medio系は音域幅が決まっているので労力が少しは軽減します。普通は高音か、低音の指定、もしくは右手、左手の指定があるものですが、この曲は高音低音各2声とわざわざ断ってあります。どちらも等価に扱われるだろうと見当は付くものの音栓はどうするんでしょうね。
 最初はのんびり、だんだん細かく、は彼の定型です。冒頭主題は形を変えて6/4と結尾に現れますが、他はコロコロ動機が移ってしまいますので行きつ戻りつの感じになります。長大な曲ですのでテンポをゆっくりし過ぎると確実にだれます。
 途中に12/8-3/2-12/8の交代が出てきます。原譜にはこの拍子変化の指定はなく、12/8だけです。確かに3/2でも小節内の音価は同じですが、何の断りもなしに切り替わると訳が分からなくなりそうなので書きこんでおくことにしました。要するに拍の割り方が変わるだけでテンポは同じですので御注意を(これが言いたかった)。慣れないとかなり調子が狂うでしょう。
 第2旋法の指示の後に"por Ge sol re ut"と書かれています。同種の指示は他でも見ていますし、何となく見当は付きますが、正確な意味は知りません。

http://aeolianconsort.chakin.com/Cabanilles.htm#Tiento_60_segundo_Tono_Cabanilles