ここ一か月、特に二週間強、目に激痛が続いていた。

治らないし、これと言っての治療法もないから我慢するだけ。

瞼の裏に荒塩を突っ込んで揉まれている痛みが、起きている間続く。検査で目の表面に麻酔をするけれど、それでも痛みが止まらないから、表面に何かって訳ではなさそう。どうしようもないから、痛みも我慢するしかない。

そんな中でも持ち回りで来たマンションの役員の仕事はしないといけない訳で。

 

備品を買いにホームセンターへ行った。で、レジのお姉ちゃんに

「領収書、お願いします。〇〇〇▲棟と書いて下さい」

と、頼んだ。そのお姉ちゃん、ペンを持ったまましばし固まる。で、私に話しかけて来た。

「あの、『とう』はどんな字にしますか?」

いや、どんな字にしますか?って私に委ねられても、私の意志が優先される訳でもないし……僅かな間、返答に困っていると、お姉ちゃんは何やら閃いたらしく笑顔になった。

「これですね!」

笑顔で書いて差し出された文字は

〇〇〇(←マンション名)▲塔

と、自信満々の文字で書かれてた。

いやいや、そこは『棟』であって、『塔』じゃねぇだろう。

つーか、『塔』を居住としている堅気っているのか?

 

 

私が住んでいるのは、バベルの塔かよっ!

 

 

五重塔かよっ!!

 

 

塔婆かよっ!!!

 

 

おフランスのエッフェル塔かよっ!!!!

 

 

バビル二世かよっ!!!!!

 

 

この姉ちゃんのぶっ飛んだ文字認識に、自分がどんな環境下で生きているのが一瞬、分からなくなった。

取りあえず『棟』と表記してもらって、私は店を後にした。が!!

帰宅して改めて見た書き直した領収書には、ここに書くと自宅バレするから見せられないけれど、小学2年生レベルでのマンション名である漢字が間違えて書かれていた。チーン

私も勉強はできない方だから偉そうなことは書けないけれど、でも『塔』って豪快なものはたぶん、これが最初で最後だと思う。

 

 

話は変わるけれど、二週間ほど前になるかな。

自分の葬儀会場とプランを決めて予約してきた。いや、すぐに死ぬって気はないけれど、こればかりは順番ってないし。家族葬を行う自宅から徒歩圏内のところ。娘の同級生が亡くなられた時に、ここの系列社での葬儀に感銘を受けて、その系列社が近所にあったことを知って、見学して即、申し込みをした。希望を色々と聞いてくれて、

「棺はピンクなんていかがですか?」

なんて勧められた。色はどうでもいいけど、私は熱いのが苦手だから、蓋の内側にスプリンクラー付けてくれないかなと、ふと思った。

ここへは近日、毒母の分も申し込みをしてこようと思っている。

毒母の棺は窓をアロンアルファで固めて、開かないようにと密かに思ってる。