霧中大猷院 | 燕党の宴

霧中大猷院

 徳川家康の没後400年を迎え、日光山輪王寺の大猷院にて家康の位牌が公開されています。
 なぜか家康の廟所である東照宮ではなくて家光の廟所である大猷院なんですね。
 東照宮は一応神社ってことになりますから、その辺に気を遣ってるんでしょうか?
 とは言えこの辺は神も仏も混在している印象。まわっててもよく分からなくなります(苦笑)。
 
 ただ一つ間違いないのは、この山で一番偉いのは東照権現だということ。

 いやしかし、神としては東照権現だけど、位牌であるからには仏式の戒名が書いてある。
 家康の廟所は神社たる東照宮の奥宮にあるけれど、家光の廟所は寺である輪王寺にある。
 
 なんかそんな複雑な感じ。
 日本じゃ仏も八百万の一神だと思えば、そんなに難しく考えることもないのだけれど、
 おそらく神仏に仕える当事者達にとってはそんなに簡単なことでもないのだろう。

 ともあれ「大猷院秘蔵の家康公の御位牌を初公開」なんて言われれば、行くしかない。
 そもそも結構好きだしね。大猷院。

 大猷院 大猷院
 左)そんなワケで大猷院へ。仁王門
 右)この日の日光山には霧が立ち込めていました

 大猷院
 仁王門を入ってすぐ脇にあるのが宝庫と家綱お手植えの槇の木

 大猷院 大猷院
 御水舎。手水石を置いてあるだけなのに、スゲー派手

 大猷院 大猷院
 左)裏側ももちろん派手。天井には狩野派の龍
 右)手水石に水を引いている樋は風流な感じ

 大猷院
 二天門は工事中。工事の幕の上に扁額を掲げてるのね(笑)

 大猷院 大猷院
 左)続いて夜叉門。ガスっぷりが激しくてよくわからない感じ(苦笑)
 右)夜叉門を裏手から。こっちのが分かりやすい

 大猷院 大猷院
 左)夜叉門に安置されている4体の夜叉の内の1体。ひょうきんな感じの犍陀羅
 右)夜叉門に安置されている4体の夜叉の内の1体。日本ではレアらしい烏摩勒伽
 
 大猷院 大猷院
 門のすぐ対面にあるのが唐門。その後ろに拝殿・本殿が控えます

 ここを入った拝殿にて、11月の何日かまでは家康の位牌を拝むことができます。

 大猷院 大猷院
 灯篭 

 大猷院には諸大名から献じられた無数の灯篭があるけれど、
 この区画にある灯篭はすべて葵の御紋が入ってます。
 中でも唐門の両脇にあるのは御三家の献上品なんだとか。

 大猷院 大猷院
 左)拝殿・相の間・本殿。この造りは神社?かと思いきや「仏殿造り」って様式なんだとか
 右)本殿の裏手、皇嘉門。この先が家光の廟所です。以前、一度だけ入ったことがあります

 大猷院 大猷院
 「東照宮を凌いではならぬ」と、控え目にしているつもりではあるようですが、
 ありとあらゆる箇所に装飾が施されています

 大猷院
 そこら中に灯篭があります。よく外国人の観光客がカメラを向けてます。俺は日本人ですが


 で、肝心の位牌。
 まァ、位牌でしたよね。
 
 脇に文言を印刷してくれていましたが、俺の視力では生の位牌の字を認識できなかったし。
 
 あ、アレがそうなんだな。って。そんな感じ。
 まァ、ちゃんと拝んではおきましたけどね。

 それよりも、霧中の大猷院の風情に夢中でした。