リコーダー編曲も各種出回っている有名な曲集ですね。ご隠居の強い希望もあってエオリ版を作りました。ウォーロック自身は2台のピアノ用とオーケストラ用の版を作りましたが、オケ版は参照できませんでした。本数は皆7本に統一しましたが編成は曲に応じて少しづつ変えました。特にTordionはFバスにソプラノの持ち替えを入れています。7本をなるべく等価値に活躍させるように配慮しましたが、全曲とも冒頭は中声部、その後に高音域に展開するやり方なのでソプラニーノは中盤からの参加ばかりになってしまいました。これはやむを得ないところですね。
 計画ではガルクラインも入れるはずでしたが音域的に絶対必要ではなかったので加えませんでした。でもソプラニーノの高音が頻出するので代替することは可能でしょう。特にTordionでは視覚的効果もあるのでやってみる価値がありそうです。そのあたりは実践的に解決してください。

 よく知られていると思いますが、この組曲の旋律の出元はThoinot Arbeau(本名Jehan Tabourot)のOrchesographie(簡単に言うとダンス指南書)です。全体がArbeauとCapriolの対話形式で書かれています。Capriolはダンスの垂直跳躍のことです。載っている曲はPavane"Belle qui tiens ma vie"が4声体になっているのみであとは全部振り付け指示が付いた単旋律のものばかりです。ウォーロックは掲載されている順をほぼ忠実になぞりながら利用しています。第4曲Branslesは幾つも曲を繋ぎ合わせているので複数形にしてあるようですね。もっともウォーロックの付けた曲名は元の舞曲名と一致しないものもあります。
 原曲との対応は次の通りです。Orchesographieは見開きで1ページの数字が打ってありますが左右の区別はしません。

1.Basse-Danse ←"Air de la basse-dance"(p.34-37)
2.Pavane ←"Pauane a quatre parties"(p.30-32)
3.Tordion ←"Tourdion"(p.51-52)
4.Bransles ←"Branle simple"(p.71),"Branle de Bourgoigne"(p.73),"Branle de Haut Barrois"(p.73-74),"Air du branle Pinagay"(p.75),"Branle couppe Charlotte"(p.76)
5.Pieds en L'Air ←"Branle de Poictou"(p.79-80)
6.Mattachins ←"Air des Bouffons"(p.99-104)

曲名は1-4が舞曲名、5が動作名で問題ありません。最後のMattachinはフランス語でMattachine、イタリア語でMattacinoとなってほぼ道化に近い意味のようです。

http://aeolianconsort.chakin.com/Warlock.htm