音程を短3度上げた以外は基本的に初版譜を忠実に再現するように努めました。見慣れない表記法も出てくるのでちょっと付記を加えておきます。なお、譜面作りで力尽きてしまったのでmp3は作りません。

全般的な注意事項

1. フレンチ・クレフを使用します。初版譜も同様です。以前も書きましたが、アルトの場合、こちらの方が収まりが良いのです。最初はとまどうかもしれませんが、へ音記号と音高関係が同じなのでバスリコーダーを吹くつもりでやれば、案外楽に慣れてしまうはずです。
又、フレンチ・クレフで書かれた楽譜を短3度上げてアルト読み出来る豪の方はオリジナルをご覧になることをお勧めします。
2. 1カッコ、2カッコの代わりにスラーが使われています。2度目はスラーで囲まれた部分を飛ばして次の音符に行きます。スラーに従って目線を移動させればいいので割と合理的なやり方だと思います。
3. リピート記号は概ね戻り場所には付いていません。代わりにセーニョが書いてあるのでセーニョからセーニョに戻ることになります。
4. 演奏の便宜上、第1集のパッサカーユ以外は各曲を2ページ見開き以内に収めています。初版譜もほぼそうなっていますが、めくりが必要になる場合は右下に"Tournés"と書いてあります。これは演奏表現上の指示ではありませんし、忠実に書き込むとかえって意味不明なので省きました。

第1集

1.Duo : Gayのところに書かれている"Les Croches egales"は8分音符を等間隔にする指示です。要するにイネガルをしないようにということです。"doux."はピアノのことです。
2.Allemande : 拍子がC、つまり4分音符単位なのでテンポは遅めになります。イネガルは可でしょう。
3.Rondeau, Tendre : 柔らかいロンド。"gracieusement"は「優美に」の意味です。イネガルはしないほうが無難でしょう。
4.Rondeau, Gay : 陽気なロンド。"gay"は現代では"gai"と綴ります。イネガルありです。

第2集

1.Duo : "Les heureux moments"は「心地よいひと時」の意味で、副題です。Gayの直前にある"tournés vide"は「ちょっと間を空けてから続ける」意味です。
2.Allemande : 副題の"Maréchalle de Villars"は「ド・ヴィラール元帥」の意味で実在の人物です。"majestueusement, et piqué"は「おごそかに、スタッカートで」の意味。第2アルト冒頭のb音は繰り返しのときだけ奏します。
3.Musette : "doucement"は「静かに」のこと。"les croches pointées"は「8分音符に付点を付けて」という意味なのでイネガルの要請です。
4.Menuet : "legereté gracieuse"は「優美に軽く」の意味。最後に"On reprend la Musette"とあるのでミュゼットを繰り返します。
6.Sarabande : 副題の"La St. Maurice"は女性定冠詞付きなので聖モーリスではなく地名でしょうね。
7.Rondeau I II : 第2ロンド冒頭の"Un peu moins Leger"は「ほんのちょびっと軽く」の意味。♭が多すぎて訳が分からなくなりそうですが、頑張ってください。
9.Contrefaiseurs : 「模倣者」の意味です。確かにカノンっぽい。後半は普通のジグみたいにやってさしつかえありません。

http://aeolianconsort.chakin.com/gakufu_main.htm#Hotteterre