子供が寝ているのを確かめる
 
3 プレゼントを枕元に置くか・靴下に入れる
 
4 サンタ用にお菓子が用意されていれば、頂戴する
 
5 寝顔にニッコリ微笑みかけて「メリークリスマス♪」
 
6 起こさぬように、こっそり出て行く



お忘れなきように。

 

 

 

 

焚火の火は、ちいさく揺れていました。

ぱち、ぱち、と。
夜の森に、音だけがほどけていきます。

迷いの森に来た淑女は、火から少し離れて腰をおろしました。

手を伸ばしかけて、引っ込める。
あたたかさに惹かれるのに、近づききれない仕草でした。

スナフと名乗った者は隣に座り、カップをひとつ、黙って差し出しました。

「ねえ……」
淑女は、焚火ではなく、自分の胸のあたりを見つめて言いました。

「わたし、言い返さずにはいられなかったの」

「間違ってると思った。許せなかった。だから、正したかった」

「でも、言葉を返した瞬間から、相手は聞く耳を失ったみたいで」

「気づいたら、わたしも相手も、どんどん強くなって」

「最後には、何を守りたかったのかも、わからなくなってた」

「……正しいはずなのに、どうしてこんなに、苦しいんだろう」

焚火が、ぱちり、と鳴りました。
スナフは何も言いません。
ただ、カップの取っ手が熱くない位置にそっと向きを変える。
それだけで、今夜の森は少しだけやさしくなります。

スナフは焚火を見つめたまま、静かに言いました。

こんな言葉があります、と。

 


 


「火を以て火を救う」

ここでいう火とは、言い争い・喧嘩・対立・戦争…そういうもの。
人と人のものから、国と国、人と自然まで、いろいろです。

言葉の意味は、
火を消そうとするのに、火を用いること。

火で火を消そうとする。
はい、消えるわけありません。
はい、余計に燃え広がります。

ネットでもよくあります。
火(中傷)をもって火(中傷)を消そうとして、炎上。
(字のまんまですね)

普段の生活でもあります。
小さな種火のようなものが、
言葉を交わすたびに大火に。


かの人は言いました。
「自分が返そうとしている言葉が、火の要素を含んではいませんか?」

 

 



淑女はカップを両手で包み込みました。
「火の要素……」

スナフは頷きました。

「生活の中で、人との関係の中で、火が起こること多々あります」

「そんな時、それに対するあなたの言葉、行為」

スナフは、言葉を選びながら続けます。

「その言葉に相手を傷つける要素があるなら、それは火かもしれません」

「その言葉に相手への配慮が足りないのなら、それは火かもしれません」

「火を消そうとして、火をかける」

「いずれは大火に」

淑女は、目を伏せました。
頬の熱が引かないまま、それでも少し、呼吸が整っていきます。

「強すぎる火は、相手だけでなく、自分も、まわりも、灰にします。
 だからこそ、慎重に言葉や行為は選ばねばならぬのかもしれません」

「どうしても、避けられぬ火もあるやもしれません。
 火が必要であることもあるかもしれません」

スナフは一拍おき、焚火の中心を見て言いました。

「しかし。せめて小さな内に、収縮できるよう。
 努力し続けることは必要かもしれません」

 



淑女がぽつりと言いました。
「じゃあ……火を消せるのは、なんなの」

スナフは、すぐには答えませんでした。
代わりに、カップの湯気を指で辿るように見つめてから、言います。

「火を消せるのは、なんでしょう」

「それを“水=潤い”とするなら、火がつきにくく
 多少の火など、消してしまえるかもしれません。」

「心がいつも潤っている人
 どんな火でも消してしまえる人かもしれません」

淑女は少しだけ肩をすくめました。
その仕草が、さっきより柔らかい。

「ついでに」

スナフが、ほんの少し口元を緩めます。
「火ではなくても、油でもいけません。
 火に油を注いだら……(- -;)」

淑女が初めて微笑みました。

 


 

淑女は、カップをひとくち飲みました。
肩が、すこし下がります。

「わたし……
 返そうとしてた言葉、たしかに刺さってた。
 相手を変えたいって言いながら、ほんとは……勝ちたかったのかも」

焚火は、揺れました。
淑女の目が最初よりも和らいでいるように見えました。

 



余談です。

今も、世界のどこかで戦争が続いています。

兵法書「孫子」にこのような言葉が出てきます。

『百戦百勝は善の善なるものにあらず』

戦争が大火であるなら、それは何も生み出さず。
火は強すぎれば、すべてを灰に変えてしまいます。

戦争になってしまった時点で、勝っても負けても、善にはならず。
戦争をせずに、目的を達することこそ、善。

種火が大火になるまえに。

消す努力、消す手段、回避する方法、模索することが上策なのかもしれません。