G-3556 美プラ可動構造考察 肩について | ガンダムFREAK!! <B-Edition>

G-3556 美プラ可動構造考察 肩について

最初こそこれは外したんじゃないかと思っていたコトブキヤさんの模型主導企画「無限邂逅メガロマリア」、なかなか良さげ。

なんか俄かに気になってきた。←オイオイ

KIZUIです。

アンドロイドというか、メカ的な女性型。

1、2体ならばともかく、それメインのシリーズか…と懸念してたのね。

活路というか担保というか、コトブキ美プラとの組み換えコラボを大いに想定してるから、カスタマイズ用としてだけでも十二分に活きるというのはアピールポイントに組み込まれていたけど。

勿論、本体そのものにも独自のカッコよさはある。

がしかしやはりというか、かなり特殊な性癖の持ち主にしか「刺さり」はしないんじゃないかという不安。

いっそ、と言っちゃなんだが、設定では人間キャラクターも用意されているんだから、その顔パーツと、限られた部分にだけでも差し替え用肌色ランナーを用意すれば、かなり売れると思うんだがなあ。

 

…などというのは杞憂だったみたいで、実際は結構売れてるみたいね?

転売被害は少な目だけど。

組み換えを想定するにしても巨乳パーツ付けるべきよ!<絶対の主張>

あれよ、謎の巨大な肩鎧が付いてて、その実態は組み替えると身の丈ほどあるロケット乳になるのよ(笑)。

 

 

 

というわけで、今日はメガロマリアじゃないんだけども、いやそれも含めてか?

美プラの改善点について考察。

ジャンルとして確立して嬉しい限りですが、そろそろ技術的な壁にぶち当たる頃なんじゃない?

 

コトブキ・メガミデバイスの次期ライン「バスタードール」はその意味でも期待の持てるシリーズですね。

…武器単体のカッコよさももうちっと追求した方がいいかな?

ハードポイントをちゃんと考慮に入れてくれてるのは凄くシステマティックで良いんだけど、盾表面にボコボコ穴が空いているのはちょっと

どうだろうか?

防御力に不安が…(笑)。

盾表面にピンポイントバリアみたいな設定の光学系兵装かね?

 

個人的に考える美プラの問題点、強度とか動かしやすさ、組みやすさ、或いは各種表現(布や肌の質感など、プラの表面処理でマットにするだけでもだいぶ違わないか)、パーツ分割への配慮(可動時の空洞露出)とかも在るんですけど。

 

一例だけど瞳にホイルシールみたいな光沢表現が在ると素敵なんじゃないかなあ…。

効果的な割にまあまあ安く上がるし。

タンポ印刷はホイル系の色は無理なのか?

原理的には全然出来そうだけどな?

無塗装顔パーツに加えて、黒目だけ当たりを付けるに留めたパーツとか用意して、そこに立体ジュエルシールの瞳を貼るとか面白そうだが、どうか。

歪まないように貼るのはちょっと難しいか。

 

まあ取り敢えず今回論じるのは、関節可動機構について。

 

美プラの関節って意外と独特なんですね。

組み換えのしやすさの為でもありますが、外観とは別個の「軸構造」を内包していることが一般的。

いや内包って、棒人間フレームが中に通ってるって意味じゃなくて、関節部だけ急に棒になってるって意味ですけどね。

 

概して細い軸です。

しかし素材的に強度も中々で、意外な保持力の強さがある。

PET系?なのかな?

ABS系とも絡めて、これのお陰で成立してると言ってもいい。

 

リボルテックのリボルバージョイント、のようなクリック機構はないけど、似た素材か?

手首なんてものすごく細かいけどパーツの組み合わせで曲げが可能なジョイントになってたりする。

 

素晴らしい技術の結晶だが、どうしてもそこに「非人間的構造」、人形っぽさが出てしまう。

ドール的というのかな…いや、ドール自体は詳しくはないが、体内に糸を通して関節を繋いだり、独自の球体関節を持っていたりするらしい。

プラモとは峻別されるが、古典的なドールというのはどうやら関節自体はグラグラであるが自由に動く、というものらしい?

支え無しに自立はしない感じなのか?

故にこそ曲がりなりにも関節保持力のある美プラが歓迎されたのだろうか?

 

提唱したいのは、これら関節部分について。

より人間的に、人体のラインに近付けた設計に出来ないものかと。

 

先ず前提の整理。

思うにだが、人体を表現した外装パーツと、可動を構成するジョイント軸、この二つを切り分けて「二層(或いは二段階)での構成となっている」のが最新鋭美プラの肝であり、叡智の結晶なのではないだろうか。

 

それが一つの到達点にしてある種満足の行く解答である事は認める。

組み換えの互換性や規格の共通化などに資するところは大きい。

 

が、「内の一つ」だ。

幾つも考え得る到達点の一つに過ぎない。

その答えが全てではなく、別のやり方も在るのではないだろうか。

 

具体には、また別のアプローチとして、アウトラインを極力崩さず人体に近い構成を成せる可動機構というものも、存在するのではないだろうか?

 

例えば先述の手首で言えば、レモンのような左右に尖った形状の楕円のような形状のジョイントはどうだろう。

レモンの真ん中で左右分割し、そこで組み合わせる。

「手首に生じる隙間をなるべく埋めつつ」、一方向への曲げは可能になる。

手首から腕が繋がっていなくて、いきなり軸で接続されている、という不自然が緩和される。

 

難点は一方向の曲げに制限されることだが(掌がパタパタと扇ぐ動きは出来る)、工夫により、例えば手首部=下腕側への接続を挟み込みにしてそこに可動軸を設ければ、もう一方向への曲げ(まっすぐ伸ばした手刀を親指側や小指側に傾ける)は多少追加できるし、パーツ数の増もない。

手首に対するジョイントは従来の軸方式なのでそこで無理から回転も出来るし、それでは段が目立つというなら下腕の肘近くに回転軸を設けてもいい(その部分に30MSなどでおなじみリング型の区切りパーツを採用すれば、これを通じてハードポイントの増設も出来る)。

 

こういった形で「隙間の出ない」可動構造を一つ、提唱したい。

それは単純な軸構造ではなく、接続部が軸である事による組み換えの容易性は担保しつつも、ジョイント部自体の形状を工夫することでよりシルエットを人体に近付けるというものだ。

 

こういったやり方が特に有効に作用すると思われるのが、肩周り。

現行だと肩は完全に胴から切り離され、それを別個の棒で繋げている、のが実態だ。

 

切り分けて棒で繋ぐのが可動プラモだと言ってしまえばそうなのだが、そこまで突き詰めた真理の話ではなく、飽くまでパッと見、外観の形状。

肩が浮いてしまっていて、人体と比して座りが悪かったりする。

 

「胴と繋がっていない」からというより、より端的には「胴とのラインが繋がっていない」からではないだろうか?

胴と軸棒で無理から「接続している」に留まり、有機的な稜線については表現を諦めている。

 

確かに可動フィギュアである以上、プラモである以上、有機物とは違う。

しかし有機的な生物の形状の神秘にも敬意を払ってこそ、可動プラモの進化があるのではないかと思うのだ。

 

人体の構造を見ていくと、脇の部分、というか振り上げた腕の内側は空洞に抉れているのではなく、肉を残している。

腋窩というやつだが、言うほど窪んでいなくて、当然切り欠きなぞがあるわけではない。

現状のプラモではここはスリットとして切り欠かれ、不自然に肉の途切れた切れ込みの奥でジョイント軸が覗く。

人体で例えると腕の内側の肉が無く骨が露出しているような状態で、だが美プラであれば肌色のパーツで構成されているのであまり悪目立たちしないで済んでいる。

仮にガンプラならば機械構造なのでそれこそ正解であろう。

 

だがここでもし、単純軸の代わりに「胴から肩への繋がりを意識したジョイントパーツ」が挟み込まれていたらどうだろう?

どちらかと言えば、肩の芯に当たるものが従来より太めのジョイントとして存在し、それを前後から腕パーツがモナカよろしく挟み込んで上腕とする構成。

肩の中心はリング状となり、その上で腕パーツが可動して腕を振り上げても、隙間が露出しない。

なだらかな稜線、人体のラインを保ったまま自然と腕を振り上げられる。

 

ガンプラでさえポリキャップの露出を避けるのに囲いが必要と言われたりするが(それは塗装の便から要請されるところが大きいのだが)、同様にして、如何にも模型的な単純構造可動軸の露出を避けるという発想だ。

この場合、軸自体の形状を変えてしまっているので、可動軸の露出を避けるというよりは、軸構造であることを外からはなかなか見て取れないようにしていると言った方が近いか。

露出は逆にするな。

見られてこそ自然なアウトラインにする。

 

脇部、肩口のラインを考えた形状のジョイント…

しかもこれが挟み込み式になっていて、厚みのあるジョイントに上腕パーツの組み合わせ軸を貫通させながら通す。

この方法ならばまず保持力が従来より遥かに高い。

 

ジョイントは胴部へと太めの丸棒が伸びていて、胴では多少の引き出し(胸側へと腕をせり出させることができる)が可能な軸受けがあり、それは胴部奥でボールジョイント接続されている、と。

 

現状と比し可動性能をほぼ下げないまま、外から見えるアウトラインだけ整える結果になる。

 

こういった構造を考えていくに参考となるのが、「筋肉表現」。

美プラはモチーフが少女なので筋肉ムキムキにするのはあまり相性が良いとは言えない、が、生物である以上、肉厚としては薄くとも、やはり特有の筋肉構造の上に成っている。

人体の構成を研究し、そのラインをより自然に模型へと落とし込む事が、美プラを更に進化させるのではないだろうか。

 

随分遠いところにある参考事例だが、マスターグレードのドラゴンボールシリーズで提唱された「マッスルビルドシステム」には学ぶべきところが多いように思う。

腿や脹脛など、筋肉の積層を意識した可動構成を考えるには非常に参考になりそうだ。

もっとも、想定しているのは積層と言うほど大仰ではなく、美プラならなるべく1パーツの外殻、可動の為の切れ込みが入っていない表層パーツで覆うべきというだけだが。

それが可動に追従・連動すれば理想的なのでは。

 

誤解しないで欲しいのは、単にマッスルムキムキにするのだというのではなく、より自然で美しい人体のライン、その稜線の繋がりを検証するという事。

それはアニメ的な表現の追求と決して相いれないわけではない。

むしろアニメ表現も模型表現も根底にあるのはいずれも現実の我々が持つ「人体」なのだから、その検証を進めることで一層真理に近付き、双方に共通する「コア」を突き詰めることになると考える。

 

 

 

↑それはそれとしてタンクさんかわいくね