9月2日の想定外の「膵臓+脾臓のダブル腫瘍増大のショック」で、ある程度予想していたとは言えメンタルが削られましたが、明日は腹腔内化学療法のため再度都心まで電車で通院しなくてはなりません。
腹膜播種は、膵がん患者にとって脾臓とは比べ物にならない「破壊力」を秘めている恐ろしい転移なので、明日の治療に備えて心身共に整えておきたいところです。
確かに「すい臓と脾臓の腫瘍が共に増大している」と昨日主治医から聞いた瞬間は、衝撃と共に最初に告知を受けた時に感じた「絶望感」が脳裏を過りましたが、一晩寝て倦怠感や吐き気を抱えながらも、今日は在宅勤務でバタバタと仕事を捌く過程でメンタルが次第に落ち着いてきました。
「自分が膵がんステージ4患者であることを自覚していない時間帯」は、「寝ている時」と「仕事に集中している時」ぐらいなので、可能な限り仕事は続けたいと考えています。
メンタル復調のキッカケは、「今回の検査結果は大変残念だったが、腹膜播種の増悪ではなく、脾臓の増悪だけで済んでいる段階だ。」(=不幸中の幸い)、「治験参加時の抗がん剤投与量の50%ではパワー不足であることが今回ハッキリしたので、70%に戻した時に癌がどう反応するか見極めれば、「量」あるいは「耐性」の問題なのか今後の治療に向けた判断材料になりうる。」と前向きに受け止められるようになったからです。
がん発病以来、さまざまな不自由や苦痛にも“受け入れ力”でやりすごし、現状に対する“満足力”や“感謝力”を発揮して、毎日を平穏に過ごすよう努めてきました。
たしかに、満足と不満には絶対的な尺度などなく、自分の期待と現実との比較で決まるものでしょう。
であれば、期待値を下げれば下げるほど、満足感は高まるはずです。
つまり、“満足力”とは“期待値を下げる力”ということだと思います。
私は最初の開腹手術直後のICUでのかつてない激痛を経験して、痛みなく仰向けの姿勢で就寝出来ることに感謝出来るようになりました。
しかし、言うは易し、行うは難しで、人は不足にばかり目を向けがちです。
「病は気から」と昔から言われていますが、これから受け止めることになる「がんの王様」からの様々な攻撃や苦痛に対して、この“受け入れ力”を発揮して、まずは基本となるメンタルへのダメージを極小化するよう努力していきたいと考えています。