お待たせ致しました!!
第15回目を迎えた、外食研究会
今回は今ブームの日本酒、そしてワインの流通事情に詳しいOSさんをお迎えしての模様をお届けします
OS
如実に数字が良いのは、日本酒と白ワインですね。
TT
やはり白のほうがいいですか。
OS
そうですね、白と赤だと今は白のほうが数字はいいですね。
それで本格焼酎が…うちで9%くらいダウンでしょうか。
TT
芋・麦・米、全部合わせてですか。
OS
はい、全部合わせてですね。
業界としてはもう少し落ちているかもしれないです。
ただ、ビールメーカー4社が扱っている本格焼酎はそこまで落ちていないです。
押し込んでいきますからね。
全員
なるほど。
OS
どちらかと言うと、私たちがやっている地焼酎のほうがはじき出されていて、淘汰されてアイテム数が減ってきたと。それは如実ですね。
なので、「なんちゃって地焼酎」はもう正直売れないですね。やはり蔵元によっての評価が高いところは売れていますが、その取り巻きというか周りの銘柄に関してはメニューから消されていきます。
TT
大手本格酒造メーカーの「吉四六」さんとかはどうなんでしょうか。
OS
そうですね、それほど扱ってはいないので詳しくはわかりませんが…「いいちこ」さんなども苦しいと聞いています。
CT
どうして今、醸造酒がいいのでしょうか。
OS
やはり口がリセットできる多酸系のお酒にいっているんだと思います。
あとは高アルコールのお酒に疲れてきているのではないでしょうか。焼酎もロックで飲む方よりは水割りやお湯割りで飲む方が増えていますし。
わたしたちが焼酎を売り出した当初…10数年前になりますが、どうやって売り出したかというと、「儲かりますよ」と言って売り出したんです。1杯をサワーなどと同じ450円で売って頂いても、当時60~70mlで原価90~100円を「生レモンサワー500円」だったら500円で売れますから。儲かりますから売って下さいよ、で売り出したんです。そうやっていってバーッと売れていったんです。
SK
かなりハイボールに振れ過ぎたからその反動はありますね。
OS
ハイボールはサントリーさんの地道な努力で市場ができましたね。ただ、出荷量にしてみると甲類焼酎…というか、チューハイに代わっているんですよ。
SK
なるほど、チューハイポジションですね。
OS
チューハイポジションで代わっているので、甲類焼酎の出荷が落ちているんですよね。
甲類焼酎(の出荷量)が落ちて、ハイボールが増えているという感じなので、本格焼酎への影響はあまりないとわたしは思っているんですが…。
ですので本格焼酎に代わっているのは、日本酒であったり、ワインのほうだと感じます。
SK
特にトリスが出てきてから、ハイボールは少し安っぽいなという…低価格に飽きてしまったというような感じでしょうか。そこからの反動で、ワインにいこうとか良い日本酒を飲もうとかになったと。
OS
日本酒の業界は今までも苦労していまして、業界自体は前年割れが続いています。トータルで見ると大手メーカー・甲東会銘柄がだいぶ減っていますので。ただ、経営努力をしている地酒蔵はおかげさまでいいです。
お願いしたいのは、美味しく飲ませるお店がまだまだ少ないんです。たくさんの銘柄を扱っているお店はあるんですが。
SK
提供法ですか。
OS
そうです。
日本酒を美味しく飲ませるお店っていうのが、本来もっと出てきていいはずだと思います。
TT
「越乃寒梅」「八海山」とか、話題になった銘柄を店が消費しているだけなんですよね。
OS
そうなんです、銘柄を売っているだけなんです。
僕らも当然サプライヤーなので銘柄を追いかけますし、取引のある以上はご提案もしていきます。ただ、銘柄ではなくそこの店主が言うんだから美味い、売り切れる、というようなお店はまだまだ少ないです。
SKさんのツイッターに出てくるような「知らない銘柄だけど飲ませてもらったら美味い」というような、あのくらい自己主張のできるオーナー店は本来もっとあってもいいと思います。
例えば今回の日本橋の紀ノ重さんなんかは一つの蔵に絞り込んでいて、うちの店に来たら迷わずこれを飲めよというのは、(お客さんとしては)抵抗なく入っていけると思います。
②へ続く…