今日は、若い頃(25年ほど前)、出向していた米国保険会社の総合企画部で一緒に働いた方にお会いして、昔話に花が咲き免疫が爆上がりしました。
当時の私にとっては、外資でありながら、とても「日本的な社風」で働きやすい環境に感じ、2年間の出向期間が終了して帰任する時に「出来ることなら、このままこの会社に残りたい」と後ろ髪を引かれる思いで戻ったことが懐かしく思い出されます。
「がんの王様」と言われるほど予後の悪い膵臓がんですが、当初は何とかして助かりたい、治りたいとの切実な願いを持っていました。
しかし、闘病を通じて現代医学にも限界があることがわかってきました。
手術ができるかどうか、あるいは再発・転移するかどうかは運命かもしれません。
世の中には、どうにもならないこともあります。
2023年3月にチャレンジした審査腹腔鏡手術は、残念ながら2度目の試験開腹に終わりました。
執刀した外科医から、
「前回(2022年1月時点)の腹腔内の画像データを拝見しましたが、腹腔内全体に多数の播種が散らばっており、この治験(腹腔内化学併用療法)に参加していなければ、間違いなく命を落とされていたでしょう。
播種はまだ残っていますが、よくここまで持ち直しましたね。」
と言われました。
「藁をも掴む思いで参加した先進医療の治験で拾った命」
こう考えれば、もはや5年生存率の低さやエビデンスも関係ありません。
自分で選んだ治療法に責任をとり、結果はどうであれ、あとは受け入れるだけです。
手術不能と診断された膵臓がんの場合、抗がん剤だけの「一本足打法」では、「がんの王様」に抗うことは現実問題として難しく、統計データ通りの結果になってしまうでしょう。
それが受け入れられないのであれば、自己責任で自分に合うと思われる治療戦術を試行錯誤しながら活路を見出すしか道はないとの覚悟で、これからも闘病しようと考えています。
これまで治療戦略の中核に位置づけていた先進医療の治験も6月末で終了し、抗がん剤の投与量も紆余曲折を経てピーク時の7割に減量したので、この「攻撃力不足」を何らかの形で補う方策を導入するつもりです。
ただ一方で、「やるべきことをやったら、あとは天におまかせ」といった心境になった方が、残りの人生を充実して過ごせるような気がしてきた今日この頃です。