ここのところ、カンツォンに集中していることもあって、ガブリエリのカンツォン集を長いこと捜索してきました。
 イタリアものの場合、"INTERNET CULTURALE"から捜索を始めるのが基本です。最初に狙ったのは1615年出版の"Canzoni e sonate a 3-22"でした。5つの図書館に所蔵されていることが分かりました。オンライン化していたのは Biblioteca musicale governativa del Conservatorio di musica S. Cecilia-Roma だけでしかも4パートのみ。イタリア外の図書館も調べていますが、今のところ、当たりはありません。
 それ以外の曲集も芳しい結果が出ていないのですが、一つだけ、1597年出版の"Sacrae Symphoniae"について掲載されている5つの図書館のうちでリンクが張られていない Oesterreichische Nationalbibliothek - Wien に行き着きました。ここでようやくパートブック12冊すべてにお目にかかれました。IMSLPにも登録されていない場合、捜索は大変な労力が必要です。
 さてダウンロードですが、pdfファイルで一括、などという便利な機能がなかったのでjpegデータを1枚1枚落とします。まる一日懸かりで合計700枚を落とした後、量が多すぎるのでパートブック毎にpdfに印刷しました。更に全部を結合したところ、容量が多すぎたせいか、編集ソフトがパンクしてしまい、しおりが付けられません。諦めてパートブックのまま扱うことにしました。
 となると次の作業は全体の状況調べ。なにせ12冊もあるので内容を整理して一覧にしておかないと訳が分かりません。特に14-16声ものはどれに2パート含まれているか知らなければなりません。そこで各パートブックが曲毎に何ページにあるか、音部記号の位置はどこか、どの合唱グループに属すかをまとめました。こんな具合です。

38 c5 Ch1(38ページ、ハ音記号で上から5線目つまり最下線、第1グループ)
44 f3 Ch2(44ページ、ヘ音記号で3線目つまり真ん中、第2グループ)

こうしておくとどのリコーダーを使うか、スコアにパートをどの順に配列していくかが大体分かります。表を眺めてみるととにかく配置が乱雑で一貫性がない。なんでこんなことになっているのやら。
 更に、一覧を作ったおかげで Cantus に2ページ分の落丁があることも分かりました(他のパートに含まれている可能性もあったので)。オーストリア国立図書館に知らせたところ、近いうちに訂正するという返信が来ました。楽しみに待つことにします。