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偏見とかではありません。あくまで偶然の出来事と言うことで読んでください。全て実話です。

高校2年になった春先のこと。私は担任教師に呼び止められた。市内にある知的障害者施設の運動会の手伝いのボランティアに参加して欲しいと頼まれたのだ。別段、予定もなく安易に返事をしたのだが、必要人員は三名。考えた末、私は同じクラスで仲の良かったAと隣のクラスのBを誘った。共に即答でいい返事をもらった。実は先に他の者を誘ったが、皆に断られて若干、途方に暮れていた。AもBも部活をしていたが、社会経験だと部活を休んでまで参加してくれた。
数日後の日曜、私たち三人は運動会の裏方の手伝いをした。運動会で紅白に別れての競技で、どんな結果になっても僅かな点差で表示して、最後は同点で御終いという流れにと頼まれ、私たちは指示に従った。弁当を配ったり、あれこれ仕事をこなし私たちはかなりの感謝の言葉を頂いた。
「来て良かったね」「そうそう、何も分からなくて心配だったけれど、自分が偏見を持っていたのがわかった」
そんな会話をしながら私たちは帰路に着いた。
翌年の春、私たち三人は再び同じ施設からお呼びがかかった。前年の働きが認めらて、学校へ直々御指名があったと聞かされた。私たち三人は、再びその施設へと行き、今度は戸惑いもなく作業をこなせた。そして、私たちは卒業後、別々の道を歩んだ。
Aは卒業後就職をして、職場で伴侶となる人と出会い結婚し、すぐに妊娠・女の子を出産をした。Bは偶然、私と一か月違いで高齢出産をして私は娘を、ひと月遅れでBは男の子を産んだ。

三人とも生んだのは自閉症児だった。

Aは遠くへ嫁ぎ滅多に会えなくなったが、昨年、親御さんの一周忌でこちらへ来て僅かな時間だったが、再会が叶った。そして、それを切り出したのはAからだった。
「あれって偶然だったのかな?」
「後々、そういう子を授かる予定だったから、神様か仏様かは分かんないけれど予行練習させてくれたんじゃないのかな?」
私の言葉にAは泣くほどに大笑いした。
「そっか。そう考えてたんだ、あんた。私、春になるといつも思い出してたんだよね。あの運動会」
「もしも、後に自分たちの子どもがこう生まれると判っていても行った?」
私の問いにAは即答した。
「行ったと思う。我が子は別にしても、楽しかったじゃん」
それから数か月後、Bとやり取りする機会があり、偶然だったがこの話が出た。Bは言った。
「あれを思い出す春が私は今も辛い」
今年も胸のどこかにあの日の運動会を思い出しながらも、三者三様の春を私たちは迎える。

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