「計算ミスを考える(2)「計算ミスを分解してみるとわかること」 | 学ぶ力を作り出す

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東京都杉並区の「学力工房」教室長の中村です。
屋号である、「学ぶ力を作る」というテーマを中心に、
主に、教育関連のブログを記載してまいります。
著書である「学ぶ力を作りだす」の周辺事項の記載も続けております。

どうぞよろしくお願いいたします!!

さて、今日は具体的に計算ミスを分解していってみましょう。

まずこちらのスライドをご覧ください。

 

 

なんてことのない分数の引き算ですが、

この計算には、実に、

 

足し算  0回

引き算  1回

掛け算  4回

割り算  1回

 

が行われています。

 

そこで、では、引き算と掛け算とわりざんの各計算の正答率が90%であったとすると、

この、分母が2桁の異分母分数の引き算の正答率はどのくらいになるでしょうか?

 

なんと、、、

 

53%

 

になってしまいます。

 

つまり、2桁ー1桁の計算や、2桁×1桁などの計算が10回やって1回間違うと、異分母分数の計算は、やり方がしっかりわかっていても、半分しか正解できない、ということになります。ここでは、計算の仕方、においてのミスは考えていません。計算のやり方は100%間違わない、としてもこの数字になります。

 

ここにおいて重要なことがあります。

それは、

 

「基礎計算の正答率は100%を期すべし」

 

ということです。

 

100%に限りなく近くならなければ、その計算を「基礎」として扱っていく計算については、どんなにやり方が正確に認識できても、正答率は「基礎」の単元を超えない、ということになります。

 

よりわかりやすい例を見ましょう。

「九九」の正答率が90%ととします。

そうしますと、

 

365×249

 

の筆算の正答率はどのくらいになるでしょうか?

これは簡単にイメージができます。

筆算をすると、九九を当然「6回」やります。

九九の正答率が90%ならば、6回やれば、正答率は

 

53%

 

となります。

 

4568×2499

 

ならば、残念ながらほぼ正解できなくなります。

 

ということで、計算ミスについて考えてみると、大事なことが一つ言えます。

 

「各単元の基礎計算は100%に近くなければ次には行けない」

 

ということです。

 

ここを今一度しっかり認識したいところです。

 

次回からは、では、その計算ミスには、どんな種類があるのか、を見て行きたいと思います。