昨日は大学病院通院日。
昨年秋ごろから通勤ラッシュの乗り物での通院も出来なくなっていて、タクシーを予約して行く。
いつもお願いしている運転手さんで、病院までの道のりでのフリートークが楽しい。
私の状況を知っているのであれこれ心配してくれるのが有難かったけど、今回は乗車してすぐに一枚のクリアファイルを手渡された。「○○ちゃん(娘も通院で載せてもらってます)から、食事の支度が大変だと聞いていて。お節介かと思ったけど、これ良ければ使ってください」と。手にしてビックリ
この運転手さん、以前は調理関係の仕事をしていて、様々な料理の基本レシピを書いた自分のマル秘ノートをコピーしてくれたのだ。
「辛かったらこれを見て、大さじやおたまを使って1:1:4とか比率をしっかり量れば美味しくなりますから。病気や薬で味が分かりにくいと思っても、これなら味は変わらないし…」
色々な人たちに心配されているんだなぁと思うと、視界に入って来た豊平川が涙でボワッと見えた。
朝から検査診察を行ったり来たりして最後に「抗がん剤、増やしましょう」と言われた。
医師は一気に使える量マックスまで考えていたそうだけど、私の方がしんどくて少し緩くupにしてもらった。
今日から増量開始なので、またしばらくベッドの住人の予定。
病院から戻ると亭主への「父の日のプレゼント用枕カバー用生地」が届いていた。
深夜1時近くまで仮縫いをしておいた。朝、薬が効く前に一気にミシンで縫い上げてしまえるように。
寝る前に外に出て深呼吸をしていると、未知の向こう側からいつものキタキツネがやって来た。
「おっ、冬の毛が抜けてスリムになったねぇ。何だか丸々してた時より威厳があるわw」
触れず(エキノコックス怖い・餌やりはせず)話しかけるとキツネはそこに座り私と微妙な距離をとりつつ向かい合う。
う~ん、名前ないと呼びづらいな。
「暖かくなってシャープな顔つきになって威厳が出て来たから、君は今日から『ヌルハチくん』だ」。
ヌルハチとは清の初代皇帝の名前。何となくオスの様な気がしたから命名した。
「怖い人もいるから、気を付けてな。あと、近所のばあちゃんのサンダルを持って行こうとしたそうだけど、年寄りはイジメるな。可愛いふりしてジジババだけでも味方に付けないと。」
と言うとヌルハチくんは黙って私の話を聞き続けてくれた。
そしてこれ以上、話がないと悟るとスッと立ち上がり、闇の中へ消えていった。
その姿は何故か神々しくて、もしかしたら何処かのお稲荷さんから散歩のために出て来たご神体かもとさえ思ってしまった。
今朝、薬を飲み急いで枕カバーをミシンで仕上げた。
出来た!!
今日も緩やかに過ごしいてます。