1610年にパリで出版されたコーロワのファンタジー集のオリジナル・ファクシミリから作成していきます。既に数曲を公開していますが、これらは現代譜から興したものなのでこれから順次改める予定です。 原典の6冊は次の通りです。
 Dessus, Haute-Contre, Taille, BasseーContre, Cinquiesme, Sixiesme
 なお、gallicaでは Dessus, Haute-Contre, Taille Cinquiesmeの4冊のみが公開されています。Basse-contreがないので3声の曲しか完全にならないのが残念。きれいな譜面ですが、少々刷りの甘いところがあって、符頭が白か黒か判然としない箇所があちこちにあるので、読解にはある程度の解釈と判断力が必要になります。現在、半分くらい入力していますが、ほぼ無難に収まってくれています。
 コーロワの対位法はかなり個性的です。例えば、カデンツの基本形になっている導音->主音の動きが滅多に出てこないのでバスパート以外を見ているとカデンツがはっきり表れてきません。おかげで予期しないときにカデンツが出てきてびっくりしますね。また、声部が唐突に中断する箇所が随所にあるので「これでいいのかなぁ?」と疑心暗鬼に陥りそうになります。これも特徴でしょう。

Fantasie 1 : 少しあいまいですが、冒頭の主題で統一されているとみられます。
Fantasie 2 : こちらは明確に一つの主題で出来ています。ちなみに反行形が2回出てきます。

http://aeolianconsort.chakin.com/Caurroy.htm