「米油」が危険と言われる理由
オリーブオイルが、急激な値上げと品薄で大変。
円安に現地の干ばつが追い打ちをかけて、超高値になっています。
そんな中で最近、食用油売り場では「米油」が急に存在感を増してますね。
スーパーに行くとオリーブオイル置き場が縮小されて、米油のスペースがドーンと大きくなっている。
ちょっと目立つ場所を設けて、米油がケースごと重ねて売られていたりします。
ビタミンEがたっぷり、栄養豊富な米糠からとった「米油」、原材料も国産。
それだけ聞くと、確かに米油の印象はすごくいい。
きっと売れているのだろうね。
オリーブオイルも胡麻油も抜いて、売り場での地位が急激にアップしています。
糠の独特な臭みもなく、軽くて美味しいらしい。
揚げ物なんかも、カラッとうまく揚るらしい。
私もひとつ買ってみよーかなー、なんてちょっと惑わされるけど。。。
うーん、やっぱりやめておこう。。。
だって、「米油」はほとんどが精製油だものね。
あの強力な溶剤「ヘキサン」が使われているんだよね。
一番搾りなんて書いてある圧搾油もあることはあるけど、取扱い店は少ないしかなりの高級品。
けっこうお高かったりするから、値上がりしたEXVオリーブオイルの代用にはならないし。
それに、一番搾りといっても高温で圧搾していればトランス脂肪酸の心配はある。
糠から油を絞り出す工程は、オリーブの実を絞るように単純ではないはず。
米糠はすぐに腐る性質なのに、米油は酸化しにくいって言うのだから、そりゃもうきっとスゴイ高熱を加えているんだろう、と想像する。
糠の匂いを取り除くためには、脱臭剤が使われてるはず。
ヘキサンだけでなく、色んな薬剤が使われていることだろう。
原料から製品までのプロセスを想像することって、大事ですよね。
製品になってしまうと、目や鼻では確認できなくなってしまうから、頭を使って考える。
原料の知識があれば、加工が容易かそうでないかぐらいはわかるもんね。
化学薬剤をバンバン使って加工に加工を重ねて、原料の栄養分なんてスッカラカンで全く残ってないなんて物はザラにある。
原料が体に良くても、加工過程で体に悪くなってしまう食品は多いからうっかり惑わされないようにしないとね。
エキストラバージンオリーブオイルの素晴らしさは、全く加工を施していないところにある。
オリーブの実をギュッと潰せば、素手でも簡単に絞れるほど。熱も加えないで冷圧搾で採油できる。
だからオリーブの実の芳醇な香りと栄養価がそのまま残っているのだ。
EXVオリーブオイルに代わるオイルはなかなかない。
米油の危険性、「カネミ米油事故」から学ぶべきこと
「カネミ米油事件」(現カネカ食品株式会社)、
1968年に起こった衝撃的なこの事故を知っている世代の方はまだまだ沢山いらっしゃいますよね。
米油の製造過程で脱臭剤に使用されていた溶剤が油に混入して、多くの被害者を出した悲惨な事件です。
昔の話だからと言って、忘れてはいけないよね。
こういう事実はしっかり記憶にと留めておかないと!
要は、油の精製には強い薬剤が使われているということを、しっかりと覚えておいた方がいい。
一般人には工場の内部がどうなっているのか知る由もないけど、こうした事件が起こって突然明るみに出るわけだ。
その時に初めて精製油の工程などを知る機会になったりするのだけど、まさにこうした記憶や知識が役立つんですよね。
こういう事故や事件から、物の見方、選び方を養うことができるってことだ。
「食品は、美味しいとか不味いとか、舌だけで選んじゃダメ!ましてや値段だけで選ぶのもダメよ!!」と祖母や母によく言われました。
「体にいいものを基本に選ぶように!」と、ね。
そんな言葉を思い出しながら、国産の米糠油、残念だけどやっぱり買う気にはならないのであります。
油、塩、砂糖、
毎日使う基本の3つ。
この3つだけは、精製していない確かなものを選ぶようにしています。