現在、日本のがんゲノム医療には、2つの方法があります。


①分子標的薬治療(遺伝子の異常に適合した薬剤を投与する)

2022年に受けた遺伝子パネル検査で判明した私のATM遺伝子変異に対しては、オラパリブという分子標的薬が効く可能性が海外の臨床報告で示唆されているものの、日本では、膵がんについてはBRACA1/2遺伝子変異にのみ保険承認されています。

従って、現状、私は使うことが出来ませんし、ATM遺伝子変異は「少数派」なので、将来も保険適用されることはないでしょう。


②遺伝子治療

遺伝子治療とは正しい配列の遺伝子を投与するなどして、根治や回復を目指す治療法です。

一部のがんや遺伝子疾患、感染症などの治療法として研究・開発が進められており、日本でも一部の病気ではすでに保険適用され専門の医療機関で治療が行われています。

膵臓がんにおいては、ようやく治験が始まったばかりであり、保険承認されるのは5年以上先になると思われます。


がん遺伝子治療は、がん抑制遺伝子を投与して、本来の体内に備わっているがん抑制機構を再び機能させるための治療です。

人間の身体に備わった機能に根ざした治療であるため、副作用などの負担が少ない、身体に優しい治療とされています。
がん抑制機構が回復することにより、抗がん剤治療との併用により効果が高まる可能性も指摘されています。


私の場合、一義的には腹膜播種を攻撃ターゲットとしていますので、「局所注射」(腹腔内投与)の施術となります。

また、私はsmad4というがん抑制遺伝子にも変異が発見されたのですが、オプションでsmad4の正常遺伝子を追加投与できる点も魅力でした。


なお、気になる治療費ですが、私の場合、局所注射の位置づけなので、全身の遺伝子治療に比べ治療費は数分の一程度です。

かつ施術毎の都度精算なので、いわゆる高額な自由診療のイメージとは一線を画しています。