うううっそ、もう11月か…。
夏日があったりして、例年以上に実感無いわ。
KIZUIです。
あと一か月で今年も終わりなの…?
え…。
マジなの?
このところオンラインコミックというか、その中でも「となりのヤングジャンプ」にハマってまして。
いや、ハマってるというか前から見てるんだけどね。
具体にはスーサイドガールの最新話が載ってないかな、ってのを見てて。
ワンパンマンも超人Xも追ってるんですけどね。
その中で一挙復刻掲載されたので、「瞬きより迅く!!」という作品をまとめ読み出来ました。
これも前から読んでる作品でね。
ただ、読み始めたのが途中からだったから、どうしてもちょっと分かりにくい部分もあった。
今回ので全体読めたので、知らない点が解消されて、一挙に面白さが増しました。
無料公開ってこんな効果もあったんですね。
漫画雑誌系の無料オンラインコミックサイト、その中でもあのジャンプ系列が手掛ける、青年誌系・ヤングジャンプの姉妹誌が「となりのヤングジャンプ」。
本誌の連載から引っ張って来て過去作を載せてるタイトルもあれば、ここだけの独占公開作品もあります。
「瞬きより迅く!!」は凄いクオリティなんですが、これは元の掲載誌はウルトラジャンプみたいですね。
遅れての掲載なのかな。
同時掲載で以てひたすらウルジャンを宣伝してるってわけでもなさそう?
いやだってウルジャンで載ってるなんてこの記事書くのに調べるまで知らんかったもんな。
さてその「瞬きより迅く!!」、概要は乱暴に言うと「女子高生が空手に挑む青春&正統スポーツもの」です。
この時点で興味を失ってしまう方もおられるかもしれませんね、以前は自分も命懸けのバトル系が良いな―なんて狭い了見だったことがあります。
しかし面白い。
可愛いキャラが多く、女性を描くのがとても上手い作風。
作者のふなつかずき先生は、別名義(というか本来名義)のふなつ一輝というペンネームでは結構なお色気作品を描いてきた模様。
納得の描写力ですね。
やっぱエロ畑出身作家の漫画力は確かなんよ。
が、本作、めちゃくちゃ真面目に作られており、色気を期待して読むと殆ど出てきません。
一部そういう描写も無くはないけど、本当に読み続けてくれた読者へのごく限られたサービスカットだってくらいのもの。
そのストイックさがいいんだよな、またなぁ。
真面目に空手道を描く為にそういうファクターは封印して挑んでるらしいぜ。
この作品の良いところを挙げ始めるとキリがありません。
あちこち、というより、あらゆるところが素晴らしい。
ウルジャンが背後にいる、或いはとなりのヤングジャンプという企画からしてもですが、いつ看板としてアニメ化しても不思議は無いというか。
それも出来るポテンシャルを秘めている。
一例として、取っ掛かりの段階で「読みやすさ」がある。
主人公が女子高生だと書いたのですが、それはギャルではありません。
というより、敢えてあんまりヤンキーギャルは出てきません。
登場人物殆ど女子高生ですが、作者先生も好むという「けいおん!」のような、ほのぼの世界観すら感じる仲良し女子率です。
不良的キャラは出て来ても、いみじくも空手道を修める彼女らの中にモノホンの不良はいないのです。
そこがまず安心して読める。
なんならきらら系が好きな人でも手に取れる。
そして最たる例として、主人公は大人しめのキャラなんです。
のんびり系、ゆるふわ感がある、ちっちゃかわいい主人公。
愚鈍なので「ぐ~どん」などと呼ばれてしまう。
まあこれはうどん好きだったこともあってなのですが。
愚鈍呼ばわりなどとは相当なディスり、明らかないじめに思われて、個人的にはちょっと慣れなかったのですが、考えてみればこの響きって、ゆるキャラ扱いというか、からかいというか、かわいいやつにかわいい名前を付けてやろう的な悪戯心が見え隠れする愛称だったんですね。
そう思うとあんまり悪意で呼んでるわけではなかったのかも。
この主人公…というかギャルギャルしくないキャラたち。
正味の話、この令和の時代に合ってると思うんです。
尖ってるのもいるけれど基本真面目のこの路線。
今、ギャルキャラって人気ではあるし、毒舌又はぶっちゃけキャラ、等身大な人物像というのも受けてはいますが。
世相としては逆に大人しくなっていってんじゃないかな?
それこそ、平成の学生たちは昭和のツッパリや過激な学生運動、スケバンだとかを見て、そこまで反発せんでもという違和感を抱いてはいたんですよね。
守られて養われている立場でそこまで立場を顧みず増長出来るものかなと。
それが思春期だと言えばそうなんですが、青臭い身の程知らずでしかなく、それってやっぱどこか情けないんですよね。
非行なんかで存在を主張したって、それ否定されるだけってわかってるよねと。
もっと確かな主張を持てよ、それが見たいんだよ。
やってらんねーグレてやるって、ただ拗ねてるだけに映ってしまう。
もっと確かな芯を、心の底からくる本当の気持ちを、言語化して訴えるべきなんじゃあないのかと。
言葉に出来ないのは自身とまず向き合えていないからなんじゃないのか。
本当はそんな鬱屈した思いを言葉にして誰かに届けられれば、自分はおろか、同じような境遇で苦しんでる同世代、或いは世界の老若男女を、救えるんじゃないのか。
心は心を救える。
心は言葉に出来る。
それが上手く扱えていない。
言葉で心が伝えられるなんて、でもそれは、信じられないかも知れないけど、本当は当たり前のことなんだ。
君がまだ信じていないだけで。
だって人が言葉を手にしたのは、心を伝える為なんだから。
だから、さ。
思いをぶつける手段が暴力だけなんて、そんな悲しいこと言うなよ。
…そういうふうに思って見ていた。
時を経て、令和。
この現代では非行も不良も更に異端。
ろくでなしブルースのキャラと東京リベンジャーズ(※諸事情からマンジ略)のキャラが喧嘩して後者が勝つと思いにくいんだよな、少なくともステゴロではさ。
なんというか、落ち着きを取り戻し、正常な時代、正常な判断ができる世相になったと思う。
この現代では真面目系、ストイック系のウケる余地が大幅に広がっている。
と個人的に思う。
不良主人公がまず減ってる。
実のとこ、なろう系も設定が突飛だったりするけど、真面目で普通な主人公が現代の基礎知識で活躍(=無双)できるところに面白味があって、落ちこぼれとかクズとか社会不適合とか言われていたって、真に反社会なやつが転生してるパターンって少ないもんな。
ヤンキー主人公って少数派で、「1ミリもブレない」とか、後幾つかくらいか。
そんなストイックな本作、その最たる面白さは「空手道」を真正面からきっちり描いてるところ。
精神論だけでなく技術的なところも描いてくれていて、素人には勉強になるのです。
いえね、こないだ会社帰りとか、ちょこちょこ小学校入ったばっかりくらいの子が、道着を着て自転車で走ってるんですよ。
何人かでね。
その中に女の子もいる。
え、まあ空手か柔道か分かんないけど、女の子でそんなのやるのって、リアルのヤワラちゃん的にニュースになるような、珍しいもんなんじゃないの?と一瞬思ったけど。
考えてみれば女子の大会とかも開かれてますもんね。
空手も一応あるけど女子では柔道の方がメジャーか。
じゃあ在るのは在るのか、護身術習わせる感じかなとか思ってたら。
この作品で、女子でも参戦できる空手道の奥深さが垣間見れました。
そんなぽわぽわ主人公に空手なんて出来るのかと思ってたら、競技空手には主に2種あり、実際に攻撃を当てる格闘技としてのフルコンタクト空手と、防具着用の上で顔には寸止めのみ許される(腹には結構いくらしいが)伝統空手とがある。
後者は型競技もあるように、打ち倒すための威力如何より、型や礼節、精神性の重視が強い。
主人公らがやるのはこちらで、本気で殴り合うし蹴り合うけれども、それは相手をブッ倒す指向ではなく、型を決めるって感じ。
そこにゆるふわ女子高生でも入り込める余地がある!!
主人公の特性は精々、動体視力が良いくらい。
でもそれが、タイトルでもある「瞬きより迅く」の伏線になってんでしょうね。
その技前自体は既に先輩キャラが披露はしているんですが。
これからの主人公の急成長が楽しみです。
倒し切るなら膂力が要るけど、相手より速くに型を決めるのなら主人公にも出来そう。
そういう叙述トリック的な…、ああいや、元々そういう競技だけど。
ちゃんとした絡繰りがある。
この伝統空手を、フルコンと比較して貶めないのがまたいい。
精神性だとか、明らか武道として高潔だもんな。
そこを尊重してくれているから型競技だという謗りが当たらないんだ。
自分との戦いであり、相手との磨き合いなんだ。
この作品を読んでいて辛い点、というか、自分が難点だなと思ったところは一つだけですかね。
キャラの描き分け。
ここだけなあ…。
リアル志向だから、似たキャラばっかりになっちゃうんですよね。
髪の色も赤だとか青だとかツートン、メッシュだとか出来ないんですよ。
真面目な競技なんでね。
スポーツだから派手な髪形もあんまりできない、地に着くくらいの長髪とか無理がある。
そして団体戦有りのスポーツものだから、キャラがまた多いのよ。
自分で前に出て喋ってる時はまだいい、スポットライト当たってる時はね。
区別が付く。
画面端とかで脇役してる時よ。
圧倒的区別のつかなさ。
無理からモヒカンや眼帯を入れてくれてようやっと区別が付く始末。
それらのキャラがチームアイコンとして機能する(笑)。
それでも、性格とかに特徴あると分かりやすいんよな。
逆に一番見分けつかない筈の双子、憧れの生徒会長と横暴先輩(部長ではなかった)の方がわかりやすく区別つくもん。
お色気お姉さんな感じのオクトパスクイーンだとか、おっとり実力者の古武術コーチとか、部内ライバルのサメ牙ツインテール、最終ライバル感のある空手天才な不思議ちゃん、魅力的なキャラがたくさんいてそれらはキャラが立っている。
が、なおも絵面的にはどれも似てしまう。
後頭部での区別が特につきにくい。
普通、漫画ならもっとわかりやすいアイコン、頬に赤丸の紅を入れたり、黒目の中に五芒星を描いたり、頬に十字傷をつけたりだとかがありそうだが。
この作品はリアル志向なのでそんなことはしない。
しないのだ。
結果、誰が誰か分からん…!!
ここだけちょっと残念と言うか、久々に読みたいという気持ちを阻害するんだよなあ。
しかも、これ決して作者さんの画力不足じゃないんですよ。
寧ろ画力の高さから来ている。
細かく描き分けられる画力の超越というかね。
素人にはそれがわからんわけです(笑)。
拘りによって来している事象というわけ。
そこがつらいところだ。
精進するほど、面白くなればなるほど区別が付かない。
といってなあ、道着に名前書いて、それが常に映り込むアングルで描くとかも、逆に情報量的にやかましいし。
名前そんなでかでか書かないよな?
今の構成で加えてやれるとしたら、精々、特徴的な台詞回しみたいな「口調」か…、そのキャラが映るときに特徴的に差し込まれる背景トーンを決めておく、みたいな「演出」くらいの手法か。
こいつの気迫は流れる水のように静かだ!→背景に水面を思わせるトーン、とか?
魔法属性かよwww
有りがちな手法の巨乳だとかも、空手題材、お色気封印の方針下ではやりにくい。
やれるとしたら長身、巨躯、はたまた低身長、筋肉質、細長痩躯とかかな。
それはそれで空手が組みにくいんよ。
リアルとかけ離れても本末転倒だし。
なかなかに難題だな。
↑FGOのアニメ化ってバビロニアしか見た事無いんだけど、あれは良かったな。地上波毎週放送で出来るようなクオリティじゃなかった、単に劇場版に収まりきらなかったのではくらいの出色の出来。巧い事総集編挟んでさ。どうにかこうにかやり切れる進行だったんだろな。それに比べて艦これアニメの不甲斐のなさよ…。でも、ソロモン編もアニメ化してた?んだね。え、劇場版か?原作の話も全然知らんのやが。人理を守るためみたいな理由であちこちの時代に跳んでうんたら~って導入しか知らない。バビロニアは乳すだれを地上波でやった偉大なアニメだが、ソロモンもまた良さそうなんな…。え、登場する性癖教えて?(言いつつ実はマシュが危うげなストーリーの方が気になる)