G-3538 やがて閉じゆくとして | ガンダムFREAK!! <B-Edition>

G-3538 やがて閉じゆくとして

昔は週末によく電気屋に連れて行ってもらってね。
ジョーシン電機が行きつけだった。
ガンプラを買ってねえ。
父がまだ車に乗れた頃だ。
今ではもうAmazon一本になっちゃったな。
KIZUIです。
まだまだ行こうと思えば行ける、と思ってたが。
もう懐かしい領域になっちまったな。
元からなんだけど、人の目が気になって店頭ではもううろつけないのよ。
寄り付けんと言ってもいい。


鳥の声が夕を告げる。
かつての、日曜の夕方を思い出す。
結構昔になっちまったか。

カードキャプターさくらを観て、冒険心を掻き立てられ。
ほぼ初めて触るタカラトミーのゾイドを触って、スケール感にワクワクして。
シールドライガーだったかな。

でもケーニッヒウルフのパッケージ写真にもワクワクしたな。
夜の基地からスクランブル、みたいな情景のジオラマ。

幾らでも夢が見られた。
楽しかったな。
あんなに夢が輝いていたというのに。
ああまで人生を楽しめているやつ、我ながら他に知らない。

楽しかった。
本当に本当に、楽しかった。

ガンプラが在ってくれたおかげだろうし。
サブカルへの愛で満ちた国だったからでもある。

そして何より、幸せだった。
安心して生きていられた。
お母さんのおかげだ。

身を粉にして、毎日働いてくれて。
稼ぎは少ないけれど。
借金に塗れても。
それでも。

働いて、家事をして、世話を焼いて、話を聞いて。
頭を撫でて、愛してくれた。

お母さんがいたからだ。
だからやってこれた。
幸せでいられた。
太陽だったんだ。

太陽を失えば、後はもう、暗く冷たく閉ざされて。
緩やかに滅んでいくだけなのだろう。
夢の残照。
思い出を愛でるだけでも時間が足りない。

永遠に匹敵する愛をもらえた。
そして愛していた。
人生の全てをこの家族に、お母さんに捧げたいと思っていた。
お母さんが幸せなら。
それだけで、自分の人生は報われる。
生まれた意味があったのだと。

足りないよ。
まだまだ足りない。
全然、恩が返せていない。

お母さん。
もっとずっと、一緒にいたいよ。
親孝行させてよ。
おかあさん…。

 

 

 

↑ケーニッヒウルフ旧キット(というか本家タカラトミー版)のパッケ写真、凄い良い。夜のスクランブルなのか、まあ夜間訓練とかの可能性もあるけど、こんな想像力掻き立てられる一枚のジオラマがあるもんかなと。ほぼCG加工とかで作られてんのかも知れませんけども。いや~カッケーわ