以前にContraさんの依頼でガンバ版を作りました。その時はリコーダー版にし損ねてお蔵に入れてしまいましたが、今回、シフラから起こし直しました。2声づつの応答が頻出したり、最後に占領場面も出たりと物語性があります。3拍子部分は相変わらず音価が大きくて困りますが、慣れて下さいね。メディオ系と違って各声部の音域制限がありませんから色々手を加えています。特にアルトパートの扱いが面倒で、結局テナーにしました。
 前回現代譜を使った時、最後のPresa(占領とか奪取の意味)の各Versoの書き込み位置が不自然なので気になりましたが、シフラを見てその原因が分かりました。この書き込みは譜面の「下」に置かれているのですが、校訂者(S.Kastner)は「上」に書かれていると錯覚していたのです。そのため全体が本来あるべき位置より数小節後ろにずれてしまったわけです。曲の内容をしっかり見れば、素人の私でもすぐ判る程度のことなので校訂者としてはちとお粗末と言うしかありません。1948年のバルセロナ版をお持ちの方はこのエオリアン版で修正を加えてください。実は既にHPに入れてある第4旋法第2番でもシフラの読み違えを見つけました。近い内に改訂したいと思います。

http://aeolianconsort.chakin.com/Arauxo.htm#Tiento_3_de_sexto_Tono_Arauxo