1集と2集と区別されていますが、合綴されているので実際は1つです。第1集はモテット、第2集はマドリガルがまとめられています。目次を見てみると第1集は全部ラテン語、第2集は全部イタリア語になっています。たとえば、Octo Vocum と A Otto Voci という具合です。
さて曲集の中で器楽曲はこの Ricercar しかありません。この曲種で8声編成は相当珍しい部類だと思います。というのもカンツォン以上に声部の独立性が強いため、特に低音部の扱いが難しいのです。カンツォンならバスの2声部はほとんど同じにしてOKです。ですのでこのリチェルカールのバス2声部の処理は見ていくと実にうまくできていることが分かります。さすがですね。
内容はリチェルカールの基本通り、複数の主題が交代して最後に冒頭主題が戻ってきて終わります。カンツォンと違って、起伏は期待できません。淡々と進めましょう。
http://aeolianconsort.chakin.com/gakufu_main.htm#Gabrieli_A