2026年5月3日(日)
全身化学療法の副作用が、ようやく一巡して体調も回復してきました。
ゴールデンウィークは遠出の予定は入れていませんが、1年間で最も快適な季節なので積極的に散歩に出掛け身体を動かしたいところです。
これまでの闘病生活を振り返り、当初余命3ヶ月程度と覚悟したところから54ヶ月経過しても治療継続している要因を自己分析して「闘病の分岐点(ターニングポイント)」だったと思われる事項を以下の通り整理してみました。
私の治療戦略の中核は、やはり「標準治療」(抗がん剤治療)に据えながら、幅広な代替・補完療法を駆使して、「効く確率を上げる=“合う条件を1つでも増やす”こと」を意識してきました。
「魔法の一手」に期待するのではなく、複数の要素で免疫を底上げして「がんを兵糧攻め」にする戦略です。
① 遺伝子を“調べ切る”
がん遺伝子パネル検査で遺伝子変異だけでなく、BRCA、MSIなどを出来るだけ早い段階で把握しておきたいところです。
自分の遺伝子変異に適合する分子標的薬が、もし見つかれば効く確率は一気に跳ね上がります。
私の場合は、残念ながら「当たり薬」は見つかりませんでしたが、「プラチナ系抗がん剤(オキサリプラチン)の感受性が高い可能性」が示唆されたため、早めに2次治療薬(FOLFIRINOX療法)に切り替える判断根拠の一つになりました。
② 抗がん剤治療を「消耗戦」にしない
効かない治療を長く続けて体力を削ると次の有効な治療に行く前に“土台が崩れる”ことになりかねません。
早めに効果判定してスパッと切り替え「効いている間だけ使う」という発想で決断しました。
特に腹膜播種の場合、「2次治療への導入率が低い」ことが、予後不良の要因と指摘されていたので、体力があるうちに2次治療に移行することを強く意識していました。
主治医からは「(1次治療のアブゲムについて)ちょっと、お名残惜しい感じはしますが・・・」と言われましたが、2次治療への早期移行をお願いした次第です。
③ 身体の状態を“治療が効く側”に寄せる
逆説的な例えになりますが、私は闘病する過程で「強力な抗がん剤治療を続けるためには、がん患者は健康である必要がある」と考えるようになりました。
私が自らの健康状態に関して意識し注視してきたのは、「栄養(特にタンパク・体重維持):アルブミン」、「炎症:CRP」、「睡眠:Apple Watchのスコア」の数値です。
これが「免疫力」、「代謝効率」、「回復力」に影響して、抗がん剤の効き方だけでなく、耐性化のスピードも変わるのではないかと考えています。
④ 腫瘍微小環境への対策
特異な微小環境が膵臓がんの生存率の低さの最大要因と受け止めてきましたが、患者の自助努力では如何ともし難い面は否定できず悩ましいところです。
膵がん腫瘍の特徴である「硬い線維の壁」、「血流が悪い」、「薬が届かない」をセルフケアで克服することは容易ではありません。
血流が乏しく抗がん剤が届きづらい腹膜に対しては、点滴ではなく、やはり腹腔内化学療法が有効だと考えてきましたし、今もその考えに変化はありません。
最も困難な「硬い繊維の壁」については、私は丸山ワクチンに期待しています。
丸山ワクチンの作用機序は、基本的には樹状細胞の活性化による免疫賦活効果とされてきましたが、最近の研究では、腫瘍細胞間に存在する間質を減らす、あるいは組織改変する方向に作用すると指摘されています。
また、「薬が届かない」原因として、膵がん細胞の周囲に陣取り、あらゆる薬剤をバケツリレーのように細胞外に汲み出す「P糖タンパク」の存在が指摘されていました。
私はこの「P糖タンパク」を抑制する作用があるとされる「ケルセチン」、「クルクミン」、「アロニア」をサプリメントで補給しています。
新たな効く薬の登場を待つのではなく、現在の薬が届きやすい微小環境の整備に努めてきました。
⑤がんが進化する前に叩く「タイミング戦略」
進行がん細胞は時間の経過とともに薬剤耐性を獲得して手強くなっていきます。
ですので、腫瘍量が少ないうちに叩く、今の薬が効いている間に次を考え準備しておくことは、後手に回る事態を回避する観点からも大切だと思います。
私の今後については、ナリリフォックス療法が保険承認され次第、FOLFIRINOX療法から移行することについて主治医の理解を得ています。
万が一、その前にFOLFIRINOX療法が効かなくなったら、「繋ぎ」としてオニバイトに移行するかもしれません。
上記を私なりに総括すると「効く確率を上げる本質」は「適合する薬×体力×タイミング」ということになります。
つまり、「何を使うか」と同じくらい、「いつやめるか」、「いつ変えるか」が重要で、ここを間違えると“効くはずだった治療”も効かなくなるような気がしています。
とは言っても、「現在の抗がん剤に見切りをつける」や「抗がん剤を変更する」というのは「命の選択」とも言え、極めて重い決断です。
結果として、「変えない方が正解だった」ということもあり得る訳で、最終的には投資同様、専門家(主治医)の助言のもと自己責任で対処すべき課題だと考えていますが、一律的ではなく個別かつ慎重に判断すべき事項と思われます。
なお上記は、あくまでも私個人の症例におけるインプリケーションの位置づけで、ご参考までに投稿したもので、一律的に「こうすべきだ」と主張するものではありません。

