はむはむ草 朝里庵 -8ページ目

はむはむ草 朝里庵

はむはむなるままに、ひぐらし。

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最近、我が人生でいちばん最初に買ったCDをPCに入れた。

「(メモワール)」
Roland Hanna(ローランド・ハナ)&中山英二のデュオ。




どうだ、マニアック過ぎるだろう(笑)。
正確には買ってもらったのだと思う、多分。
中学生の時、
ウッドベーシストの中山英二氏が、ど田舎の我が地元に
コンサートのためにやってきたのだ。
生コンサートなど初めてだった私は、初めて聴く大人っぽい、
クールで上品なジャズにしびれた。
いや、本当の良さなど分かってなかったのかもしれないが、
すぐ側、生で聴くウッドベースの音色は美しかった。
こんなかっこいい音が出る楽器があるのかと思った。

コンサートが終わり、確か親父がCDを一枚だけ買ってやると
言ってくれたのだと思う。
コンサート招致の実行委員に入っていたからかもしれない。
その辺はあいまい。少なくとも、親父の友人が中心になっていた。
2枚を見比べて、どっちにしようかと迷った記憶がある。
で、選んだのがこのメモワール。
中山英二のサイン入り。私の名も書いてくれて、ちょっと豪華。

このCDは上記した通り、ローランド・ハナと彼のデュオ。
ハナは世界的に有名なジャズピアニストらしい。
実は大学時代、彼の輸入版をタワレコで買ったが、
帰宅して聴いてみると、スコットランドの民謡みたいな曲が入っていた。
ピアノは一切流れず、最初は「?」のまま聴いていたが、
表記合計時間も曲数もまるで違うし、どうやら中身だけ違うと
いうことにようやく気づいた。
バグパイプ音の響いたこの「中身」は趣味的に嫌いではなかったが、
あまりに期待と違う展開に呆然とする。
結局このCDは音楽好きの友人にあげてしまった。
そんないわくはどうでもいいが、ローランド・ハナのピアノは
本当に美しい。なんといえばいいか、ヨーロッパを彷彿させる、
ルパンミュージックというか。当時はそう思っていた。
もちろん、そんな言葉で彼の曲や音色は包括できない。
音に色があり、風でなびく木々の、葉の一枚一枚が見えてくるような、
そんな自然的美観がある。しとやかな中に、生命の美と歓喜がある。

中学生の頃は、もうちょっとメインストリームを知りたい気分だったし、
それなりに曲を楽しんではいたけど、やっぱり早かった気がする。
早いというのは「当時必要ない」という意味ではないが。
この良さを体で味わう心地よさを感じるようになったのは、
今、現在の話だ。当時は頭で聴いていた。

格好いい。美しい。ああ、楽器が弾けるようになりたい。
そう思ってしまう。
音楽演奏家って素晴らしい。
演奏している時は自分の作り上げた世界の中で、瞬間に輝く。
それは、何物にも代えがたいことだ。
こないだの飲み会で、ある人が言っていたが、
街にはそれぞれ独特の匂いがあって、例えば
難波には難波の、京都には京都の、そして奈良には奈良の
匂いがするとか。
冷静に考えれば当然のことなんだけれど、
実際意識しているかといえば、そうでもなかったりする。
地元の和歌山南などは、海の匂いがするので分かりやすいけど、
奈良周辺ではそれほど気にしていないかも。
今度、改めて気にしてみるか。

もう、時期的には遅いのだけれど、キンモクセイ。
私、あの香り好きです。
花粉アレルギーを持っているので、吸い込みすぎると怖いのだけれど、
あの香りはなんというか、運動会とか、秋の記憶を呼び覚ますのです。
郷愁や、美化された記憶も関係しているだろうな。
匂いというものは記憶しやすいらしく、
意識には上がってなくとも、当時の状景を引き出しやすいんですね。
場所にもよりますが、奈良はキンモクセイの香りがよくします。
でも、もうすぐそれも終わりですね。
だんだん、冬の空気や香りがやってくるのです。

私が秋を好きなのは、キンモクセイのせいかもしれないな。
記憶をやたら刺激する、あの強い香りが。
一度に複数のことを考えられない性質。
個人的には「メモリーが足りない」と言っている。
ある本によれば、これは生まれつきによるものとか。

習い事に行くのが嫌だったが、行かないと結果、困るのが自分なので
ふてくされながら行く。
帰りは割かし上機嫌。やることはとりあえずやった。

次の日、絵を描くと酷い荒れよう。
まるで集中力がない。まとまりもない。
どうも、習い事と同じ部分の脳を使っているようだ。
あちらを立てればこちらが立たずというか。
便利だが同時には使えない十得ナイフみたいなものか。
積み上げてきた際どいものがボロボロと崩れる。もろいものだ。

今日、本をたくさん買った。
40冊くらい。
とはいっても、内32冊が古本の絵本。
幼い頃、繰り返し読んだ絵本のシリーズが売られていたのだ。
実家に同じものがあるが、もうすぐ弟に坊やが出来るので
それはその子にあてがわれるであろう。絵本は買えば高い。
小さい頃読んだ本は、自分の世界観に大きな影響を与えている。
教訓とか、そんなちゃちいものではなく、世界観。
幼児期の映像は、絶対感に限りなく近い。
最近、その辺の記憶が気になるのだ。

近ごろ、いい気候。
ハイキングにでも行きたい。
田舎者なのに、野山の草木に詳しくないのは、はっきり言って
恥ずかしい。今更ながらだが、勉強したいものだ。
かぶれる草木とかは割と知っているが…

画材を買いに、大阪に出る。
思えば、久しぶりである。かつて毎日のように通った道だが、
人の多さに目が回る。
キャンバス、絵の具は重いので、配達してもらうことにして、
あとは難波あたりをうろつく。



上記写真は「りくろーおじさんの店」のチーズケーキ。
525円。おいしそうだったので買ってみたが、実際美味かった。
あっさりしていて上品な味でした。


そういえば、以前書いた漫画「水木しげる伝」の中巻がないという
話だが、難波パークスのビレバンでようやく発見。
なかなかの読み応えだった。人一人が生きるということは
本当に大変なことだ。努力だなんだといっても、全体でみると
やはり「運」の力が大きい。
その辺の捉え方で、ものの見方や生き方も、随分変わるとは思った。


マンガ水木しげる伝―完全版 (中) (講談社漫画文庫)/水木 しげる


ところで、その本の上巻と下巻は奈良のビレバンで購入したわけだが、
私が買った後の再入荷を見てみると、
上巻下巻のみで、やはり中巻がない。
スタッフはひょっとして、中巻の存在を知らないのでは。
知らせた方がいいのかな

ここ数日は、ならまちを中心にお店や満喫スポットを開拓している感じ。

その辺の話を。
数日前の夜は友人が家に泊まりに来て、
飲んで寝て昼には目が覚めた。
そのまま昼飯に、本で知った店を訪ねる。
しょっちゅう通った道なのだが、まさかこんなところに
路地があるとは知らなかった。
大通りから小道に入ると、昔の町家が顔を出す。
民家を改造した店である。
中が見えないのですこし躊躇するが、結局入る。
狭い店だが、なかなかの繁盛ぷりだった。
で、800円の定食は美味しかった。一人暮らしが飢える家庭の味。
すっかり気に入り、近所なのでまた来ようと思ったが、
残念ながら、昼しかやってない。奈良の夜は早い。

その後は興福寺や東大寺など奈良公園をぶらつき、
夕方には、ならまちへ。
抹茶が飲みたいとのリクエストで(近所の店は定休日だった)
ならまちをあてどなく散策したのだが、歩いた道が良かったのか、
店はいくらか見つかる。その1つにえいやっと入ったら、
町家を改造した、というかもう立派な民家の茶屋。
トイレを借りたら坪庭が目の前に。すごく綺麗。
その庭を廊下伝いに行くとトイレがあるのだが、
この造りで思い出すところがあり、
ある友人の家が町家造りだということに今さら気づく(笑)。
その間に部屋で待っていた友人は、
目の前に突然、奥から知らないおじさんがあらわれ、
ほぼ民家なだけに怒られると思ったとか。
ともかく、抹茶と葛餅を頂いた。葛餅は手作りらしく、
かなりおいしかった。

その後は開店時間が合わなくて行けてなかった近所の蕎麦屋で
石臼引きの蕎麦を食べ、
夜には友人とバイバイして、絵を描いて、この日は終了。


次の日、奈良県立美術館のシャガール展を見に行き、
その後また、ならまちへ行ってみた。
ここ数年、ならまちも、喫茶やギャラリーなど、文化サロン的
施設が増えてきているようだ。勿論、観光と生活文化の活性のために、
そういう努力をしているのであろう。
そのならまちは、古い佇まいの保存文化空間ではあるが、
同時に人が普通に住む住宅地でもある。
というわけで、ならまちの夜は早い。
日が暮れると、大半の店は閉まり、人通りはほとんどない。
というわけで、観光に行くなら日中がセオリーなのである。
今日のならまちも夕方に行ったので、ある意味ギリギリだったが、
なんとかまた、茶屋をひとつ開拓出来た。

ならまちは好きだし、文化的な成功を夢見てがんばる人たちも
応援したい。しかし、まだまだ、試行錯誤の段階は抜けていないのかな
とも感じる。
そういう面で京都市と比べ、奈良市が圧倒的に不利なのは、
元を突き詰めれば
学生数とその分布にあるような気がする。
奈良県市内にも大学はいくつかあるが、
観光と学生街両方をカバー出来る場所はあまりない。
学生は一見金がないようにもみえるが、一人暮らしはなんだかんだと
金を落とすし、横のつながり(口コミ)があるし、若い労働力にもなる。
何より、活力的なイメージになるし、そういうイメージが、実は一番
とどめだったりする。なぜか入りにくい店を見るとそう思う。
何か、分からないけど、入りづらい。
そこにはちょっとした「何か」が必要だったりするわけだ。

ま、ちょっとまばらな奈良ってのも
それはそれでおつなものですがね。