G-3627 <夢メモ>雨の刑事モノ 分割稿⑤ | ガンダムFREAK!! <B-Edition>

G-3627 <夢メモ>雨の刑事モノ 分割稿⑤

<夢メモ>雨の刑事モノ 分割稿⑤

 

目も伏しがちというか、瞼が開けられないほどの老い

さながら古樹のような肌

百歳を超えていても不思議はない

 

驚いたのはその恰好

和装は和装、だがいかにも豪奢な儀式服のような着物

巫女服のようなシンプルなものではなく

十二単まではいかないが重ね着ている

 

複数枚だが、ベースの着物の色合いはブルーラベンダーかウイスタリアのような色合いのメタリック、に更に細かくびっしりと輝くような糸で紋様が施されている

これに肩側から羽織るように和紙のような地味な生地など何枚か重ね着

美しいだけでなく伝統を感じる、由緒のありそうな着物だ

 

そして頭部

巫女服の自称教祖様だった彼女が着けていたのと同様のコンセプトの、金の円盤が幾重も繋がった冠…

いやこれはもう、あの時の冠そのまま、そのものじゃないか?

 

出で立ちと、蝙蝠人間らが自発的に控えおろうとしているのを見て直感する

これが本物の教祖だ、145歳だと噂されていた方の

 

見入っていると突然、背後から肩に手をかけられる

先輩だ

「すまんな

悪いようにはしねーからよ」

スタンガンか、それとも強烈な拳か?

一打浴びて気絶させられる

 

目が覚めると寝屋のようなところにいる

周囲には帳がかけられている

目隠しというより蚊避けのような

 

自分は薄着の白い着物に着替えさせられている

滝衣とか行衣みたいなやつだが

サラサラで軽い

 

身を起こすと少し先に、先刻の老婆がいる

 

話をしてくれる

声はどうにか聞き取れるのだが

如何にも喋りにくそうで気が引ける

 

どうもやはり彼女が真の教祖という事らしい

 

ではあの若い教祖さんは代役か、と聞こうかともしたのだが

それは後で話そうと

確かに余計な話で消耗させては本題に辿り着けなさそうだ

体力的にだが

必要な質問を絞って聞く事が必要だ

 

まず、最終目的として自分に何をしたい?

またはさせたい?

話したい最終段もこれだろう

ここをまず抑えることにした

 

理由や経緯やメカニズム

そういったものは後から追ってでもいい

 

回答は、一言で言うと「星の命数を分けてほしい」

ちょっと分からないが

居住まいを正して続く話を聞く

 

まず最初に、人には生まれ持って守護の星が定まっていると

それは天空遥か先、宇宙の星と思われるが

実際の所は彼女らにも分かっていない

銀河のイメージでしか見た事が無いからそう思う

 

星と表現されるが、それこそ天命みたいなものがどこかで決められているのかもしれない

アルカイックレコードなのか

はたまた先文明に仕組まれた電子プログラムか

 

そんな正体までは分かっていないのだが、

とにかく彼女の一族は「石」を通じてその人の守護星と天命を見る事が出来ると

真偽はともかくそれが彼女らの信じてきた教義なのだ

 

信じるかどうかは別にして、これまで確かにその通り事が運んできたという

占いの通りに

 

縁が近いか遠いかだけの占いにそこまで実用性があるのかも微妙だと思ったが

きっと他の種類の秘儀も何がしか在るのだろう、と自分を無理から納得させる

 

教祖様の天命、守護星というのがやや特殊で…

瞳石というやつだ

たぶんそれに象徴されるお空の星って事なんだろうが

 

これは稀有な特性があり、よって様々な秘儀を引き起こす事が出来ると

特性とは不死、吸収、反魂などであるという

 

命尽きかけるとき、他の星より命を分けて貰う事が出来ると

それというのは、星というよりやっぱりブラックホールなのでは…とも思うが

 

今、この村の中核にいるのは自分で

それは政治だとか権力だとかではなく心の紐帯の、村のアイデンティティみたいな意味合いで

あるが、ともかくもまだ皆の手を放すわけにはいかない

約束したから皆を護ってやらねばならないと

 

だが、その教祖の命数が尽きかけている

死ぬわけにはいかないし

自身の意思としてもまだ皆といたい

生き続けていたいと

 

しかし命数の補充というのは難しく

瞳石の星(多分ブラックホール)は強力に吸収してしまうらしい

教祖の延命のため命を幾分か捧げてもいいと

協力してくれた者たちがいたが

働き盛りの壮健な林業家も

若い青年も

皆、数日で命を吸い尽くされたような変死体に変り果てる

 

このような悍ましい、取り返しのつかない事件を起こしているというのに

村の皆は誰も教祖を恨まず

それどころか

上手くいくまで協力を惜しまない

人柱になる事もまた村としての恩返しだと考えてしまっている

 

自分が消えるのが一番かとも思うが

それでは村の加護が無くなってしまう

 

にっちもさっちもいかず

苦肉の策が、複数人から少しずつ命数を得るのはどうかと

村の十数人から僅かずつを意識して命数を得た

 

それで姿が一時的に若返った…という

そこは眉唾だが

やはりあの若い女性がこの教祖と同一人物だという説明

人格や経験に違いがありそうなことはどう説明するのかと思ったが

そこまでは聞けず

 

ところが、十数人から僅かずつ命数を得たところで全く足りず

順々にその時の参加者が亡くなっていくという

急激に風化・枯死したような姿となってだ

これが連続変死の真相であるという

 

今はそれが収まったかどうかも分からない

参加者でもピンピンしている者はいるし

教祖の若返り効果は切れてしまったようだと

 

この若返りは本来、再度悠久の時を歩めるようにするもの、つまりはまた歳の取り直しが出来るというもののはず

今のように急速に老いる、元に戻るというのはどうしてなのか分かっていない

儀式がそも失敗していたのかもしれないし

一番の要因は、やはり捧げられた命数が足りていないのだろうと

本来は莫大に必要になるそうだ

 

命数というと、信者の寿命一日とか一年とかを捧げて、教祖の寿命をそれと同じだけ延ばそうとするものと聞こえるが、そうではない

守護星によって価値が異なってくる

大きな星ほど強く濃い命数を持っていて

小さな星ほど淡く儚い

 

命数はこの守護星の命のやり取りであって

それを石を通じた儀式でコントロールしているという

 

星の近さ=縁、運行=運命などある程度動きは読めるが

守護星が果たしてどのくらいの強さ・大きさなのかは分からないらしい

仮に石ころ程度なら、放っておけば何十年でもそのまま宇宙に永らえられたのかもしれないが

ブラックホールに吸われたら一たまりもないと、こういうことらしい

 

問題は守護星が消滅すると守護を失った村人自身も命数が尽きるという事

これは一般には加護の期限切れを意味していて

運が無くなり、年貢の納め時が来て

例えば寿命が来たり、大病を患ったりする

星の護りがもう無いからだ

 

ただだからと言って即死するとかその瞬間に変死する、というわけではないらしい

 

この教義に於いては人=星或いは星=人なのかと問うたが、それも違うらしい

星は星、人は人で別々だが

天の星は加護という形で人と結びついている、とこの宗教は考えている

 

尤も、それだけで全て説明できるとか、世界の真理全てを掌握したというような大層な教義にまでは育て上げていない

小さな田舎の土着信仰

 

石についてもツールに過ぎない

石が仮に割れ砕けようとも

人と守護星には何ら関わりが無く

ただ、石は人を通じて星の運行を見れるツールなので

それが無くなると運命が読めなくなることはあると

 

だから石自体は大事なものでもないし、

割れたとて命数が尽きるでもないのだが

星を見るためのツールとして大事にしたいという性質のもの

 

ただしその逆はあって

星が砕けたら石も砕けると言われている

 

 

 

 

↑アマゾンプラスで観られた劇場版。これの感想も書きたいんだよなあ…。いや、今ね、ちょっと夢で見た内容が長編っぽくなっててね、起きてから辻褄考えて解釈して書き足してるとこも多いんだけど。クーラーが余りに心地良くて寝て起きてしてたら2時間ドラマみたいな夢見たわ